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魔眼の使徒  作者: vata
第三章 ドリームウォーカー
236/241

週末異世界旅行 7

 遠くから聞こえる爆発音が建物の窓を揺らす。


「っ!!」


 ギルド職員であるリズはその音に怯える子供達を抱きしめた。


「迷宮の氾濫と聞いていたけど…大丈夫なのかねぇ?」


 隣の婦人達が、そんな声で囁き合っていた。

ここはギルドの地下に設置された訓練場だが、頑丈な作りをしている為、有事の際には一般の避難所として利用されていた。

街にも、それなりの冒険者や騎士団が防衛に当たってくれており、異世界の軍隊も防衛を手伝ってくれている…

 この都市が今一番安全な場所なのではあるが、何事にも万が一は存在する。


「守護竜様がお怒りなのじゃ」


 この街の最年長の老婆が、そんなことを口にした。


「守護竜?」

「そうじゃ……このサーマルに古くから伝わる守護竜様の伝説を知っておるじゃろう?」

「でも……あれはおとぎ話でしょう?」

「おとぎ話ではないぞえ…」


 彼女の話によれば、かつてこの地を荒らす悪竜が旅の勇者により討伐され、その軍門に下りこの地を守護する役目を授かり、迷宮の奥底に封じられたのだという…


「おばあちゃんの脳内二次作品じゃなかったんだ!」

「私はまだボケちゃいないよ!」


 リズは戦っている冒険者を心配しつつ、窓の外を見上げた。












「とりあえず迷宮から出てくる反応はもうないよ」

「よし、今の間に負傷者を収容しろ!前線再び構築しろ!油断はするな!」


律子の判断に、イングリットが指示を出す…

その様子を双子姉妹は羨望の眼差しで見つめるのだった。


「…やはり先生は頼りになりますわね…」

「ええ…カイル様の信頼も頷けます」

「にゃ…にゃにを言っている……」


 双子姉妹の賛辞に耳まで赤くする彼女は,先程まで女王様のような立ち振る舞いが嘘の様で,カイルの話となると急に可愛らしくなってしまうその姿に何かをわからせられてしまうのだった。


「…オホン……そろそろこちらから迷宮攻略を始めよう」


 取り敢えずイングリットが体裁を取り繕って話を進めた。


「編成はどうする??」

「取り敢えず、生徒達は全員来てくれ…それとエレンと……ザコデス達のメンバーは一緒に…」


 名前をうろ覚えのイングリッドの前に彼らは行儀良く片膝をついた。


「先生…私はザコッシュです」

「モブリーです」

「イッパーンだ」

「ソノータだ」

「…覚えたほうがいいのかな??」

「…では冒険者達よろしく頼むぞ」 


 イングリットは彼らを冒険者の一括りで管理をする様だ。


「よし、装備を改めるぞ…準備が出来次第行くぞ」

「… ならばワシも混ぜてもらおう」

「貴方はっ!!」


 準備を進めるイングリットたちに声をかけた人物を見たエレンは驚きの声を上げた。
















「……これってどう考えても?…アレだよな?」

「そうですね。その可能性は否定できません。…」

 

 先ほど倒した魔物の死骸の胸元に、見覚えのある黒い薔薇の紋章のようなものを見つけた。 

かつて魔界にて討伐された使徒 ローズクイーンが用いた「隷属の薔薇』である。


「あまりこちらの世界には、使徒の影響が無い筈なんだが…」


 ここから先の魔物が全て使徒の影響下にあることを考えると色々と頭が痛かった。


「とりあえずイングリットたちに連絡を……やはり伝言(メッセージ)念話(テレパス)妨害(ジャミング)されている」


 先ほどからルミナスが連絡を試みるが全て妨害されている様だ。


「仕方がない……」


 カイルは若干の居心地の悪さを感じながら、両手を前に突き出した…正面のルミナス達から見ればその指は『♡』の形を作っていた。


「「ふわっ!!」」

「…!?…旦那様…それは……」

「…アイリスと連絡を取ってみる……」


 何故かルミナスと絢音が顔を赤くしてこちら見ている…

だから嫌だったんだよ…


『…ラブラブキューン…こちらアイリス』

「…カイルだ…至急『合言葉は?』……いや…緊急で」

『…合言葉は?』

「くっ…ラブラブ…キューン…」

「「「はうっ!!」」」


 何故か三人が胸を押さえてダメージを受けた。

だから嫌だったんだよ!!


