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ちょっとエッチで可愛い妖猫と送る甘い生活  作者: 白田 まろん
第三章 スパリゾートへ行こう
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水着なら学校指定のやつがありますね

「かまくんかまくん!」


 学校から帰宅してすぐ制服のまま着替えようともせずに、梨依里が膝に乗ってくる。今し方おんぶから降ろしたばかりなので、まだくっついていたいのかも知れない。俺も背中よりこうして膝に乗られた方が、梨依里の匂いや感触を存分に味わえるというものだ。何より暖かいしな。


「何だ、どうした?」

「この温泉スパってどんな味がするんですか?」


 梨依里が見せてきたのは学校帰りに配られていたチラシだった。スパリゾート・アラビアンズという、どこかで聞いたことがありそうな名前だが、この秋にリニューアルオープンしたらしい。


「梨依里、頭のいいお前のことだからボケたっていうのは分かっているが、一応真面目に答えてやるとそれはスパゲッティのことではないからな」

「へ?……そ、そうですよね、さすがかまくん、私のボケを見抜くとは……」


 梨依里の目が泳いでいる。やっぱりコイツ、食い物の方だと思ってやがったな。しかしスパリゾートか、最近寒いし温泉でのんびり過ごすのもいいかも知れない。


「そこは温泉があってな、他にも温水プールで遊べたりショッピング出来たり、宿泊も出来るみたいだぞ」


 もっとも宿泊に関しては高校生の俺と梨依里だけでは受け付けてもらえないかも知れない。


「温泉! 行きたいです!」


 途端に瞳を輝かせて俺を見上げながら梨依里が叫ぶ。そんなに大きな声を出さなくても聞こえるからな。


「それならショッピングモールで水着も買っておけばよかったな」

「どうして水着なんですか?」

「そこは水着を着て入る温泉なんだよ」


 その代わり男女別々にはなっていない。それぞれ男性用、女性用の風呂もあるが、宿泊客専用エリアを除いてどこも基本は衣服か水着着用である。


「水着なら学校指定のやつがありますね」

「ばっ! お前が学校のプール以外でスク水なんか着てみろ。イベントと勘違いしたマニアが集まってくるぞ」


 学校ではプールの授業は男女別々なので梨依里のスク水姿を見ることはなかったが、前に梨依里ちゃんファッションショーで見せられた時は背徳感がハンパなかった。


 梨依里は身長が低いだけで、プロポーションは胸の大きなモデル並である。それがスク水という凶悪な防具を身につけたものだから、スク水信者ではない俺でさえしばらく前傾姿勢を解除出来なかったほどだ。それくらいの破壊力があったということである。


「それなら明日は職員会議で午前中までですし、学校終わったらまたショッピングモールに買いに行きませんか?」


 うちの高校は月一回、金曜日に職員会議で授業が午前中までの日がある。とは言ってもどうやらそれは表向きの理由で、実際は先生たちの残務整理に充てられているらしい。水池先生によると、無限残業によるブラック化を防ぐ措置だとか。教師ってのも大変なんだろうな。


 話を戻すが例のショッピングモール内には水着専門店があり、冬場でも夏と品揃えが変わらないのを売りにしている。梨依里はそれを覚えていたのだろう。


「そ、そうだな……しかし梨依里、今のうちに言っておくが水着売り場の店内に俺を引っ張り込むなよ」


 一瞬あのスク水姿を思い出して口ごもってしまった。ちなみに俺の予想では、女性用水着売り場はリスリザや下着売り場の次に入りにくい場所のはずだ。エロいことは大好きだが、衆人環視(しゅうじんかんし)の中では俺がそこに立ち入ることさえ気まず過ぎる。


「俺は自分のを選ぶから、お前も自分で好きなのを選べ」

「えー、一緒に選びましょうよ。私もかまくんの水着選んであげたいですし」


 俺だってそうしたいのは山々だが、水着と言えば下着の次かそれ以上に小さな布面積だし、女性用のものは色とりどりで(まぶ)しすぎる。それに梨依里が一緒とは言え、さすがに俺だって恥ずかしいのだ。さらにあんな所に迷い込んでしまったら、常に前屈みになっている自分しか想像出来ない。


 加えて正直こないだのリスリザ店内での出来事はトラウマレベルである。梨依里の可愛らしさは売れっ子のアイドルや女優を軽く(しの)ぐほどだから、店員の目を惹きつけることは間違いない。逆に同行する俺は明らかに不釣り合いな風体(ふうてい)である。店員たちの好奇心を掻き立てるのはまず間違いないだろう。となればあの地獄のような恥ずかしい空間の再来は(まぬが)れないし、こちらは客の立場なんだから店員にサービスする義理なんて一ミリもないと思う。


 しかも俺はそのトラウマのせいで最近は普通の婦人服売り場でさえ、入店はおろか店の前を通るだけでも躊躇(ちゅうちょ)してしまうようになったほどなんだよ。


「かまくん、よく考えて下さい」

「な、何を……?」


 しかし俺は梨依里の次の言葉に絶句し、それに従うより他の選択肢がなかったことに絶望せざるを得なかった。

梨依里が何と言ったのかは次々話で分かります

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