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魔眼の使徒  作者: vata
第一章 始まりの詩
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ワカクサノニワ6


叫び終わった後、足元がおぼつかなくなった。


あぁ……やっぱり長湯しすぎたなぁ……


……何かを叫びこちらに向かって来るカイルを見たのを最後に意識を失った。

さっきから気絶してばかりだな…私






「…おっ……おいっ!」


 叫んだ紫音はそのまま糸の切れた人形の様に湯舟に沈んでいった。

慌てて飛び込み 寸前で抱き抱えた。


(おい!カイル!これはチャンスだ!!)

「うるさいお前は黙ってろ!!」


ちくしょう!……目のやり場に困るじゃないかっ!

下を見るな下を見るなー!!!!

取り敢えず脱衣所に……………柔らかいな……

!?いかんっ!考えるな考えるな!

えーとえーと

ブランク定数のCODATAの推奨値はh=6.626 069 57(29)×1……h…エッチだと?……

いや!これは事故だ! それにこれは救命行為であり……柔らかいけどやましい事は何も無い!


(む……以外に良い形をしているな…)

「頼むからお前は黙っていろ!!」


…………肌が密着し過ぎなんだょぉぉぉぉぉ !! すべすべじゃんかぁー!



何とか脱衣所まで運ぶとタオルを巻き付けたが、色々と目に焼き付いてしまった。

………不可抗力だ。

……でも

あぁぁぁぁ……俺いろいろと駄目かも


(この状況で何もしないお前のほうが心配だがね)

「何かをするほうが人としてどうかと思うがなっ!!」


いや大丈夫だ…まだ俺は大丈夫だ…

ここは防音だから聞こえてはいない筈、まずは服を着てからなに食わぬ顔で無かった事にすれば……

ズボンに手をかけた所で激しくドアを開け放ち、イリュとアイリスが踏み込んできた。

そうか…魔族って耳がいいもんな…いや関心してる場合じゃねえか………何でアイリスまで裸なんだよ!


「…お前達ちょうど良かっ「…何をしたの?」……」


俺の言葉はイリューシャのやけに凄味の効いた言葉に遮られた。


「…いやこれは…「変態」……」


弁解の言葉もアイリスに両断された。

いかんな……誤解されている……………………まぁ無理もないけど


「…これはだな、風呂に入ろうとしたら何故か紫音が入浴していてだな…」


俺は悪くない!………しかし言い訳ったらしく弁解しつつ、こそこそとズボンを履く姿は……なんか泣けてくるな……


(完全に間男だな)

「お前にだけは言われたくないわっ!」


「紫が入浴していたので……激しく獣欲に駆られ?!……紫音の身体の自由を奪い、あんな事やこんな事をっ!」


……俺の話は聞いてくれて無かったのですね


イリューシャとアイリスの魔力が跳ね上がった………逃げるが勝ちだな。


(空間跳躍)で室外に転移しようとしたのも束の間室内の色が失われ、白と黒のモノクロに染まる。


「!?(ラプラス)!てめぇ!」


この空間のみ 外部と遮断されてしまっていた。

イリュ達の魔力を感知した この建物を管理する存在ラプラスが被害を最小限にする為の手段を実行したのだ。


しかもイリューシャとアイリスはそれぞれ「火球(ファイアボール」) と「氷球アイスボール」を発動中だ……

何で魔族は直ぐにキレて魔法をぶっ放したがるのかね……イリュはともかく、アイリスは見た目は父親には似てないが、性格は似ているのかも知れないな……


自らに迫る危機にも関わらず、そんな呑気な事を考えている。

この程度何て事は無いのだが……自分の足元には気絶したままの紫音がいる。


……やれやれ… あいつらそんな事したら紫音まで危険だとわからないのかね?


回避する為に紫音を抱き上げ様と手を伸ばした……


その肩に手が触れた瞬間 紫音が目を開けた。


「?!…よぅ、気がつ…「この変態!」」


突き出された掌が見事に顎を捕らえ、カイルの脳を揺らした。

それだけに留まらず、蹴り上げられた右足が股間に決まった。


「!!!!!!!!!!!」


流石のカイルも護るべき対象からの攻撃は予想外だった様で 男性としてはどうする事も出来ないこの痛みに悶絶するのだった。


「……厄日だ…」


そう言い残し前のめりに紫音に倒れこんだ。


「やっ…ちょっとっ!」


のしかかられてジタバタする紫音を見て、イリューシャとアイリスは我に返った。


「…カイルっ!!」


慌てて駆け寄るが見事なまでのコンボ攻撃は、カイルの意識を見事に刈り取っていた。


「……カイル……死なないで…!」


ポロポロと涙を溢すイリューシャ………………いや…死にませんから。


周囲の風景が色を取り戻す……(ラプラス)が安全性を認識して、周囲との遮断を解除した。

……と、同時に脱衣所の扉がゆっくりと開かれて一人の女性が仁王立ちしていた。


イリューシャとは違う柔らかい印象の赤毛は毛先がくるんくるんにカールしており、そのピンクのネグリジェと良く似合っていた。


「あなた達……この寮では健全な性行為以外はみとめませんよっ!」


管理人  アイリシアであった。



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