『…どうかしましたか?』

「くっ……今下層に向かっているが…使徒の干渉を確認した……『隷属の薔薇』が使用されているぞ」

『……むう…それは厄介……』

「リット達にも知らせてほしい」

『…了解…では…通信終了……ラブラブキューン』

「…ラ…ラブラブ……キューン……」


 通話をが終了するとカイルはその手を下ろした………


「…先を急ごう……」

「旦那様?先程のアレはどうすればいいのですか?」

「カイル様?指はこの型でよろしいですか?」


 先へ急ごうとするカイルの両腕を二人が絡め取り先程の謎のやりとりについて言及して来た。


「…機密扱いだ」

「えーと確かこうですよね?『ラブラブキューン』」


 絢音が先程の真似をして両腕を突き出した。


『…ラブラブキューン…こちらアイリス』

「わあ!こちら絢音です!アイリスに繋がりました!」

『…絢音?何故この回線を?』

「旦那様の魔力の流れを『視て』しまいました…」

『…流石ね…絢音…帰ってきたら詳しい話をしましょう』

「はいお願いします!」

『…カイルに先程の件は対処済みと伝えて…そちらも気をつけて……ラブラブキューン』

「はい!頑張ります!ラブラブキューン……旦那様…アイリスが先程の件は大丈夫だと…」

「……通話できたのか?」

「はい!凄い技術ですね…『視て』なければ再現は不可能でした」

「再現できるところが凄いわね…」


 絢音の『白眼』はサトリ以外にも『視る』事が出来る様だ……色々と見られたらまずいのではないだろうか?……いや、絢音に限ってこちらが不利になるような事はしないだろう……


「うふふ…旦那様!勿論ですよ!」

「……あんまり視過ぎたらダメだよ?」

「旦那様は何も心配する事はありませんよ?私は既に貴方の眼であり耳であり都合の良い妻であります…お好きなようにお使い下さいませ!」

「そ、そうか…いやちゃんと大事にはするよ?」

「絢音!抜け駆けはいけません!カイル様?私もいつでもどこでもお好きな様にヤリ潰してくださって構いませんからね?」

「いいやいやルミナスはもうちょっと周囲の目を気にしようね?お前仮にも王女だからな!?」

「はわわ!私も出来る事があればいたしましゅ!」

「シルフィエルは少し落ち着こうか……張り合わなくていいからね?」


 使徒が絡む戦いになると言うのに……使徒を知らない絢音はともかく、使徒の恐ろしさを知るはずのルミナスも気負った様子はない…むしろ二人共カイルとの迷宮攻略を楽しんでいる様にすら見える。


