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ヴァイオレンスシスター

 妹成分が枯渇して僕は学校の授業も学友たちの言葉も全て右から左へと華麗にいなす日々を送っていた。それもこれも、全ては我が妹、有須ありすが修学旅行へと出かけてしまっているからだ。

 そんな淡々とした日々を過ごして僕はまた家に帰る。

「ただい……」

 最後まで声を絞り出す気力すらなく、最後まで言わずに声は消音した。

 のっそのっそと、家の廊下を歩くと

「はっほっほい」

 気力の無い三拍子が突如僕を襲った。

 一発目は鳩尾を的確に打ち、二拍子目で僕の背後に回り、三拍子目で僕の背中を飛び台の代わりにしてバック中をして華麗に着地。

 一発目の鳩尾のせいで対応もできずに僕は抵抗もできずに地に顔を伏していた。

「ぐふっ…だ、だが…このモードに入っているということは…」

 たったの三拍子で戦闘不能状態にされたが、家で僕に暴力行為を行使する人物は一人であって、その最中の格好といえば。

「あ……兄貴いつのまに帰ってきたの?」

 三拍子の気力の無さから引き続き、運動神経のわりに全く覇気を感じられない声で僕を見下して有須は立っていた。

 その姿を見るために僕は激痛が走る腹と背中を我慢してうつ伏せから仰向けに直る。

 浅葱色の髪でいたってノーマルな短髪、常に半目状態で気力が感じられない目、その下にある涙ボクロ。

 有須は秋分の日も過ぎて寒気かんきが迫りつつある時期でも汗が滲んでいる。服は薄いシャツ一枚で汗が滲みボディーラインがくっきりと見え、ノーブラであることも見える。下はホットパンツ一枚で実に動きやすそうだ。いとエロし。

 秋に着る服装ではないことは確かだ。

「有須…お、かえり…」

 鳩尾のダメージで嗚咽感がするがそれを目の前の妹成分で押し戻して言葉を発する。

「何度も言ってるけど、私が運動してるときは家をあまりうろつかない方がいいって…まぁ、今帰ってきたなら…どうでもいいや」

 徐々に僕の事がどうでも良くなっている事が言葉を聞いていると伝わってくる。

「ふふふ、今日と言う日をどれだけ待ちに待ったか…本当に寂し…ッカ!」

 その瞬間僕は地に伏し白目を向いて気を失った。

 その背後には我が母藻夏が一撃を放って静かに立っていた。

 僕の手には、いつでもスイッチ一つで録画できるハンディーカメラが気を失っても握られている。その持ち主藻夏はハンディーカメラを僕の手から引っぺがして

「ったく、証拠物件がいつの間にか消えてると思ったらこんなところに居たか」

「証拠物件?」

 気力は無いが、少し興味がある様子で問いかける有須。

「あぁ、見るか?」

 ガシッ!

 軽く重大な証拠物件を放映しようとするので無意識にでも僕の手は母の足に手が伸びていた。

「チッ、どんだけ見られたくないんだか…」

 どうやら、僕の威厳は一時ではあるが事なきを得たようだった。



有須無き学校での想樹


男子A「おい!目を覚ませ想樹!」

男子B「これはもうダメだ…」

男子C「あぁ、使い物にならんな」

男子A「おい!お前の好きなCカップ以下オンリーのエロ本だ!目を覚ませ!」

想樹「……………有須…」

女子A「想樹君ってCカップ以下が好きなんだ……」

女子B「ロリコンだったのね…」

想樹「……………有須(Bカップが一番だろ)」

男子C「4冊だ!4冊用意した!どうだ!?」

想樹「………………」

男子C「しょがねぇ!5冊だ!」

男子A「やめろ!それ以上は想樹の威厳が!!」



「はっ!僕のハンディーカメラは!?ってあれ!?」

 意識を覚醒させると眼前には様々な物体で多様な色に彩られていた。

「じゃがいも、にんげん、はちみつ、たまねぎ、カレー粉、洗濯籠に干していた洗濯物が無造作に放り込まれている」

 家事の山が出来上がっていた。

 僕の現在地はキッチン。椅子が用意されてそこにどうやらずっと鎮座していたらしい。

「よっろしっく~」

 母の声がリビングの方から聞こえてくる。

 立ち上がってリビングを見るとソファー一つを優雅に使う有須とカーペットに無気力に横たわる母の姿。

「え?僕がやるの?」

「へぇ~、やらないの?」

 声には嫌味が利いていて、何か脅迫をされていることに気が付く。

「ここまで用意しておいてやらないってどんだけ、面倒なんだよ」

 小さく、母には聞こえないように本当に小さく小言を呟く。

「あらぁん?ちょっとお母さん息子の思い出放映会がしたく」

「やりますやりますー!超やらせてもらいますー!はっ!まったく、こんな簡単な調理も出来ないで人に押し付ける人生堕落者はそこで寝てろしー!」

 僕が焦っていると何も知らない有須は理解できない様子で、ソファーから体を少し起こして僕を見て首をかしげていた。

「どうしたの?何かあった?もしかして、兄貴がママのお風呂覗いてカメラに収めてそれを脅したら逆にカメラの中には兄貴のあられもない姿が出てきてそれを放映しようとかで脅されてるとか?」

 いつも気力がなく何を考えているか分からないが、妄想力が豊かであることは伝わった。そして、僕が何かに脅されていることはすでに気づいているらしい。

 だがまだそれが、僕が妹の乙女の部屋を穢したということまでは知らない様子。

 それが知れたら僕は!

「べべべ、別に有須の入浴シーンとか全くこれっぽっちも考えてねぇし。それを録画したいとか思ってないからな。だが、男として僕はただ女性の裸は見たい!」

「有罪。早く夕飯作って。お腹すいた。あ、私辛いの苦手だからあんまり辛くしないようにして作ってね」

 運動神経抜群のくせしてこうも繊細…いつもながら可愛らしい我が妹だ。

「あ、ママも辛いの苦手ー」

 そんなものはカレー粉に言ってくれ。

 …………辛口。

 ………

 買いなおし?

「ちょ、ちょっと、僕足りない食材を探しに出かけるわ…」

 藻夏さんが仕掛けたことであることは目に見えているが、ここはこれ以上抵抗すると自分の立場がどんどん悪化すると考え譲歩することにした。

 てか、これ虐待じゃね?

「「いってらっしゃーい」」

 子供虐待に悦を覚える声と、無気力な声の二つが僕を送迎して僕は買い物に出かけるのであった。

「ていうか、有須おかえり!ちょっと、見ないうちにまた可愛くなった?ふへへ、有須専用カメラに今日の有須の姿を…」

 と、今更感があるがカメラを取り出して、今度はシャッターを下ろそうとしたが

「お腹すいた」

「いってきます!」

 コンマ1秒ほどで返事をして僕は玄関へと向かうのであった



気絶中の想樹

有須「ママの命令は絶対なの」

想樹「ん…んぅ…」

有須「まだだめ!意識を取り戻しちゃ!」

 気が付くと僕は、下着一枚になった有須の生膝枕で眠っていた。が

想樹「グハッ!」

有須「これで10回目…ママまだかなぁ」


ちょっと、妹成分枯渇があまり出てない……

もうちょっと、べったりな兄を書きたかった!

いや、これからでも遅くないか

まぁ生き抜きだしそんなに気張っても(ry

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