別れ。
超短編です。
過度な期待はしないでください。
もう店じまいか…。
妻と出会って、子供が生まれて、何十年もの月日を共にしてきたこの店も、とうとう看板をおろすときを迎えた。
こんなに長く続けられたことが、奇跡そのものなのだが、それに感謝はしても、なくなることを受け入れることは到底できそうにない。
もう店を続けられる体でないことや、昔に比べ客足がおとろえてきたのは、事実だ。
現に、親類からは金の無駄だと何度も言われている。
だが、それでもこの店との別れはそう簡単に受け入れられることではなかったのだ。
生きがいだったこの店を手放して、今の私の手の中に残っているものは、もう何もない。
読んでくださって、ありがとうございました。
感想などいただければ幸いです。