『…緊張感がないが…寧ろコイツららしくていいか……』

『うふふ…それだけカイルが心を開いている証拠ね』


 アーガイルのつぶやきにミカイルが楽しそうに答えた。
















「よし、この階層は安全が確認された!結界石の設置を急げ!」


 イングリットが指示を出すと後方からギルドの部隊が結界石の設置を始めた。

結界石とは氾濫が起こった迷宮の階層に置く事で乱れた魔力を安定させ、魔物の異常な発生を抑える効果がある魔石である。

すべての階層に設置することで、数日間この状態にすることで、本来の正常な状態へと回復させる機能がある。


「思ったより魔物が少ないなぁ…」

「カイル達が先行している影響もあるだろう…しかし使徒が絡んでいる様だ…油断はするなよ?」

「やっぱりあっちについて行けばよかったぜ」

「いおりんはカイルと一緒だと乙女になっちゃうから戦力外になるでしょ?」

「そっそんな事…は……ない……と思う」


 何を想像したのかはわからないが顔を赤くした伊織の言葉はやがて小さくなっていった。


「カイルが来ているのか?」


 少し離れた場所で、彼女達を見守る黒装束の冒険者がそう発言した…全身を黒色の装備で固め、頭には頭巾をかぶり、口元は覆われている……その見た目は忍者そのものである。

 先ほど地上で同行を申し出たのがこの国でSランクと称される冒険者…通称『雷神』であるこの人だった。


「彼女達は凄いな」

「ええ…カイルと一緒に来ている彼の世界の学友達です…」


 その言葉に反応したのは彼の世話役となっているエレンだった。


「ここから先は少しペースを上げるぞ……地下にかなりの魔力反応がある…」


 律子の計測の結果、ダンジョンコアの異常であるなら、サーマルの都市を含むこの周囲一帯が吹き飛ぶレベルらしい…更にそれが魔物であるなら災害級レベルの存在であると推測される。


「…ならば、わしが先行しよう…」


 『雷神』が地下への階段の前に立つと、印を結びスキルを発動した。


「雷迅」


 その体が光を放つとチリチリとその体に雷をまとっているのがわかった。

 

「では遅れずについてこいよ?」


 『雷神』はそう言い残すと迸る雷の残滓を残して一瞬で階段を駆け降りた。


「えっ?あっ?」

「行こう!もう先に進んでいる!」


 その姿を、一瞬見失った全員にエレンが声をかけると、慌てて地下へと降りて行った。


「…これは……」


 そこには、通路に横たわる魔物達の姿があった…よく見ればまだ生きている様だが、全身が麻痺した様に動けなくなっていた。

『雷神』の技によるものだ。


「よし、冒険者たち!確実に止めをさしていけ!イリュ!伊織!先へ!」


 追従するザコッシュ達が魔物にとどめを刺すことで安全を確保してゆく……

中には高ランクの魔物も存在しており、彼らは簡単に経験値を稼ぎ確実にランクアップして行くのだった……








「ここが最下層の様ね」

「みんな問題ないかな?」

 

 その後地下へと攻略を進め巨大な扉の前に辿り着いた……

今の所、使徒からの妨害や攻撃はなかった。


「旦那様?『キューン』の時は腕をしっかり伸ばした方が良いのでしょうか?」

「……絢音…その話題は終わってからにしよう」

「絢音…その件は私も気になるからアイリスに時間を取ってもらうから帰ってからにしましょう」

「そうですね…ルミ姉様よろしくお願いします…」

「皆さん凄く努力家なのです……私も負けない様にしないと……」

「そろそろ思考を切り替えようね?!」


 この三人はあれ以降ずっと『ラブラブキューン』についての意見交換を行なっていた……結構シリアスな展開な筈なのに……色々台無しだ。



「では…行くぞ」


 気を取り直して扉を開ける……中は薄暗く奥から低い唸り声が聞こえてきた。


「何かいるぞ?!警戒を!」


 ルミナスが一歩足を踏み入れた途端,奥からしなやかな鞭の様な物体が襲いかかってきた……突然の事にルミナスの防御が間に合わない!!


「破っっ!!」


 そこに体を回転させながら絢音が割り込みその物体を蹴り返した。


「絢音!!」

「大丈夫ですか!?」

「聖なる外套よ!我らを護り賜え!!『神聖守護鎧(シル・プロテア)』!!」


 シルフィエルの魔法が完成し全員の体を不可視の防御力が覆った。

 

