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魔眼の使徒  作者: vata
第二章 暗き森の魔女

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女の戦い

 内容がアレなんですが……セーフですか?セーフですよね?

誰かセーフと言ってください。



「ここは年長者である私が最初に『手当て』を行うべきだと思うのだが?」


 そう言ったのはルミナス。


「私あなたと同い年なんだけど……それよりも担任である私こそ適任だと思うが?」


 そう言ったのはイングリッド。


「治療という意味では医療経験があり保健医でもある私の出番でしょう?」


 そう言ったのはアネモネ。


「カイルの事は私に任せておけばいいのだ!」


 そう言ったのはイリューシャ。

此処は校舎内のアネモネの勤務する保健室である…その中ではルミナスとイングリッドそしてアネモネとイリューシャの4人がカイルに『手当て』をする順番について揉めていた。

カイルは既にベッドに運び込まれ律子とネルが事の成り行きを見守っていた……


「……三人は昔から仲がよくいつも一緒に過ごされていました……よくアイリス様のお世話を巡ってこの様によく口論なされていました……お懐かしゅうございます……」


 そんな微笑ましい状況を楽しむネル……


『…まだなのか?…これ以上はカイルが…』

「……それよりも…カイルが……」


 ベッドで苦しげにうなされるカイルの肩のアーガイルが律子に語りかける…それを心配げにおろおろとするしかない律子が4人とネルとカイルを交互に見やる……

律子自身『手当て』が何なのかうっすら気付いてはいたもののこのまるで大奥の様な争いの中に身を投じる程の度胸は持ち合わせては居なかった。




「…だいたいイリュはいつも『手当て』してるのだからここは自重すべきだろう?」

「私は『手当て』しているのではなくしてもらっているの!それに手馴れているのだから私に任せて………」

「それなら私だって慣れて……」

「?!…イリット……あなた……まさか…!?」

「!?やっぱり…先生とカイルは怪しいと思っていたんだ!?……まさか先週マスターがお泊りしたのも先生が!!」

「…先週?……イリット!?貴女私にHRを代われって言ったのもしかして!?」

「え…あ…あれは……そ、そうだが!私と一緒だったさ!お泊りしたぞ!朝までいっぱい可愛がって貰ったが何が悪い!」

「「………先を……越された………」」


 イングリドの開き直りともとれる態度に何故かギゼルヴァルト姉妹が同時にうなだれた……


「……埒があかんな……こうしよう…古来より魔界には勝負時には己の全てを賭して行う『邪暗拳』というものがあるのだ……3つの魔法技を繰り出しその結果で勝敗を決めるというものだ……恐ろしいことにこれは能力差など存在せずに知力と運が大きく勝敗を決めるのだ……」

「「「……………」」」


 ルミナスの提案に一同は沈黙した


「……邪暗拳か……いいだろう……まさかこの場でこの様な恐ろしい戦いになるとは思いもしなかったが……」

「…姉様…本気なのですね……良いでしょう…その勝負受けてたちます!」

「……なんだジャンケンか…いいよ」

「…え?…じゃんけんなの?」


 シリアスな展開に息を呑んで見守っていた律子はイリュの一言であっけに取られた……少し魔界を身近に感じた。


『…お前達…早くしないとカイルが…』

「「「「うるさい!今はそれどころではない!!」」」」


 アーガイルの声は既に彼女達には届いて居ない様だ……


「しかしこれは非常に重大な要件であるから…通常の『邪暗拳』で一発勝負で決めて良い様な軽い物では無いと思うのですが…」


 アネモネの言葉に全員が「確かに…」と納得する……


「…そこで独自に『手当て』を行ううえで非常に効率の良い勝負方法を取り入れました……これは『邪暗拳』により勝った者が1回につき1枚、身に着けているものを1枚脱ぎ去るというもので……お解かりですね?全ての衣服を脱ぎ去った者だけがカイルの『手当て』…いや御寵愛を頂けるのです!」


 アネモネ以外から「おぉ~!」と歓声があがる……隣のネルさんも口に手を当てて『まさかそんな勝負方法が!?』みたいな顔をしてますが……

野球拳だよね?これ間違いなく野球拳だよね?


「皆知っているとは思うが今一度説明しておこう最初の掛け声は『バトル・ザ・マジック』続いて対決の意思表示の『邪暗拳』最後に自分の思う3つの魔法技を発動させるのだ……最初は『ウインド(パー)』そして『ストーン(グー)』最後に『サンダー(チョキ)』それぞれの効果についてはいまさら説明する必要もあるまい……ネル…ジャッジを頼む……お前は母の侍女ではあるが…この戦いでは全て公平に頼む……この者達はそれだけの存在であるからな!」

「…ルミナス様…お任せください!この場はこの私ネルフェリアス・コーネリールが公平なジャッジを行って見せます!!」


 エプロンを投げ出し4人の前に椅子を置くとその上に上がりバトルフィールドを展開させた……

4人を囲むように円形の魔方陣が淡く光を放つ……

魔界式決闘魔方陣『邪暗拳』の完成である……


「それではぁー!皆さん準備はいいかぁー!!」

「「「「イエー!」」」」

「最後に笑うのは一人だけ!自らの力をここに示せー!!」

「「「「イエー!!」」」」

「それでは…『バトル・ザ・マジック!邪暗拳…』…」

「サンダー」

「ストーン」

「ウィンド」

「サンダー」

 

