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第五話 魔弾

 やー、苦労して集めた甲斐があったね、石。

 あんなでかいものまで入るなんてアイテムボックスはすごいね。


 というか、最後のあれは石じゃなくて岩と呼んだ方がいいんじゃないだろうか?

 まあ、石と岩の定義とか知らないし、鑑定結果も石だったからきっとそうなんだろう。


 おっと、まだラッシュスライムが残ってるんだった。

 地面には石の雨から生き残ったラッシュスライムがまだ五匹残っている。

 そして、木を溶かしながら近づいてくるラッシュスライム達も五匹だ。

 後十匹か。

 意外と残っちゃったな。

 どうしようか。 


 そのときだった。


――ギフトのレベルが上がりました――

――スキル【鑑定眼Ⅰ】が【鑑定眼Ⅱ】に成長しました――

――ギフトのレベルが上がりました――

――ギフトのレベルが上がりました――

――スキル【魔弾】を習得しました――


 連続でシステムメッセージが聞こえてくる。

 約二十匹のラッシュスライムを倒したことでレベルが一気に三つも上がった。 

 【鑑定眼Ⅱ】も気になるが、今重要なのは【魔弾】だ。


 これ、明らかに攻撃系のスキルじゃないか。


「ぴぎぃ!」


 そのとき、ラッシュスライム達が僕が座る枝に到着した。

 だが、それ以上近づこうとはせず、枝の付け根あたりにとどまっている。

 どうやら、枝を溶かして僕を落とすつもりのようだ。


 枝から飛び降り、岩……じゃなかった石の上に着地する。

 そして、木に残るラッシュスライムの内の一匹に視線を定めた。


――【魔弾】――


 次の瞬間ラッシュスライムの体に穴が開いた。

 ラッシュスライムが灰色の靄となって消えていく。


「ぴぎ!?」


 それを見た他のラッシュスライム達が逃げようとする。


――【魔弾】――


 注意していたおかげで今度はしっかりと見えた。

 スキルを使用した瞬間、僕の魔力が灰色の球体になって木を降りようとするラッシュスライムを撃ち抜く。


――【魔弾】――

――【魔弾】――

――【魔弾】――


 さらに三回、ラッシュスライム達に【魔弾】を発動する。

 これで木に登っていた方のラッシュスライムは全て倒した。

 今のところ命中率百パーセント、【魔弾】の名前に相応しい命中率だ。


 あとは地面にいたやつらだ。

 五匹のラッシュスライム達は来た道を引き返そうとしている。


 ふふふー、逃がさないよー。


 そいつらに向かって【魔弾】を使おうとする。

 だが、ふと思い直してステータスを確認した。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

名前:ナルミ・ユウ

種族:人間

状態:正常

ギフト:【魔眼】

ランク:S

レベル:5

HP:10/15

MP:6/20

スキル:【魔力操作Ⅲ】【魔力付与】【鑑定眼Ⅱ】【魔弾】

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


 やっぱりだ。

 いつの間にかMPが残り6になってる。

 たぶん、【魔弾】を使いまくったせいだ 


 0になったときにどうなるは不明だが、わざわざ試すつもりはない。

 まだ使えるとは思うが、残りは五匹で逃走中だ

 【魔弾】なしでも問題ない。


 乗っていた石をアイテムボックスに収納する。

 足場が消え、石だらけの地面へと着地する。


 ……運よく怪我しなかったけど、石のないとこにジャンプしてから回収するべきだった。

 反省しながら逃げるスライムを追いかける。

 もともとスピードは僕の方が早い。


 あっという間に追いついた。


「ぴ――――――」


 追いつかれたことに気付いたラッシュスライムが声をあげようとするが、それを無視して石を取り出した。


 ズシン!