「何かいます!」

「光の精霊よ!闇を払う輝きをここに!『精霊照明(エレメント・ライト)』」


 カイルが魔法を行使すると、3つの輝く球体が現れ天井付近に登り詰めると部屋全体を照らし出す輝きを放った。

『グラルルウ……」


 部屋の奥底の一段盛り上がった祭壇のような場所の上に何かがうずくまっていた。


「なんだ?ドラゴン?」

『貴様が…貴様がカイル・アルヴァレルゥゥゥ!!」

「「喋った!!」」

『貴様が!!ギザマガアアアアアアア!!!!』


 それは全身を青い鱗で覆われたドラゴンだった……先ほどこちらを攻撃してきたのは、その長いしっぽであり、ドラゴンはゆっくりと頭部を掲げるとこちらを睨みつけ……その顔はどこかで見覚えがあった。


「えっ?おっさんの顔…なにあれ?」

「人面犬?人面竜?」

「あれって…グルーベルじゃないかな??」


 どう見てもドラゴンの頭部にはグルーベルの顔がついている…先程から恨みつらみを述べているが、既に理性は無いように思える。


『どう考えても、使徒の仕業だな』

『相変わらずセンスが悪いわね…おじさんの体に、ドラゴンの頭の方がまだ格好がついたでしょう』

「いや、それもどうかと…みんな油断するなよ」


 カイルは様子見を兼ねて、炎の槍を打ち込む……グルーベルの頭をつけたブルーdドラゴン……長いのでグルードラゴンと呼ぶ事にする。

その体に魔法が着弾したかに見えたが、そこまで大きなダメージを与えられていない。


「流石はドラゴン種だ……魔法対抗力は高いな」


 その状況を確認したルミナスと絢音は魔法攻撃では倒せないことを悟り、近接戦闘での攻撃に移っていた。


「シルフィエル!俺も戦闘に参加する!回復と支援を頼む」

「はい、お任せください!」

「それと……これは君を守ってくれる使い魔だと思ってくれ……」


 カイルは収納から二つの球体を取り出した……

『ミラージュビット』と『ディフェンスビット』である。

球体の中央に光が宿ると,シルフィエルの左右に浮遊するように追従した。


「では、頼んだぞ」


 そう言い残すと、カイルは前線で戦う二人の元へと向かっていった。








「カイル様!あのしっぽが厄介です!近づけません!」


 懐に入れば、それなりのダメージを入れられる二人だが、そのリーチの長いしっぽの存在に攻めえうことが出来ないでいた。

 

「『石牢柵(ストーンプリズン)』!!」


 天井から無数の石が隆起して上部からドラゴンを押さえつけた…まるで牢獄に捕えたかの様にドラゴンを囲い込んだ。

魔法的な効果は薄いと感じたが、物理的な物は効果があるようだ。


チャンスとばかりにルミナスと絢音が攻撃する。


「西園寺流 裏格闘術『骸繋(むくろつなぎ)』!!」


 ドラゴンの懐に入り込んだ絢音は練り上げた魔力を拳に纏い,膝、内膝、に拳を打ち込み、最後は鋭い蹴りをくるぶしに打ち込んだ。

すべての生物の骨格を形成する上で、重要な関節破壊を目的とした完全なる禁じ手である。

それを食らったドラゴンは苦悶とも怒りとも取れるような叫びをあげた。


「さすがドラゴンです…硬いです!」

「絢音…かわいい顔してえげつないわね!私も負けてられないわ!」


 ルミナスは体に身体強化をかけると絢音の反対側背面から回り込んだ。

彼女の持つ剣はさやに収められており、ドラゴンの防御力を脅威と感じた彼女は斬撃よりも打撃による攻撃を選んだ。。


「喰らいなさい!『カイル様への愛』(ヘヴィ・ラヴ)』!!」


 身体強化から繰り出す普通のぶん殴りであるが,死角からの攻撃は、無防備なドラゴンの体に無視できないダメージを与えた。

 

「さすがお姉様!名前も技も重そうです!」

「ははは…」


 さすがのカイルも笑うしかない。


「?!何か来ます!注意してください!」

 

