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魔眼の使徒  作者: vata
第二章 暗き森の魔女
81/240

『御伽噺 マトリーシェ』

 まさかの連投です 笑

 12/21 誤字修正

「ねぇ、おばあちゃん……またあのお話を聞かせてよ」


ベッド中から孫のアレクセイがそう言った。


「私も聞きたい聞きたい!」


それに続いて妹のスタニアスも身を乗り出した。

今日はお昼寝をしてしまったのでなかなか眠れないのだろう……


「…やれやれ…仕方ないね」


子供たちは『やった!』と喜び 私は本棚から一冊の本を手に椅子に座った。


「…この前の続きがいいかな………『ええぃ!頭が高い控えおろう!この紋所が』…」

「おばあちゃんそのお話し嫌だよ……」


二人は悲しそうな目でこちらを見つめた。

若い二人にはまだ難しいらしい……


「おばあちゃん、森の魔女のお話がいいよ!」

「仕方ないね……」


二人がベッドに横になり布団から顔を覗かせているのを確認すると本を読み始めた……



  『暗き森のマトリーシェ』



むかしむかし、あるところに大きな森がありました…そこは昼間も薄暗い深い森

村人は『暗き森』と呼んで、誰も近づこうとはしませんでした……その森の奥には魔女が住んでいたからです。


魔女の力は凄く強くその魔法は大地を割り、空を切り裂きました。

魔女の力を恐れた王様は魔女に言いました。


『私に忠誠を誓うなら望む褒美を与えよう』


マトリーシェは言いました。


『私が従うのは空と海と母なる大地、それに私の欲しいものは貴方には出せませんよ』


彼女の魔法も彼女の呼び出す魔物も強力で、みんな恐れて離れていきます …… だから彼女はいつもひとりぼっち……そうです彼女は友達が欲しかったのです。



王様は家来に魔女の弱点を探すように言いました。

しかし誰も怖がって魔女の所に行きません。


そこに一人の若者が名乗りをあげました。

若者は何日も何日も魔女の所に通い、魔女と仲良くなれました。

二人は友達になり

いつしかマトリーシェはこの男の事が好きになっていました。


マトリーシェはある日言いました。


「私は『猫』が苦手です…猫は私の力を打ち消してしまうのです……』


ある日若者はマトリーシェに言いました。


「王様に貴女と結婚するお許しを頂いてきます…3日したら戻って参ります」


マトリーシェは待ちました、彼の帰りを今か今かと待ち続けました。


3日後…やって来たのは猫を連れた兵隊でした……

猫の鳴き声に彼女の魔法は役に立ちません……あっという間に兵隊に殺されてしまいました。

今まで悪い事をしてきた罰が当たったのでした。



おしまい





 孫たちを見やると寝息を立てていた……

そっとドアをを開け抜け出すと静かにドアを閉めた……その長い尻尾で。



ここは魔界の北に位置する竜人族ドラゴニアンの国の外れにある小さな村、バレスティア…… 竜人族の中でも古代竜人族エイシェントドラゴニアンと呼ばれる古い伝統のある一族の住まう場所であった。

彼等は竜と魔族のハイブリッド種で見た目は人間種と変わりは無い……その角と尻尾以外は………

しかしながら自らの意思でその姿を竜化ドラゴンモードすることが出来、その戦闘力は魔界でも最強クラスだ。

その上寿命も長く数千年は当たり前だと言う。

その中でも最古の竜人…ミネルヴァは手にした本をテーブルに投げ出すと溜め息をついた。


「何がおしまい…だよっ……あのマトリーシェはただ…幸せを求めていただけなのにねぇ……」


この物語が『実話』だとするならこの世に出回っているお伽噺は正しくない……しかし今更誰が真実を知りたがると言うのだ……既に数千年も前の出来事を誰が訂正すると言うのだ。


ミネルヴァの知り得る真実はこのまま墓場まで持って行こう……

彼女はずっとそう考えていた……

この10日後… 客人が訪ねるまでは。


その客人の名は


ルミナス・H・ギゼルヴァルド

その人であった。

 

前話に後書いた理由により こちらが先に完成していました。

今まではテンキー入力で楽だったのですが 完全なるスマホになってしまった為 フリック入力には自信がありません……

慣れるまでは 更新遅れます    てへぺろ☆

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