ヘイト管理とストレス展開について
小説にも色々ジャンルはあるんですが、主にシリアスなお話で引っかかるのがヘイト管理とストレス管理かなって思います。
ヘイトはキャラクターにかかるヘイト(嫌悪感とかそういう負の感情ですねきっと)の調整ですね。
ストレスはストーリーの進行上で読者に与えるストレスの調整です。きっと、多分。
はっきり言ってわたしはこのふたつが凄く苦手です。
過去作から今連載中の作品まで何度か読者さんや作者さんに指摘されています。
これらの調整が下手だと読み手にかかるストレスが半端じゃないし、物語に登場するキャラクターにも共感できないしで、先を読むのが辛くなるようです。わかります。
上手な作者さんだと、ストレス展開は連続更新して短期間で一気に終わらせて読者さんにストレスを与える期間を最小限にとどめたりとか、ヘイトを集めるキャラクターを調整して主人公や主要人物に極力悪印象を与えないようにしてるように思えます。
ストレス展開の後に今まで蓄積されたストレスを存分に解消出来る展開を用意してあれば読者さんはスッキリして満足できるのだと思います。
これらが上手く出来ている作品は読む側がストレスフリーで物語を楽しむことができますし、当然たくさんの人に楽しんで貰えるのだと思います。
一方で、わたしは一読み手としてはストレスフルな物語を好む傾向があります。
ですが、多くの読者さんと同じように、長いストレス展開や先の見えない鬱展開を大変嫌います。
これ、矛盾しているように見えますが共存する心理なんです。
当然、知らない作者さんが自分のペースで書いているストレスフル作品なんてイライラしちゃって読めません。
では、どうしているか。
書き手の皆さんならおわかりだと思います。
そうです。自分で書くんです。
どんなストレス展開も自分で書くならその先の展開がわかっているし自分の望む展開で書くことができて、結果としてとてもストレスフリーにストレスフルな話を読むことができるのです。
これはヘイト管理でも同様なことが言えます。
自分の納得できる理由付けでヘイト行動を取らせることができるので、少なくとも作者だけは作中の登場人物の行動に共感できちゃうわけです。
私は書きたいものを書きたいときに書きたいぶんだけ書くことにしています。
このときの書きたいものとは、同時に読みたいものでもあります。
他人が書いても面白くない、自分が書くからこそ面白い作品です。
自分向けに書いているので、当然批判的な感想も頂きます。
豆腐メンタルのくせにドMなので、多少凹みはしますが批判も罵倒も大変美味しいです。ありがとうございます。
自分ではわからない、読み手にストレスを与える展開やヘイト管理の不味さとか、頂いた感想ではじめてわかることも多いので、本当に有難いし勉強になるのです。
感想はありがたいです。執筆のエネルギーになります。
作者の投稿作品を読了の際には是非感想をお寄せくださいお願いします。
まあ、感想乞食はこのくらいにして。
実際に頂いた指摘を、以下に少し紹介しようと思います。
※ヘイト管理の実例
拙作「花嫁は叶わぬ恋をする」(以下、「花恋」)のほうでご指摘をいただいた実例になります。
この作品は、主人公のマナが婚約者であるセイラムの弟、セイジに恋をしてしまうという悲恋のお話です。
はい、ここでまず注目→→→『悲恋』
これ受けないポイントだそうです。
絶対的にハッピーエンドのほうが人気が出るそうです。知らんがな。
でも悲恋が好きで読みたい人も一定数は存在するので、これは言うほど足枷にはならないと思ってます。
実際に悲恋でも人気がある作品もたくさん存在しますよね。
で、「花恋」で作者が拘っているポイントは、誰も悪くないのに上手くいかない、強いて言うなら運が悪い、です。
マナの婚約者のセイラムは病弱ではありますが優しい良い人です。けれども、マナはセイラムの弟のセイジに恋をしてしまいます。
はい、ここです。ダメポイント→→→『婚約者に非がない』
これやってしまうとヒロインが洩れなくビッチ認定されてしまうそうです。
やるなら婚約者の性格が悪いとかヒロインの扱いが酷いとか、若しくは弟がグイグイ迫ってきて困っちゃう!みたいにしないといけないそうです。