 ドラゴンの不可解な行動にシルフィエルが注意を促す…

気がついたときにはグルードラゴンの口元から表現しがたいような吐息が吐き出されていた。


「ドラゴンブレス?!この場合はおじさんブレスなのかしら?!」

「なんだか…生理的に受け付けません!ばっちいです!!」


 吐き出されたブレスはドラゴンの周囲に漂い、何とも言えない不愉快な気分にさせた。


「…?毒とかダメージを与えるような効果はなさそうですが…精神的なダメージを受けそうです」

「…ネガティブブレス…だな、受けると、精神的なダメージにより状態以上に陥るデバフだな……逆にあのドラゴンは能力が上がっている」


 狂乱の魔石により高められたドラゴンの凶暴性とグルーベルの中にある負の感情が結びつき強力なネガティブな存在とかしたこのドラゴンにとっては、このブレスは自身の能力を何倍にも高める最高のバフであった。


「やれない事は無いが…正直近づきたくないなぁ…」

「何かあそこに近づくと、変な匂いが染み付いて取れなくなりそうで怖いです」

「この服結構お気に入りなのだけど…処分するしかないか……」

「…何かのおじさんの顔…夢に出てきそうで怖いです…」

『あのフィールドに立ち入ってないのに、既にデバフの効果が出始めているなんて!!使徒にしてはなんて恐ろしい攻撃!!』

「…いや、ただの悪口だと思うが?」


ワイワイと騒いでいるところにグルーベルの目が輝き、光線が放たれた。


「!!」


 絢音とルミナスはその身体能力で見事に回避し、カイルは障壁を使って軌道を逸らした。


「きゃっ!!」


 思わずその場にしゃがみ込んだシルフィエルだったがカイルより渡されていたディフェンスビットが障壁を展開して無事に守っていた。


ドラゴンが再び攻撃の体制に入った瞬間、入り口から閃光のような雷がと走りドラゴンの体を弾き飛ばした。


そこに、黒装束を身に包んだ『雷神』がたたずんでいた。


「カイル…助太刀するぞ!」

「ん?……ジジイ!!」


 その姿には見覚えがあった……かつてともに依頼を受けた事がある好意の冒険者……『雷神』……その正体は……


「お祖父様!」

「!!絢音ちゃん?!なんで絢音ちゃんがこんな所に?!」


 西園寺家の当時の先先代当主の清麿である。


「旦那様に誘って頂いたのです……お祖父様こそなんでこんな所に……」

「ワシは…西園寺家の使命を……?旦那様?おい…今お前の事を旦那様と呼んだぞ?」

「はい…カイル様に嫁ぐ事になりました」

「!!」


 突然ジジイの殺気が膨れ上がった。

瞬時に契約獣の『白虎』を召喚し,自身に憑依させると凄まじい速度で襲いかかってきた。


「おいおい!いきなりだな!」

「許さんぞカイル!ワシの大事な絢音ちゃんを!!」

「お祖父様やめてください!」


絢音が割り込んで来てジジイの拳を止めた。


「?!絢音ちゃん?何故邪魔を!今すぐこいつから解放してあげるからね!」

「お祖父様こそ旦那様に触れないでください!許しませんよ!ぬーちゃん!!」


 絢音が戦闘体制を取り魔導リングより召喚を行いヌエを召喚した。


「電光憑依」


 絢音の黒髪が白に染まりその体にヌエを宿した。

万が一を考えてヌエを絢音と契約させていたおかげで助かった…。


「お祖父様と言えど旦那様に歯向かうものは許しませんよ!」

「生意気を言う様になったな絢音ちゃん!少しお灸を据えてやらねばならんかな?」


 二人の姿が消えると戦闘音が周囲に響いた。


「……ええと…とりあえず…戦闘を続け……」

「カイル様……ドラゴンが絶命しいています」

「え?」


 見ればドラゴンが黒い粒子と共に霧散しているところだった。




⭐︎来週の更新はお休みです。

以降は土曜の18時の不定期投稿になります 


「食料品販売店中間管理職異世界転生物語」

も同時で不定期更新しますので

暇つぶしにお読みください。

評価していただけると幸いです。

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