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魔眼の使徒  作者: vata
第二章 暗き森の魔女
63/241

-10℃

6/30-の長さが気になったので修正(笑)

マードックの指示で一行は動きを止めた……


『獲物がいるぞ』


彼の目がそう告げていた。

何者かが放った魔法により、召喚魔方陣が破壊されていた事は報告が入っていた……

しかし既に数体の魔物が召喚されこのエリアを徘徊しているとの報告も受けていた……

 数か月前に都市内に魔方陣が仕掛けられ、得体の知れない魔物がこの世界に召喚されているとの報告を受けた……

我々は内密にこれらを排除する命令を受けて結成された。

それまではゲートの守衛や警備の仕事が大半を占めていた。それらの 仕事は平和そのもので過去の戦闘経験を持つもの達は不満を募らせていた。


『本日20:00をもって作戦を開始する』


それは魔方陣の探索、及び破壊…更には対象より召喚された魔物の排除……

誰もが待ち望んでいた仕事だった。 

 所詮、日常生活に馴染めない者達なのだから当然である。

中には普通の生活に戻りたいと思う物も居たかも知れないが、私の周囲には該当するものは居なかった。

初日の作戦で出会った魔物は『ハンティングドッグ』と呼ばれる大型の野犬の群れだった。

たかが野犬といっても 今のこの時代には存在しないモノだからそれなりにインパクトはあった………やたらとでかいし……


不思議な事に任務は週末に多かった。勿論平日にもあったが、急に……といったパターンが多かった。


「教習所のキャンセル待ちかよ」


鉄平のそんな呟きがやけにピッタリとして笑ったのを覚えている。

謎の魔方陣なのだから首謀者も目的も謎だ、ましてや週末ばかりに仕掛けて居ることは考えにくい。

マードックもそう考えており、再三に渡り国家市長に毎晩警戒する要求を繰り返したのだが………


『普段は信頼できる協力者が警戒している』


との回答があっただけだった。

つまり、その協力者が警戒できない時に我々が警戒に当たる……つまり代理だ。

当然私は憤慨したが、スティンガーを抜く前にマードックに抑えられた。

勿論マードックも納得した訳ではないがその『協力者』の情報が少なすぎる。

我々は任務の合間に情報収集を行い情報を集めたが決定的な情報は得られないでいた。


『実は学園長が…』『凄腕の傭兵が…』『凄腕の傭兵(美少女)が…』『忍者でござる』………


部隊内では様々な憶測が飛び交った……美少女ってなんだよ……

 更に不思議な事はこの魔方陣に関しては情報が管理徹底されているのか一般人はこの事を全くと言って良いほど知らない。

数ヶ月前から爆発事故や不審火といった類の事件が世間を騒がせていたが、実際はこの魔方陣を処理していたのが事実だった。

それともう一つはこれほど凶悪な魔物の進入を許したにも関わらず、一般人の負傷者及び死者が一切出ていない…

我々の中には負傷したものは居るが。今のところ命を落とした者は居ない。



破壊された工場の壁に沿って目的地に着いた……居た……それは真っ黒な体の巨大なカマキリだった…カマキリだよな?

キースの『解析アナライズ』によると、『シャドウマンティス』と、言う魔物らしい…まんまじゃないかよ……その屈強な体はかなりの攻撃力を有すると予測された……我々の装備する強化樹脂の上半身のプレートメイル(支給品)ではやや心許ないかも知れない……まあ、先に倒しちまえばいいか

マードックの指示に従い散開する……さあ、パーティーの始まりだぜ!


肉体強化ストレンジボディ速度上昇スピーディカル魔法耐性強化ストレンジマジック!」


鉄平の強化系魔法の展開が始まり戦闘開始の合図となる。

まずは私が敵の眼前に対峙する……魔銃による遠距離攻撃……そう、私は『魔銃士マージガンナー』だ。

腰のホルダーから2丁の愛銃『穿つスティンガー』を抜き、その銃口を向ける。


「魔弾装填!『炎の弾丸フレアバレット』!」


私の声に反応し体内の魔力が弾丸として魔銃に装填される……ただの弾丸ではない…魔法の弾丸だ。

狙いをすましトリガーを引く、銃口から赤い光があふれシャドウマンティス目掛け、弾丸が発射された。

着弾と同時に爆発が起こりその巨体が揺らいだ……あんまり効き目があったように見えないな……


「じゃあこいつならどうだ!魔弾装填!『氷の弾丸アイスバレット』!」


次は青い光を纏弾丸が発射された……着弾と同時にその片方の鎌が氷漬けになる……魔物はバランスを崩し前のめりになる

これで私の役目は達成された、この場を離脱しキースに道を譲る。


「うおおおおおお!『重激拳グラビデハンマー!」


キースの拳が黒く染まる…彼の魔力により拳に重力場が発生しているのだ、その威力はコンクリートの壁を粉砕してしまうほどだ。

激しい激突音が聞こえ、シャドウマンティスが凍ったままの鎌でガードする様な格好でその拳を防いだ…キースが唸りそして直ぐに距離をとった。


「レジストしやがった!打撃耐性があるぞ!」


キースは己の体力、腕力、脚力を魔力により強化、戦闘に使用する『魔闘士ウォーリアー』だ、その拳は魔力により強化されるが彼の場合打撃力を重視しているために

属性の付与効果は期待できない。


「任せろ!キース下がれ!」


半壊した建物の二階部分からマードックが自身の魔法剣をかざし飛び降りてきた。

彼は自身の魔力で魔法剣を作り出し戦う『魔剣士マージナイト』だ。

その両手に持つ魔法剣は『断絶するギロチンシュナイダー』透き通るような巨大な両手剣が淡い光の残像を残し、シャドウマンティスを両断した。

その巨体が緑の体液を撒き散らしながら大地に倒れ込む……やがて動かなくなった。


「マードック流石だぜ」


駆け寄ったキースがマードックとハイタッチを交わした。これが我々の最強のコンビプレー…

やはりこの四人にかかれば どんな任務も楽勝だ………そんな慢心が油断を呼んだ。


「お疲れ様です」


駆け寄る鉄平の背後から影から盛り上がるように一体のシャドウマンティスが現れた。


「鉄平ーーー‼」


私の叫びも虚しく、その巨大な鎌は振り落とされるのだった。

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