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お待たせしました。 暇潰しに、お茶受けに、トイレの友にご活用ください。
魔物と言ってもその差はピンキリである……
過去に遭遇した魔物もその実力は余りにも差が有りすぎる。
判りやすく説明すると魔物にもランクが存在する……大きく4つの分類に分けられる。
『妖魔』
主に低レベルな魔物を意味する。人間界にも存在する種族と生態は同じだが魔素や光素の影響下で属性変化した物が多い…主に群れでの行動が多い
ワイルドキャット、ヘルハウンド等動物系が多い
『魔獣』
妖魔よりも属性変化がより顕著に現れた個体を示す…一定の属性が無効化されたり身体強化等の特出した特徴がある。
ハンギングベアやシャドウマンティスがこれに属する。
『凶獣』
魔物の上位存在として認定されている…魔界や異世界イ・ヴァリースでもその存在は驚異でその個体種によっては熟練の手練れも死を覚悟しなければならない…… 「怒れる邪竜:ヴァリトール」や「大巨人:ギガンテス」等が有名だ。
『幻獣・神獣』
全ての生物の頂点とも言える存在…その力は未知数で天変地異をも巻き起こす場合もある。「不死鳥:フェニックス」「天空竜:バハムート」など伝説の存在が名を連ねる……
「死神の鎌」
伝承では100年生きたシャドウマンティスが繭を作り6ヶ月経つとデスサイズに進化すると言われている……確認した者は居ないが、今しがた影から増殖した様な個体が成り得る存在ではない事だけは確かだ。
シャドウマンティスの三倍はあるであろう巨体には赤いラインが走っている……魔力の流れが視覚化されている
鎌も6本に増え、主となる2本は更に巨大で「死神の鎌」と呼ばれる所以だ。
その蟷螂特有の目に赤く残忍な光が灯る……
『キシャアアアアアアーッ』
その叫びは歓喜に満ちた産声にも
復讐を誓う咆哮にも聞こえた。
マトリーシェは満足していた……かつての大戦にも数多の魔物を『強制進化』させ前線に送り込んでいた……
しかし今回のデスサイズは彼女の作品の中でも傑作の部類に入る……
(…素晴らしいわね「アイリス(この娘)」の力は……)
今日まで自身の魔力を劣化させる事なく維持してきたこの娘に敬意の念さえ覚える……
さて、いかにカイルと言えどあの娘を庇いながらでは勝負にならないだろう……本気を出さざるを得ない……
(…さぁ…カイル!貴方の全てを私に見せて頂戴!)
マトリーシェの思惑通りに背後から迫る凶獣にカイル達は苦戦していた…
今は「飛行」で建物の隙間を縫う様に飛行するカイルの肩に後ろ向きに担がれる形の伊織が 羽を広げ追ってくるデスサイズに乱射していた……
「…これも駄目だ!右下の鎌が水属性を吸収する!」
「…次はこれを使え…今の右下の鎌を狙え」
カイルは自らの魔力を装填した弾倉を渡す…
伊織は素早く交換すると言われた通りに狙いを定め引き金を引いた……
「!? 」
想像を越えた反動が全身を襲った…が
カイルが背後から抱き抱える形で支えてくれていた。
その一撃はデスサイズの腕の一本を貫通し付け根から爆散させた…その衝撃にその巨体も地面に倒れ込んだ……
「…なっ…なっな何だよこれ?!」
「「超電磁砲」だ…あの腕は水属性だったからな」
「レ…レールガンだと?私のスティンガーを壊す気かっ!」
伊織は銃を抱き込むと泣きそうな表情でカイルを見上げた……
実際のところ、先程使用した時にカイルが非常にこの銃を気に入り、核を少しばかり弄っていた……
小型核を発射することも出来る程なのはこの際内緒にしておく事にした。
「…さて…此処でケリをつけるから…伊織さん何処かに隠れてて…(スティンガー!ちゃんと主を護れよ!)」
「…わかった……武運を祈っておく」
何かを言おうとしたが実力の差をこうも見せつけられては今、一番最善なのは彼の邪魔をしない事だけだった。
スティンガーの銃身にある宝玉も淡い光を放ちその声に応えたかの様だった。
伊織は気付いていないが、既に「衣障壁」を発動している……その気になれば更に強力な結界も発動出来るだろう……
物陰に避難する姿を見届けてから向き直る……
「…全く厄介な進化をしやがって…」
軽く腕を振り回すと起き上がるデスサイズと対峙した。
その目は深紅に染まり、同族の恨みを晴らさんとしているかの様にも思えた。
「悪いがまだ倒される訳にはいかないのでな」
突き出された指先に仄かな灯りが輝く
「影の拘束布!」
周囲の建物の影が生き物の様にデスサイズへと伸びると、その四肢を拘束した……が影はその体に吸い込まれる様に消えて行く……
(シャドウマンティスの特徴は継承しているのか……)
すぐさま次の呪文を発動させる
地面から鎖が飛び出しその巨躯を絡めとる……「大地の鎖」だ。
カイルは直ぐに左手の指を噛み、右肩の魔導魔眼の下に血で赤い線をなぞった。
「呪文を唱える者」
血は蠢きやがて唇となり呪文を紡ぎ出す…
『天と地の盟約によりて……』
「濁流波!」
スペルワーカーと違いカイルは「詠唱破棄」のスキルにより先に魔法を発動させる……四方から突然濁流が現れて渦巻きながらデスサイズを飲み込んだ……次の瞬間、大量の水が消え去った。
「?!」
『…その力を行使せよ!「雷神の撃鎚」!』
スペルワーカーの呪文が完成し天空から巨大な雷の柱がデスサイズに直撃した……
先日、紫音が幻術の中でカイルに対して使用した『ピリカラ紫音スペシャル(仮)』を応用したものだったが……その雷も一瞬で消えた……デスサイズは無傷の様だ……「大地の鎖」も消えている……
「…まさか…「魔力無効」(マジックキャンセラー)?」
カイルに焦りの色が浮かぶ……効果が半減された訳でもなく耐久した訳でもない……魔法の痕跡が無いのだ。
魔法そのものの存在が無かった事にされたのだ。
マトリーシェによりその鎌に与えられた力……「魔法効果消失」はその鎌で切り裂いたものは全ての魔法を消し去る……
その他の腕に地、水、火、風の四属性が付与されていた。
その体には(硬度上昇)(打撃耐性)と最高の力を盛り込まれていた。
事実上、魔法攻撃ではダメージを与えられない……
(…うふふ…さぁカイル…得意の魔法は通じないわよ?どうする?)
数ブロック離れた屋上からこの成り行きを見守るマトリーシェは楽しげに笑う……その表情は新しい玩具を与えられた子供の様に純粋で……そして残忍な笑みだった。
トイレの執筆比率は3割弱です。
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………
すいません、5割強です。




