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ちんちんとちんこ







 寝室をこっそり覗く。


 着替えてる途中に入って「えっち!」って言われながらビンタされるのはごめんだからな。


『こうじゃないなあ……』


 なにやらブツブツ言ってベッドをゴロゴロ。


 入っても良さげなので突入すると。


「っ……!」


 スカーがぽっと赤くしてぷいって目を逸らしてしまった。


『ノックしないリュウキなんてきらい!』



 見えない地雷なんて対処できないぞ!


「なにしてたんだ?」


「ひ、ひみつ……」


「それよりスカート履くんだろ」


「うんっ」


 ベッドから下りるとミニスカートを引っ張り出してきた。


 退出しようと一歩下がる。


「だめ!」


「えっ?」


「着替えるの、見てて!」


 ノックしないのはダメなのに、着替えは見てもいいのか。


「別に見ないから」


「リュウキは口だけだから見るもん」


 背を向けてドアのシミを数える。


 バサりと衣類が落ちた。


「ねえねえ」


「見ないって」



「……履いたよ」


 振り返るとしっかりスカートが履かれていた


「かなしい」


「いや、見なかったぞ? 褒めて欲しいくらいだな」


「リュウキはスカーのこと好きじゃないんだ? そっか」


 見てないのにしょんぼりされた。


「そんなことは言ってない」


「どうせ他人に褒められても嬉しいんでしょ」


 自身の大きな胸を揉みながら『不利だなあ……』と呟く。


「関心がないわけじゃないからな!」


「もういいもん」


 ベッドに座ったスカーが俺を見上げて分かりやすく舌打ちをしてくる。


「悪かったって」


「金髪ちゃんとかだったら、振り返って見るんだよね?」


「見ない見ない見ない」


 見ます、見ます。


「……わかりやす」


「ジョークだって」



『中身が男だと、こんなに女の子でもリュウキにはちんこに見える?』



 膝を抱えて顔を伏せてしまった。


「男は、ちんこ、嫌いだよね……」


 どうやって慰めたらいいんだ?


 俺はスカーの気持ちが分からない。


 こんなことを経験している俺の気持ちなんて。


「スカーって女の子じゃないのか?」


「……」


「おいおい、ちんこ付いてるのか確認しよーぜ」


 俺はスカートを摘んで軽く引っ張ってみる。


「だ、だめ!」


 スカーが必死に衣類を押さえて後ずさる。


「確認したくないか?」


「はずかしいから……」


「本性出たな」


 俺はパッとスカートを放した。



『スカー、お前に心のちんこはもう付いてない』



「へ?」


 自分でも何言ってるのか分からない。


「男として俺を見てるなら、同性として見せれるだろ」


「……」


「見せれないってことはかわいい女の子なんじゃないのか」


 これが俺の、精一杯の答え。


「かわいい?」


「何が?」


「かわいいって言った?」


 骨折り損だった。


「言ってないぞ」


「むう……」


 言ってたって顔してる。


 もう一回、言って欲しいのか。


「スカート似合ってる」


「本当?」


「かわいいぞ」



「えへへ……」


 分かりやすくにんまり。



「ご機嫌取りは、嫌いだよ」


「そんなわけないだろ」


 スカーの肩を掴んで優しく押し倒す。


「こんなにかわいいと見てるだけで癒される」


「証拠は」


「これならどうだ」


 短いキスを何度か交わすと。


「チューばっかり……」


 照れてるのか、はぐらかすように逃げられてしまった。


 俺から離れて寝直すと毛布を被った。


 一緒に寝たくて隣に入ってみると背を向けられてしまった。


「来なくていいもん」


「分かったよ」


「行かないで」


 ツンデレ?


「かわいいな、こういう所」


「かわいくなーい……」


「かわいいって」


 背中をツンツンすると振り返ってくれた。


 ほんのり頬が赤い。


「なに」


 嫌そうじゃないけど、めんどくさそうな声。



「こっち向いてくれよ」


「やだ」


「さみしいだろ」


 スカーはわざわざ寝返ってくれた。


「まださみしい?」


 そう言ってピッタリ密着してくれる。


 スカーが近づいただけなのに、心が落ち着く。


「……離したくない」


 スカーの背中に手を回して目を閉じた。






『おーきーてー』


 声に気づいてスカーを見る。


「なんだ……」


「もう朝だよ」


 スカーを抱きしめたまま寝たんだよな。


「悪い、動けなかっただろ」


「チューしてくれたら許してあげる」


 応えて顔を近づけると眠くなってくる。


 目を閉じながら唇を押し付けた。



「激しいよ……」


 いつも通りなのに。


「そうか?」


 離れながら、深く息を吸う。


「なんとなく」


「眠いからなんでもいいが」


「起きてくれなきゃ嫌だよー」


 バサッと毛布を剥がしたスカーが、俺の手を引っ張ってくる。


「朝が弱いの知ってるだろ」


「寂しいんだもん」


「しょうがないなあ」


 スカーに引っ張られ、ベッドから降りる。


「お風呂入ったら覚めるよ」



 誘われるがままに寝室から脱衣場へ。


「脱いで脱いで」


 ぼーっと制服を脱いで裸になると、スカーも脱いでいた。


「なんで脱いでんの?」


「一緒に入りたくて……ダメかな」


 入りたそうに見つめられたら、仕方ない。


「良いよ」


「やったあ」


 風呂場に入って俺はスカーの動きを観察してみた。


 魔法を使ったお風呂の全貌が気になるんだ。


「ざばざば〜」



 機嫌が良いスカーはそんなことを言いながら、右手をシャワーヘッドに見立てて湯を浴びる。


 全体的に体を流すと、髪の中に指を入れて水で洗っていく。


 思った以上に便利そうで羨ましい。



「次はリュウキだよー」


 そう思っていたら、同じように手から水を出してくれた。


「助かる」


 髪も洗ってくれている。


「べつにー」


 一通り終えると、指を俺の口に入れてきた。


「……」


「歯磨きだよ」


 そう言って口の中が水で満たされ、水圧でシュルシュル水が動く。


 溢れた水が口から出ていく。


 されてから歯がスッキリした感じはあった。


「どう?」


「あり」


 スカーも指を咥えて水磨きをしていた。



「温度はどうしよっか? 先に入っていいよ」



 湯船に手を向けて聞いてきた。


 どうやら浸かるつもりらしい。


『スカーの好きな温度でいい』


「え?」


『熱かったら、一緒に浸かれないしな』



「……えへへ」


 スカーは嬉しそうに湯を放った。








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最強美少女ギルドに入った俺の初仕事は貰った剣を100億にすること!(クリア報酬→追放)
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