 再び現れた二メートル大の石がラッシュスライム達を押しつぶす。


――ギフトのレベルが上がりました――


 完全勝利だぜ、いえい。






 翌日、明るくなった森で目を覚ました。

 結局、洞穴に戻るのは諦めてその辺で寝ることになった。


 おかげで身体中が痛い。

 もぞもぞと寝袋から出て背伸びをする。

 うあ、背骨からばきばき音がしてるし。


 アイテムボックスからパン、干し肉、水を取り出して朝食をとる。

 昨夜食べた時も思ったけど、普通だ。


 パンは給食で出たようなコッペパンだし、干し肉はスーパーで売ってるおつまみのジャーキーと全く同じだ。

 ちなみに水は五百ミリのペットボトルに入っている。

 ……ペットボトルって異世界にあってもいいものなんだろうか?

 一応、空のペットボトルはアイテムボックスに回収している。


 ふう、ごちそうさまでした。

 食事がすんだから早速行動を開始しよう。


 昨夜はラッシュスライムを倒した後は御飯だけ食べて寝たから、色々とやることがある。

 まずはステータスの確認だ。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

名前:ナルミ・ユウ   

種族:人間

状態:正常

ギフト:【魔眼】

ランク:S

レベル:6

HP:17/17

MP:22/22

スキル:【魔力操作Ⅲ】【魔力付与】【鑑定眼Ⅱ】【魔弾】

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


 よし、ちゃんと回復してる。


 MPの値を確認し、昨日登った木を見ながらスキルを使用する。


――【魔弾】――


 灰色の弾が木に向かって飛んでいき、木の表面を僅かにえぐった。

 速度はかなり早い。

 たぶん、エアガンとかと同じくらいじゃないだろうか?

 大きさはゴルフボールくらいだ。

 MPを確認すると21と表示されている。


 威力はそこまでじゃないのかな?

 その代わり、かなりの低燃費だ。

 ラッシュスライムが紙防御でよかった。


 さて、次は【鑑定眼Ⅱ】だ。

 最初はラッシュスライムの魔石を見てみることにする。


――【鑑定眼Ⅱ】――


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

名称:ラッシュスライムの魔石   

状態:停止

ランク:F

詳細:ラッシュスライムの魔力が宿った石。通常ドロップ。

原産地:ラッシュスライム

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


 おお、一気に情報が増えた。

 ただ、知識不足のせいで意味がわからない部分もある。

 状態が停止ってどういうことだろう?

 ……まさかこの状態からラッシュスライムに戻るとかじゃないよね?


 魔力が宿ってるとか書いてるけど靄は見えないし。

 ああ、でもランクFってのが低いということはわかるよ。


 原産地には触れない。

 絶対に。


 それより、もっと鑑定してみようっと。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

名称:アイテムボックス

状態:正常

ランク:A

詳細:腕輪型のアイテムボックス。内部の時間は経過しないという特性を持つ。全属性耐性。物理攻撃耐性。状態異常耐性。ムレ防止。極めて高品質。

原産地:クロスナ

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


 おお、イルミナが言ってた通りだ。

 かなりいいモノっぽい。

 時間が経過しないとかすごすぎる。

 これなら突然アイテムボックスからラッシュスライムが飛び出してくる心配もないね!


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

名称:毒消しキノコ

状態:正常

ランク:F

詳細:摂取することで状態異常・毒を回復することができる。

原産地:ルカリコの森

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

名称:回復キノコ

状態:正常

ランク:F

詳細:摂取することでHPを5回復することができる。

原産地:ルカリコの森

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

名称:猛毒キノコ

状態:正常

ランク:D

詳細:食べたら死ぬ。味は美味しい。

原産地:ルカリコの森

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


 毒消しキノコと回復キノコは大体想像通りだ。

 猛毒キノコは……これ絶対毒消しキノコ効かないな。

 はっきりと死ぬって書いてあるもの。

 あと、ここはルカリコの森みたいだね。

 味の情報はいらない。


 ちょっと楽しくなってきたぞ。

 お次はある意味一番詳細が知りたい【天啓】のスキルオ―ブだ。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

名称:【天啓】のスキルオーブ

状態:修復中

ランク:S

詳細:イチゴ味。イルミナちゃんと連絡できるスキルがゲットできるんだって。壊れても治るらしいよ。すごいねー。

原産地:イルミナちゃん

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


 ナニコレ。

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