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魔眼の使徒  作者: vata
第一章 始まりの詩
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カノジョノジジョウ2

 


 思考が分割された事を確認するや否や、紫音はチャットルームに飛び込んだ。

室内にいた二人の視線がこちらに向いた。


「シロン!クロン!力を貸して!」


シロンはリクライニングチェアで読書をしていた。

私に気が付くと本を閉じて円卓に着席した。


「べっ…別にあんたなんか待ってたりしないんだからねっ!」


ツンデレな発言と共にゲームをしていたクロンはデータをセーブもせずに電源を落とすと同じ様に着席した。

あれは確か(最後の幻想15)今度貸して貰おう……


「状況は把握している……結果から言って……勝ち目は無いな」

「いや、シロンやってみないと解らないぞ?確かにあいつは未知数な部分が多いが、それはこちらも同じだろう?」

「…あのね、勝たなくてもいいの…私の持ってるこの魔眼の力を試したいの」

「…試すと言っても…まぁやってみるだけしましょうか…」


やれやれといった感じにシロンが机の上のノートパソコンを開いた。

クロンはデスクトップのPCで同じく操作を開始した。


「取り敢えず使えそうな魔法をググってみる」

「えっ?…脳内なのに光ファイバー?!」

「いやいや…『魔導検索(ググール)』よ…この世界の何処かにある(魔導クラウド)のデータベースにアクセスしてあらゆる魔法の情報を検索出来るのよ…紫音は考えた事無い?ある日魔眼が使える様になった者が何の知識も無く突然魔法が使えるなんて…不自然でしょ?」


言われてみれば……魔導リングの補助があるとは言え、魔法自体を教わった訳ではない。

魔法授業も使い方や理論を習う事はあっても、その詠唱や発動方法を習う事はない。

何故なら皆知っているからだ。


「…そうだな…この世界で解りやすく言うと…ネット通販みたいなものか」

「…anyazonとか?」


anyazonは業界最大のネット通販会社だ、マスコットキャラの猫のアニャ蔵は女子高生に人気がある……らしい


「ユーザー(魔眼)がネット(魔導クラウド)にアクセスして商品(魔法)を使用する…使い方はオンラインマニュアルで何時でも閲覧可能だ…そのやり取りを無意識のうちに行っているから、本人達に自覚は無いけどね」

「普通は魔眼=魔法みたいなイメージが強いから魔導クラウドの存在を知る者は少ないがな…それでも個人がアクセス出来るのはごく一部だ、自分の属性に関係する部分のみだ」


クロンの説明に違和感を感じた。属性=魔眼色が一般的だが……私の魔眼は一体どの属性だろうか?


「私達は無属性…本来はあり得ない事だけど……今は制限されてる部分もあるけど…全属性にアクセス可能よ」


私の疑問にシロンが答えた……あぁ意識が共有出来るんだっけか


「いわゆるスーパーハカーだな」


………何かカッコイイ………かも?


「組合せ次第では無理なものもあるが……単発魔法ならほぼ制限は無い」

「…あと、一部指定禁止項目はアクセス出来ないからな」

「…禁止項目…なんか18禁的な?」

「違う違う...俗に言う(禁呪)と(古代魔法)だ…これらは十分に扱える者が少ないからな…世界にダメージを与えるか、使用者がダメージを受けるか…又はその両方か…」

「…だから禁止な訳ね」


私の言葉に二人が頷く ……でも、そんなに危険なら魔導クラウドから削除出来ないのかな?


「無理だ」


私の疑問にまたもやシロンが速攻で答える……只の独り言だったんだけど……


「そもそも魔導クラウド自体が個人の所有物なのだ」

「…全ての魔眼の頂点…全にして個、個にして全、原始の魔眼『魔導王パンドラ・オブ・秘宝エンペラー』」


……お母さん…何だか凄いのが出てきましたよ? 

それって偉いの?じゃあその人に削除してもらえば....


「…まだ覚醒していないのだ」


………つまり皆、よそのおうちの本棚から勝手に本を借りて読んでるって事?


「…微妙な例えだが……あながち間違いではないな」

「…一度使用した魔法には対価として個人の魔力が支払われる、これが魔法に対する消費魔力だ…何度も使用していると熟練度が上がり、無詠唱や消費魔力の軽減が発生する 集められた魔力はそのまま魔導クラウドの運用に使用される、アクセスによる魔力供給はほぼ無限大だ」


つまり利用するほどクラウドは発展して さらに常連さんには特典サービスがあるって事だね


「…まぁそんなものだ」


私の例えにシロンが微妙な顔をした…例え方悪かったかな?


「…悪くない例えだ、それに紫音は理解が早くて助かる」

「じゃあ、そろそろ本題に入るか」


クロンの提示したプランがPCのデスクトップに表示される……クロンらしくて攻撃的で面白い

じゃあ、やってみますか。





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