そんな展開じゃ切なさのカケラもない気がするのは気のせいなのか作者のエゴなのか、未だ不明です。
「花恋」のラストは、マナがセイラムと結婚することで幕を下ろします。
タイトルのとおり、花嫁が叶わない恋をしたお話なので。
ですが、あとがきでは最終的にマナはセイジと結ばれたことを仄めかすような書き方をしておきました。
本編に書く必要性は覚えなかったものの、いずれ機会があれば書いてみたい続きのお話があったのです。
戦争やら何やらで色々と状況が変わったのち、マナはセイジと結ばれることになる。
これでセイジも報われるねやったー!でも本編は悲恋を謳っているわけですので、そんな後日談は必要ないよねと思ったわけです。
これ、ダメポイントです。→→→『最後まで書かない』
作者的には最後まで書ききったつもりなのですが、読者さん的にはそうじゃないみたいです。
曖昧な終わらせ方ではなく、セイジと結ばれるところまで書いてないと中途半端すぎると言われてしまいました。
セイラムの子を産んだかもしれないし、そうじゃないかもしれない、じゃダメなの?(´・ω・`)
勿論、全てを受け入れて楽しんでくれた読者さんもいました。
とても有難いし嬉しいし感想いただけて感動で泣き出す始末でした。
その節は本当にありがとうございました。
受けない覚悟で書くぶんには何をどんな展開で書いてどう締めようと自由です。
ですが、受けようと思うと途端に選べる選択肢が極端に狭まってしまう。
小説を書くのは本当に難しいなぁと思いました。
※ストレス展開の実例
これ、拙作の「滅びゆく竜の物語」で凄まじくやらかしたんですが、不思議と一切不満を言われるわけでもなくて、凄く読者さんに恵まれていると言うか、不思議でした。
やらかし内容としては、ヒロイン貞操(と命)の危機!って場面で突然の長期間連載休止が入ってしまったわけなんですが、これ凄く嫌がられそうなのに、連載再開時もブクマ一切減らなかったしPV見る限りは普通に続き読んでもらえたんですよね。
すごくふしぎ。
なので上記は例になりません。
今お月様で連載中の通称「狼嫁」を例にします。
「狼嫁」はヒロインのミュゼールがヒーローのアリュセーヌと愛のない結婚をするという場面からはじまります。
ヒロイン視点の第一章では七万字経過するまでミュゼールが理不尽な扱いを受け続けます。
書いてるほうは気付かなかったんですが七万字って相当長かったようで、読者さんから「ヒロインをいじめすぎ」「理不尽な展開が長すぎて読んでいて辛くなる」などなどお言葉をいただきました。
実際に自分で読んでみたら「なるほど、酷い」って感じでした。
本当に申し訳ない。
それに比例するように登場人物へのヘイトも溜まりました。
ヒーローに対する批判感想は前例を見ないほどでした。
(元が底辺だから感想ほとんど貰ってないだけという事実には触れてはいけない)
それどころかサブキャラにまでヘイトが及びました。
ヒロインは単純なので、ヒーローが素に戻ったら簡単に絆されてうきうき幸せになっちゃうわけですが、読者さんの方は結構な期間ヒーローに不信感を抱き続けていたようです。
まだ完結していない作品なので、ヒーローの評価がこれからどう変わるか、不安ながらに連載開始を控えているところだったりします。
ヒーローとヒロインの関係が好転してから、以前に批判感想をくれた方の反応がないので凄く気になってます。
もう読んでないのでしょうか。読んでるならヒーローの印象は変わりましたでしょうか。そこらへんすごく気になってます_(:3」∠)_
他人の作品では我慢できないけどこんな話が読みたい!が原動力で書いているので、作品のダメなところが浮き彫りになっているなぁと、我ながら感じずにはいられない作者なのでした。
因みに「狼嫁」でもヒロイン貞操の危機!展開やったんですが、その日のうちにヒーローに救出させたのにめっちゃ反応悪くて「おうふっ」てなりました。
ヒーロー以外との濡れ場は要らんとのことでした。すみませんでした。
なんだかしくじり先生みたいになりましたが、今回はここまで。