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ちょっとエッチで可愛い妖猫と送る甘い生活  作者: 白田 まろん
第二章 梨依里と過ごす甘い日常
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下着ファッションショー

「かまくんかまくん! 何してるんですか? 早く来て下さい」


 店内から大きな声で俺を呼ぶ梨依里に、店員さんも苦笑いしているように見える。その生温かい視線は、俺の気持ちを察してくれているってことでいいんですよね。


「い、いいからお前、好きなの選べ。ここにいるから決まったら呼んでくれ」

「ええ! でもでも、かまくんも一緒に選んで下さいよぉ」


 頼むから人前でかまくんかまくんと連呼するのはやめてくれ。俺のライフが異常なスピードで削られていく。そして店員さん、クスクス笑うのは失礼ですよ。


 挙げ句の果てには通行人まで何事かと足を止めるようになる始末。こうなっては外にいても中に入っても大差はない。ただ店外にいるままだと梨依里が大声で呼び続けるので、俺は決死の覚悟でほわほわピンクな店内に足を踏み入れるより他なかった。


 その後の俺の記憶は途切れ途切れだ。梨依里はこの見た目だから、店員さんも調子に乗ってあれやこれやと薦めてくる。その度に試着しては俺に見せて、感想を言わされるのだ。加えて梨依里が俺のことを彼氏だとバラしたもんだから、店員さんがさらに調子づいてしまう。開店直後の暇な時間だったことも重なって、数人の店員さんたちに囲まれた俺は逃げ場を失ってしまったというわけだ。二メートルを超える巨躯(きょく)の俺が真っ赤になって右往左往する様はかなり滑稽(こっけい)だったと思う。


 結局それから二時間ほどリスリザの店内で梨依里と店員さんたちに連れ回され、手提(てさ)げ袋二つ分ほどの買い物を済ませて店を出た頃には、すでに俺のライフは尽きていた。その時になって俺はようやく覚った。今度からあの店の品物は通販で買うことにしようと。




 リスリザ店内ではしゃいだ梨依里と、それに付き合わされてえらい目に遭った俺は、ライフ補給のためいったん軽く昼食を摂ることにした。


 朝がバクドナルドだったので、昼はファミレスみたいなところに入った。ここなら軽くでも重くでも好きな物を食える。


「こんなにいっぱい買ってもらえるなんて思ってませんでした。かまくん、ありがとうございます!」


 ウエイトレスさんに案内されたテーブルで向かい合わせに座り、横に積み上げた紙袋の山を撫でながら梨依里がぺこんと頭を下げた。


「帰ったらまた着て見せてくれよな」

「はい!」


 主にチェック柄のミニスカートやミニワンピなど、リスリザブランドの衣装はどれも可愛い。だが、それ以上に男の俺にはエロさも感じられたのだ。ミニスカの丈はパンツが見えるか見えないかのギリギリの長さだし、わずかにのぞく程度のフリルも絶妙だ。


 結構な品数を買ったので、これで当分は梨依里のファッションショーを楽しめるだろう。それくらいの楽しみがないと、あの戦場を戦い抜いた俺が浮かばれない。


「食ったらお前の普段着も買いに行くぞ」

「ええ? まだ買ってくれるんですか?」


 二人ともパスタを注文し、俺がこの後の予定を告げる。


「下着とか部屋着とかな。言っておくが下着売り場にだけは引っ張り込むなよ。さすがに洒落(しゃれ)にならんからな」

「えへ! 分かりました!」


 コイツ本当に分かってるんだろうな。お笑い芸人の押すなは押せ、というのとは違うんだぞ。


「でもかまくん、どうして今日はこんなに買ってくれるんですか?」

「ん? 何かお前の着る物が少ないような気がしたんだよ」

「そんなことないですよ。可愛い服は嬉しいですけど、今までだって不満に思ったことはありませんし」

「ま、俺が色んなお前を見たいってのもあるからな。あんまり気にするな」


 何もしなくても梨依里は可愛いが、それならなおさら色んな衣装を着せてみたくなるというものだ。それに時々やってくれる梨依里ちゃんファッションショーなるものに、新たなレパートリーを加えてやりたいと思ったのもあった。


「それじゃ下着もたくさん買って、下着ファッションショー……」

「それはやらんでいい」

「もう! 何でですか!」

「お前なあ、目の前で下着でうろうろされて襲えない俺の身にもなれよ」

「襲えばいいじゃないですか。私は嫌だなんて一言も言ってませんよ」

「いいか梨依里よく聞けよ。俺が軽々しくお前を襲わないのは、真剣にお前のことを考えているからなんだぞ。多分俺はこの先お前とずっと一緒に暮らしていくんだと思う」

「かまくん……」

「でもな、だからこそお前の言う通り愛ってのが何なのかをちゃんと知った上で、お前とそういうことになりたいんだよ。だからその決意が揺らぐような誘惑はしないでくれ」


 ただでさえ可愛い顔でエロい姿見せられてるんだから、軽く小指で突いただけでグラグラ揺らぐ決意なんだぞ。


「かまくん……やっぱり今日のかまくん優しいです。私泣きそうです」


 こらこら、昼時で人も多いんだからこんな場所で泣かないでくれ。俺は梨依里の横から紙袋をこちら側に持ってきて隣に席を移した。肩を抱いてやると、甘い香りと柔らかな感触が伝わってきて心地いい。


「まあそういうわけだ。食ったら買い物の続き行くぞ」

「はい!」


 それから俺たちは梨依里の普段着に下着、親父への土産にちょっと高そうな酒を買って、ショッピングモールを後にした。

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