 開始の合図と共に4人の身体からそれぞれの魔法技が発動した……ルミナスとイリュからは雷撃が…アネモネからは石壁が…イングリッドは風であった…

それぞれの効果が相打ちとなり霧散する……これはあくまで決闘魔方陣の効果であり、実際に魔法を使用している訳ではない……


「あぁーっと!!ドローだぁー!」


 実況(?)のネルの声にも力が入る………

なんか…楽しそうだな……完全においてけぼりのカイルと律子であった。

そんな律子の腕を掴む者が居た……カイルである。


「…カイル…」

「……駄目だ…あいつら……律子…すまん…もう頼めるのはお前しか……」

「え…え?……ボ…ボク!?」


 突然の申し出に律子は困惑する……頼むって……ボクが『手当て』を?


(何?この棚から牡丹餅みたいな展開……これって僕得!?)


「……無理な事を…言っているのは…十分承知して……」

「カイル……」


 彼のその手を握り返しベッドの周りのカーテンを閉めてゆく………


「…こんな僕でも…貴方のお役に立てるなら………」



 
















「……邪暗拳……サンダー!」

「ウィンド……くっ!!」


 ルミナスの雷撃がアネモネの風を切り裂いた……


「決まったー!ルミナス選手のサンダーがこの勝負を制したー!」


 ネルの実況もかなり熱が入ってきた様だ。


「……悪いわねアネモネ…姉妹と言えどこれだけは譲れないわ……」


 そう言い放ち下着を毟り取る……イリュやイングリッドに負けず劣らない形の良い乳房を惜しげもなく晒した……これで彼女は後一枚だ。

戦いは熾烈な混戦を極めた……序盤ではイリュが独走かと思えるほどの勝ちを連発したが癖を見抜かれ逆転を許してしまった……彼女は後二枚だった。

イングリッドは持ち前の知略によりアネモネ、ルミナスを牽制しつつイリュを逆転したが姉妹のコンビネーションに苦しめられなかなか勝ちが続かないで居た……彼女もあと二枚。

一番苦戦していたのはアネモネだったが攻撃に転じたルミナスの追従し持ち前のコンビネーションでルミナス共々順調に勝ちを進め、今しがたの戦いで姉に惜しくも敗れ去った……彼女も後二枚。

執念とも呼べる意気込みでこの戦いに挑んだルミナスはこの激戦の中を後一枚まで漕ぎ着けた…

…後一勝……そうすれば彼女の長年の夢が叶うのだ……

『手当て』の内容を聞いたときには絶句したが、よく考えれば合法的に彼と『合体』出来るのだ。

そうすれば今後も彼との繋がりは維持できるし……彼の本命になる事も十分可能であろう……そうすればあんな事もこんな事も出来たらいいな

あんな夢こんな夢いっぱいあるけど………ルミナスの脳内では夢が広がりんぐであった。




「いくぞ!これで決着だ!『バトル・ザ・マジック!邪暗拳…』…」

「ストーン!!」

「「「ウィンド!」」」

「あぁっと!ルミナス力みすぎを読まれたー!!これで勝負はわからなくなったぞー!!」


 ……最早呼び捨てである……それほどまでに白熱した女としての意地とプライドの戦いであった。

イリュ、アネモネ、イングリッド……三人がブラを外し全員が後一枚となった……


「……これで振出ね……次が最後よ…」

「姉様…恨みっこなしですよ?」

「…お前達いい加減にしろ…カイルに相応しいのはこの私だと思い知るがいい!」

「……くっ!力が入りすぎたか……ええい!次こそ勝利を掴みカイル様とめくるめく世界に!!!」


 四人が構え最後の戦いに備えそれぞれの技を決める……


「本当に最後の戦いだ!『バトル・ザ・マジック!邪暗拳…【あああああああああああああああっ!!!!!!】…』………え?」


 その一際大きな絶叫にその場が凍りつく……今の声は誰?どこから聞こえたの?……

全員の首がゆっくりと背後のベッドに向けられる……一際大きな光が輝き無数の魔素が輝き空中に霧散した………


「………」

「………」

「………」

「………」

「……おや?律子様が見当たりませんね?」


 言葉を失う全員の思考を読んだかの様にネルがその事柄を口にした。

やがてカーテンの向こうから上半身裸のカイルがズボンを履きながら姿を現した。


「……一刻も早く後を追いかけ……うわっ!お前らなんて格好してんだよ……」


 そう言いながらポケットから取り出した携帯で何処かに電話をかけ始めた………

ネルを含む五人は恐る恐るベッドの中を覗き込む………

ベッドの上には全身を紅潮させ全身で呼吸を整えている律子がうつ伏せで倒れていた………全裸で………


「……り、律子……あなた…まさか……」


 イリュの問いかけに律子は虚ろな目を開く……そして彼女達の顔を見るとこう告げた。





 「皆様……お先にご馳走様でした」









 一日で書き上げたりして(笑)次回は遅くなります。



ホントにこれセーフですよね?

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