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床争奪戦

 やっと有須が家に帰ってきて僕も我を忘れて有須の部屋に忍び込んでしまうような、奇行を起こすような心境から開放された。

 ただ変わりの束縛として、藻夏さんの手中に忌まわしき記憶を封じ込められしハンディカメラが僕の日常生活に引っかかるようになってしまった。

「ま、瑣末なことだ。いつか奪い取ればそれも開放される。それまでの辛抱か」

 僕はそう呟きながら、また今日も洗濯モノをせっせと回収して折りたたむ作業に移ろうとしていた。

「うぇっへっへー!またママの勝ちー!これで3連勝。ママが選択権を獲得しましたぁ!」

 ベランダからリビングへと移動して折りたたむ作業を何処でやろうかと視野を広げた先にはトランプが散らかっていてリビングでの作業は無理そうだった。

 しかも、何やら藻夏さんがトランプを握り締めながら奇声ともつかぬ笑い声で勝ち誇っていた。対面には片膝をついて拳をカーペットに突き立てて敗者のポーズをする有須。

 藻夏さんは黒のワンポイントアクセントのついたタンクトップに短パンでラフな格好に対して、有須は袴を着用。ラフな格好に対して正装の相対する格好の二人。

 袴の視覚作用でか敗者のポーズがまた様になっている。

「地の利はママ様に授けよう」

 元来無気力な声なおかげでその格好からのその言葉が現在のシチュエーションにしっくり来ている。ママ様とはなんだろうか。

 洗濯モノを回収する作業の間にどうやってここまで事が進められるのか不思議でならない。二人のやり取りから僕は何も察することができずに視線をまた巡らせて洗濯モノをたたむ場所を探すことにした。

 ………?

 一瞬藻夏さんの視線が意味ありげに僕を一瞥した気がする。

「……!!」

 瞬間、このシチューションが、前にもあったことを僕の頭に過ぎった。

 前回は確かこの後に藻夏さんが

「右足白タイル!」

 こう叫ぶ。そして今回も同様その声が響いた。

 そう、前回もこの三つ巴の戦いが始まったのは僕が洗濯物の折りたたみをはじめようとした時だった。

「ふふ、そういうことか…させるかよ」

 心の中で奮い立つ戦慄を闘士に変えて僕は藻夏さんに向けてほくそ笑んだ。

 説明すると、まずうちの床は木目が薄茶色とこげ茶色の二色がアトランダムに並んでいる。基本的には焦げちゃが多めで薄茶色は点々としてある。そして、広いリビングはダイニングテーブルとカーペットで殆どが邪魔をされてリビングの一角にしかフローリングが顔を出していない状態だ。つまりここが戦場だ。

 戦場は人間が三人寝転がれるスペースはあり、戦の成り行きでは邪魔されずに作業が出来る場所があるかもしれない、と言った具合だ。

「ふふふ、フローリングツイスター…開戦ね!一手目はここ、でいいかな」

 すでに、心の準備が出来ていた有須はやる気満々に一手目を打った。

 そう、これは我が家ならではの遊び。

『フローリングツイスター』

 その名の通り、家のフローリングの木目を使って色と体の一部を指定してそこに体をつかせる競技だ。白タイルとは薄茶色のタイルを指す。

 禁止ルールとしてカーペットの上は指定禁止なのだ。

「へへ、知ってるぜ、カーペットの上は禁止…なんだろ?」

 前回気づかずにカーペットの上で洗濯物をやることをしなかった事を瞬時に理解して僕は勝ち誇った顔でカーペットへと足を運んだ。

 ザクっ。

「!?!?!」

「へあぁぁーっはっはっはっは!すまぬすまぬ、さっきビスケットを食べてたらカーペットだけなぜか汚くなってしまったんだわ」

 靴下を見るとそこにはビスケットがくっついていて、もしここに洗濯物を置いて作業でもしたら畳んだ洗濯物を綺麗に折りたたまれたまま、洗濯機にまたフォールインすることになる。

「くそおおぉぉぉー!これではフローリングでしか作業が出来ないじゃないか!なんでこんなにフローリングだけ綺麗なんだよ、くそ!!」

 カーペットは全域ビスケットが散らかっているのに、フローリングだけ整地したかのように綺麗だ。

「兄貴…絶対に邪魔しないように進めるから私を信じて自分が信じる場所で作業をして大丈夫よ」

 そう、この三つ巴は僕は洗濯物をするために、藻夏さんは僕の邪魔を、有須は藻夏さんの邪魔を妨害するといった、複雑な戦い。

 有須の一手は、ダイニングテーブルに一番近い白タイルから始まった。

「私が子供二人に負けるとでも思っているの?ふぁぁぁはははっはー!ありえぬ!ありえぬわ!」

 地獄が始まる。

ねなきゃ…でも、眠れない…

そんなこんなで、書いたのがこれ

けど、やっぱすぐ寝なきゃって感じで続きをまた今度にします

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