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魔眼の使徒  作者: vata
第二章 暗き森の魔女
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ユキノシラベ 5

 


 一日が終わり部屋に帰ってきた…… そのままベッドに倒れ込む……

アイリスの学園生活も何事も無く 数日が経過した。

クラスの皆もアイリスの態度には戸惑いながらも、理解を示してくれたみたいで、いつも彼女の周りには人だかりが出来ていた……非常に喜ばしい事だ。

西園寺もあれからイリュの目を気にしてか、余りカイルにちょっかいを出さない様に感じたが、何か企んでいそうで要注意だ。

 そのカイルだが、学園での存在感は皆無に等しい。

たまに、授業に出ていなかったり、途中抜け出したりするのだが、認識している私達以外はまったくと言って良いほど気がつかない。

それよりも……今夜もカイルとイリュ外出する様だ…例の魔方陣を見つけては 破壊する…その行為を繰り返していた。

一体、誰が何の目的で この魔方陣を仕掛けているのか依然として不明のままだった。

同行を申し出ようとしたが、言う前から断られた。


『……よく考えたら謎の爆発騒ぎって、カイル達の事じゃないの?』


 先日の自分も関わった一件も、翌日には謎の爆発だと騒がれていた………

つまり……イリュの暴走?

あの時の状況を思いだし身震いする……イリュは大丈夫だろうか?

カイルの方は大丈夫な気がするから、心配はしなくていいだろう……


「…うじうじ考えても始まらないか……さてっと!」


ベッドから勢いよく跳ね起きると食事の支度をするために、階下に向かうのだった……



  ……………



食事の片付けをしていると二人が帰ってきた……いつにも増してボロボロだ……


「今夜は二ヶ所に仕掛けられていた…」


ソファーに腰を降ろすと深くため息をついた。

召喚されたのはガーゴイルだったらしい。

古代の翼竜のような翼に醜悪なその見た目は侵入者を阻む、トラップとして使役される事が多い。

魔方陣が時間差で発動したため、それぞれ一人で対処したらしい……

 同じく、ソファーにてぐったりとしているイリュを見ればどのような戦いが繰り広げられたのか想像もつかないでいた。


「大丈夫?」

「…んっ」


イリュにコップを差し出すと中の水をあっと言う間に飲み干した。

……怪我はしていない様だけど、魔力の消耗が激しい様だった。


「…そろそろ二人じゃキツいんじゃない?」

「……ラムゼスに話を通しておいてくれ…」


アイリシアの問いにそれだけ答えると、イリュを連れて上がっていった。


「……」

「……」

「……」

「…?」


アイリシア、アイリス、律子はそれぞれに複雑な表情でそれを見送った。

その光景を見て、首を傾げるしかなかった。


「…そろそろ休みましょうか…」

「…そうだね…紫音…今夜はボクのとこに来ない?」

「えっ?うん…いいけど…」

「…じゃあ…私も…」


律子の不自然な申し出に疑問を感じながらも、アイリスも加わった事により承諾するのだった………

ちなみにアイリシアさんも参加を希望したがすぐにお酒を飲んで寝てしまう事を理由に断られていた。


この誘いは私の為であったと、後日嫌という程に思い知らされるのだった。












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