ハジマリノウタ3
9/3ホントに微調整
この学園について語るには まずこの世界について話そう。
ここは皆さんの知る 地球 その世界に良く似てるけど…違う世界。
そして『魔眼』を知ってるだろうか?神、又は悪魔のもたらす神秘の結晶。
それが 『魔眼』と呼ばれる存在……何故そんなモノがあるのかって?
それは今も詳しくはされてはいないのだけど……今から200年前にとある科学者チームが多次元断層の解析に成功した……いわゆる別次元……別世界……
その実験中に偶然にもこの世界は2つの世界と繋がってしまった……それが 俗に言う天界と魔界 。
その日を境にこの世界に『魔眼』が確認された瞬間だった。
天界…そこは光輝く天使達の………なんてのは聖書の受け売りで私達にはその次元を見ることは出来なかったらしい。
魔界も同様だったと聞く。天界も魔界もこの世界とは分子構造が違うらしく人間がその世界の構築を理解できない様だ。
そのかわり天界人と魔界人がこちらの世界にやって来る様になった。
彼等は自身の分子構造レベルをこの世界に同期させる事によって 我々にもその姿を見せる事が出来るのだと言う。
彼等は見た目は私達人間と代わり無く普通に喋り普通に食事をした。
でも それはあくまで仮の姿…真の姿はやはり羽を持つ“真体”と呼ばれる別次元の存在。
この世界ではそれだけの質量を再現できる魔力を持つ者は限られる上に個人での能力は著しく制限されてしまうらしい。
そんなリスクを犯してまで彼等にしてもこの世界……特に”科学“は魅力的らしい。
もう一つは 魔界……彼等も人間と同じ容姿であった。
中には角や尻尾を持つ者もいたが、これは仮の姿………こちらの世界では先に述べた天界の理由と同じく分子構造の違いにより、実体は人間の目には見えにくいらしい。
やはり天界と同じ理由でこの世界に来訪する者は多い。
二つの世界は仲が悪い……と思われがちだが既に和平に向けて歩み寄っていた。
過去に争いはあったが今はそれらは解決しており 現在は良好な関係だと聞いている。
ここであるトラブルが発生した。
天界からは 「光素」 と呼ばれる。
魔力の成分が…魔界からは 「魔素」と呼ばれる成分がこの世界に流れ込んでしまった。
目には見えないが無味無臭 人体に取り込まれても数時間で消滅するため 影響は無いと思われていた………が、本来存在しない物質の干渉により人類に変化が起きた。
それが 「魔眼」だった。
消滅した成分は蓄積されやがて眼球内で結晶化する。
ここまででは変化もなくただ 「魔眼」保持者と呼ばれる存在になる… 既に世界の2/3がホルダーだと言う噂すらある。
しかし問題なのはここからだった。結晶化と同様に体内で魔力を生成…内包する能力を身につけてしまった者…キャリアの誕生である。
「魔眼」
人間でありながら 魔力を生成し魔法を使役する者その属性に応じた 『眼』 を保持する。
火なら赤い魔眼…水なら青い魔眼…大地の黄色、風の緑など、四大精霊を基本としてその種類は数十にも及ぶと言われている。
その多くは魔法を使用出来る様になるが 中には魔力を戦闘力に変換する(魔闘士)や知力の発達する(魔学士)などがある。
各国はその力を研究し、やがてその力は悲劇を産む。
その力を軍事利用する者とそれを阻止する者の争いが始まり、瞬く間に世界中に飛び火する。
通常兵器を凌ぐその力はやがて危険視されその力を恐れた者達による 迫害…紛争…
やがては神界 魔界の2つの世界を巻き込む争いに発展する事態にまでなってしまった。
“神秘なる力を手にした者達はその力に魅入られる”
「魅入られる者」チャームド が各地に誕生してしまった。
彼等は本能のままに力を解放し破壊と殺戮を行った。
最早人類と魔眼との戦いになっていた。
事態を収拾するべく、天界 魔界 二つの世界の入口は『結界』と呼ばれる封印を施された。
これにより 光素 魔素の流入が収まり、魔眼保持者の力は弱まった。
さらに魔眼保持者の中にも戦争終結を望む者も多く、平和を願う彼らはやがて人類と協力し各地の紛争を沈静化させていった。
一部の過激なチャームドを殲滅する事で長引くと思われた戦いも一年で終結した。
これが『魔眼戦争』と呼ばれる忌むべき歴史だった。
ここまでが誰でも学校で習う 魔眼の歴史である。
しかし 平和は訪れなかった。この戦争により各地で使用された魔法によりこの世界で(魔力分子)が発生し新たなホルダーを誕生させた。
再び魔眼による争いを懸念され、全ての魔眼保持者が忌み嫌われてしまう世界となってしまった。
彼等への憎悪は迫害 殺人 差別 紛争を呼び各地で悲しい事件が多発した。
そんな中 とある企業がこの国の地方の一部を買い取り事実上独立を発表
治外法権の指定地域を設立する。
暗黒の時代にさした 一筋の光明であった。