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魔眼の使徒  作者: vata
第三章 ドリームウォーカー
225/241

週末異世界旅行

「……これが……ゲート……」

「……大きい……」

「…凄い…」

「…しゅ…しゅごい…」


 目の前には巨大な岩で築き上げられた巨大な門があった。『異世界(イヴァリース)』へ初めて訪れる、紫音,

律子,アイリス,絢音の四人はゲートの前でその大きさに圧倒され呆然と眺めていた…年頃の娘が口を開けたままんてはしたないから閉じなさい。


「危ないぞ…」

「カイル様!すごく大きいです!」

「そうだね…」


 カイルが興奮してしがみついて来る絢音を上手く道の脇へと誘導する…絢音は既に魔道具のバイザーをする必要もなくなり、カイルから与えられた魔導リングで魔眼の力を制御していた…その瞳の色も、以前と変わらぬやや青を含む黒へと戻っていた。

 魔眼が発現したあの日から絢音は学校は休学していたのだが、今回、病気が完治した事を理由にして復学するという形でカイル達のクラスに転校・編入したのだった。

編入初日にクラスの男子は大喜びしたが,絢音の『私はカイル様の許嫁ですぅー!』

の宣言に、瞬時に阿鼻叫喚の地獄と化した。

 元々明るく人当たりの良い絢音の性格と、歳上と感じさせない包容力も合わさってクラスに打ち解けるのは早かった。

 最近では紫音や、律子とも良く『ルナリア』辺りに集まって勉強会を開いていたりする…初めて会った頃に比べて距離感が近くなった……いや,近すぎだろ?!カイル様とか呼んでなかったでしょ?!絶対アイリスに何か吹き込まれてるに違いない………でも…楽しそうだからいいか………可愛いしね。

 そんな事を考えていたら絢音の顔が赤く染まった。

うっかり思考を読んでしまったらしい。


「想像以上だよ…これは…凄いな」

「……これは…向こう側はどうなってるのかしら?」

「今からそこに行くから…通行の邪魔になってるから…」


 呆然としているアイリスと律子、紫音をやんわりと誘導する…

 その後ろを軍用のトラックや荷物を搬入する業者のトラックが走り去った。

 後ろのイリュに目配せすると彼女が紫音達を誘導するために列に加わった……

今日のイリュはいつもに比べて地味な格好をしている……

そのトレードマークとも言うべき赤い髪をフードを被ることで完全に見えなくしていた。


「イリュ…今日の格好はおとなしいね?」

「そうか?一応……護衛だからな」

「そっか…あんまり驚いてないね?来た経験がるの?」

「え?…ああ…まあそれは……」

「お前達!あまりはしゃぐな…一応授業の一環だぞ?」

「おかしいな?俺たちは準備室の掃除のご褒美に…」

「それは内緒だと言っただろうが!」


 カイルの発言にイングリッドが慌ててその口を塞いだ。


「大丈夫だよ…先生…その話はもう聞いてるし〜」

「なっ?!」

「大丈夫です…私達は喋ったりしません……大先生を困らせるとなんてしませんわ」

「そ、そうか?」


 イングリッドの後ろから声をかけてきたのはもう一組の参加者…ヴァルヴィナス家の双子姉妹だった。

彼女達の言葉にイングリッドは安堵の息を漏らす……

 今日の彼女たちは、学園で見る制服姿とは違い、個性的で垢抜けていた……ハッキリ言うと『ギャル』である。


「ふーん…また女の子が増えてるね……今回はよろしくね」

「ええ…こちらこそよろしくお願いします」


 赤い髪をツインテールに結んだ女性…ベルシュレーヌが手を差し出した……握手だろうか?

その手を握り返しながらその隣の青い髪のポニーテルの女性…ベラディエンヌに視線を向けた。

こちらもとてもラフな格好である…後スカートがとても短い。


「私服姿の先輩方を見るのは初めてですが…素敵ですね」

「…ぽっ」


 何故がベラディエンヌが頬を染めて視線を外した。


「まぁ…学園では『制討会』に『封鬼委員』をやっているからね…模範的な格好をしてるだけよ」

「本当は制服のスカートもコレぐらいにしたい…」


 そう言って二人はスカートの端を持ち上げる……見える?見えない?際どい角度を攻めてくる……二人の顔を見ればニヤニヤしているので揶揄われている様だ。


「お嬢様…はしたないですよ」

「はーい」


 二人の後ろにはメイド服に身を包んだ二人の侍女が居た…今回のお供の様だ。


「先輩おはようございます!」

「……先輩…おはようございます」

「!!大先生!おはようございます!みんなもおはよう…今回はよろしく頼む」

「アイリス様とご一緒できて幸せです」


 彼女達は先輩なのでしっかりと挨拶しておくが……アイリス効果は絶大のようだ。

 大先生……魔界令嬢の作者であるマトリーシェことアイリスに絶対の忠誠を誓う双子姉妹だった…その後ろの二人の侍女も同様に肯定の意味を込めて頷いている。


「ところでなんで一般ゲートではなくて軍用のゲートなんだ?」

「…一応護衛が手配されている…何があるかわからないからな…」

「あぁ…成程」


 仮にも、魔界の皇女と公爵令嬢…お気楽な旅行の筈がなかった。


「一般ゲート?」

「本来、ここは軍が使うゲートだからな…アルテさんとこの裏口みたいなもんだ…ここは岩山に埋め込む形でゲートが設置されているからな……この岩山の向こうが一般向けのゲートだ。」


