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クロネコノト  作者: 三原ノト
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004

ツグミー。開けてー。ここ開けてよー。

ツグミー。

「ん。どうした?」

お腹空いたー。お腹空いたのー。

「今何時だよ。」

「カリカリ入ってるじゃん。」

ご飯は一緒じゃなきゃダメなの。

そこに居て。

あとトイレキレイにして。

ふぅ。

遊ぶ?遊んでやろうか?

お前いつも一人だからな。遊んでやる。

わおっ

こいつすすばしっこいなっ

こっちかっ。そっちかっ

ツグミは私と遊ぶのが好きなんだな。

だからたくさん遊んでやるぞ。


ツグミー。

何してるの?これ何?

ガサガサしてるっ。何この地面。

座り心地はどうかな。

うーんそうでもないぞ?

うわっ

なんでどかした?

「なんで新聞読むの邪魔するかね。」

私はこの上がいいんだ。邪魔をするなっ。

うー

またどかすとかお前何様だっ

私のが偉いんだぞ。

イライラするなぁ。

爪を研いで落ち着こう。

私がその気になればこの爪でお前なんかイチコロなんだぞ。

壁に何かいるっ

あ、いなかった。

ツグミーっご飯マダー?


雨の日はキライ。

オソトに行けない。トラとハチと遊べない。

でも濡れるのはイヤだ。

自慢の黒髪がペッタンコになっちゃう。

見てコレ。あぁキレイ。

ちょっとお手入れしておこう。

雨の日は好き。

おうちの中からオソトを眺めると楽しい。

雨の音も好き。

パタパタ鳴ったりザラザラ鳴ったり。

お空が歌っている。

晴れた日は好き。

オソトで遊べる。

今日こそ獲物を取ってツグミに食べさせる。

アイツは私がいないとダメだから。

私が遊んでやらないとダメなんだ。

だから早く帰って来て。

一人じゃつまらないよ。


ツグミのベッドで寝よう。

ツグミの臭いがする。

帰ってきたら遊んでやるからね。

だからおトイレキレイにしてっ

冷たいお水も頂戴。

そしたらたくさん撫でさせてあげるから。

たくさん遊んであげるから。

だから早く帰って来て。





たくさん遊んだなー。

あーもう泣くなツグミ。私は心配だよ。

ご飯を用意してくれる人はいるの?

一人で寝られる?

遊んでくれる人はいる?

話を聞いてくれる人はいる?

大丈夫だよ。猫には9つ魂があるんだ。

今回のが9つ目だったら?

大丈夫だよ。また1から貰えるんだ。

だからって次もツグミに出会えるとは限らない。

私達の出会いは奇跡みたいなものだ。

フフン。イイ事言っただろ。

また会えるとイイなぁ。

そしたらまた弟子にしてやる。

だからツグミ。いつまで泣いてるな。

私はちょっと寝るよ。

起きたらまた遊んでやるからな。





女子。黒猫。さらに魔女。

今日から三原家のボスだ。ご主人様だ。偉いんだ。

「ツグミ。」

それが私の弟子の名前。

ツグミ?

前に何処かで会ったか?

まあイイや。

ツグミは私を「ノト」と呼ぶ。

たくさん遊んでやる。

たくさん撫でさせてやる。

覚悟しろよ。

だからおトイレキレイにしてっ


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