 ちなみに、一般ゲートは、軍用の無骨な作りと違い高級ホテルのロビー並み建物の中に設置されており,豪華爛々な造りと装飾になっているがユグドラシルの都市内部で使われているゲートと遜色ない位の大きさである…先日マトリーシェの魔界への里帰りの際に利用した魔界ゲートも同じ規格のものである。

ちなみにここの管理はユグドラシルの学生ギルドが行っている。

 軍用のゲートは大型の物資や車両などもの運搬が目的の為,かなり大きな作りとなっている。

凱旋門の縮小版……といった表現がわかりやすいだろうか。

 ちなみにアルテさんちの裏口は空箱が積み上げられており通行がかなり困難だ。

ゲートの表面は水面に浮かぶ油分の様に七色の色彩を放つ膜に覆われている……車両が通過するたびに淡い光を放っている。


「それでその護衛と言うのは…」

「安心しろ,理事長の推薦だ……実力は申し分ないとの事だぞ?…ああ…あれだな」

「…待たせた……な…」

「…マードックさん…」


 そこに現れたのは、マードックさん率いる四人組だった…

四人とも任務と言う事で簡素な黒を基調とした服装だった。


「よう!またよろしく頼むぜ」

「キースさん…鉄平さんも…」

「あはは…君がいれば護衛なんて必要ないかもしれないけどね…伊織さん?どうしたの?早く挨拶してください?」

「な,なんで……よう…久しぶりだな」


 伊織がおずおずと挨拶をしてくる……先日一緒に魔界に行って帰って来たばかりだが?


「伊織さんこの前魔界に一緒に…」

「あーあー!よろしく頼むぜ!!」


 何故か全力で誤魔化された……マードックが睨んでいるのは気のせいだろうか?


「よかったな!いおりん……今日の格好は大人しいな」

「イリュ!余計なことを言うな!!…」

「…いおりん……また一緒だね」

「……アイリス…よろしく頼む………こっちは新顔か?」

「あ…西園寺絢音です…よろしくお願いします…一応許嫁です」

「ああ…如月伊織だ……許嫁?」

「…いおりんにも説明する……」


 いつの間にか、うちの女性陣と仲良くなっている伊織さんがみんなと親睦を深めていた。

何の説明だろうか?時折伊織さんが『ふぁ?!』とか言いながらこちらを見てくる……アイリス……変なこと言ってなければいいけど……


「…荷物はそれだけか?」

「あぁ…次元収納があるから、マードックさん達の荷物も預かろうか?」


 見れば、全員がそれなりの荷物を抱えていた。


「そんなスキルまで……いや,助かる」

「お安い御用だよ……こちらは守ってもらう立場だからね」

「…お前を守る必要があるのか疑問だけどな?」


失礼な…ちゃんと護衛と一緒に行くのなら仕事をしても貰うから安心してほしい。


「先にこれを渡しておこう…ギルドカードだ… 三年生は既に所持しているな?カイルとイリュも…では、初参加のお前達だけだな、これは向こうの世界の身分証明にもなるから無くすんじゃないぞ?魔導リングに連携させることで紛失防止になるからやっておけ」


 カードを手渡された紫音達は珍しいものを見る様に、カードを手にあれこれやっている。

銅色の金属製のプレートだが非常に軽い。 

これは学生ギルドが学園の生徒情報と連帯させて作り出した異世界での身元保証のカードである…

双子姉妹の侍女は既にカードを所持していたらしい…やはり公爵家の侍女ともなると有能に違いない。


「あの…連帯とはどうやって?」

「あぁ…カードを指輪の上にかざしてごらん?」

「そうですか?…わっ!カードが消えました!」


 引きこもり生活の長かった絢音に魔導リングの使い方を教えるカイルもこの純粋な反応には笑顔が溢れた。


「…カイル…私もよくわからない…」

「……こうだよ……アイリス…」

 

 何故か絢音に対抗意識を燃やしたアイリスに思わず苦笑いが溢れた…

 それを見た紫音と律子も自分の指輪にカードを押し当ててみる…カードが輝き、指輪の中に吸い込まれるように消えていった。


「これどうやって取り出すの?」

「カードオープン…」


 カイルが唱えると

彼の魔導リングの上にカードが現れた。

しかしそれは直ぐに消え失せた……


「……へえ」

「……何かな?」


 私達の銅色のカードとは違い、金色に見えたのは気のせいだろうか…なんとなく彼の表情からして、ツッコミを入れない方がいい様な気がする…よし、これは貸し一つだ。


「準備はいいか?では出発するぞ」


イングリッドを先頭にして全員がゲートに向かった。






「わぁ…」


 入り口カードを見せるとそのままゲートへと通過する道を進む。


「何か…緊張します……」


 そんな事を言いながら絢音が腕を掴んできた……出会った頃が嘘の様に笑顔が眩しいです。


「……迷子になるから手を繋いで欲しい……」


 それを見たアイリスは手を繋いでくる……無表情だが尻尾があれば全力で振られているに違いない。


「じゃあ…行こうか……」


 手続きを終えると各自、ゲートを潜った……まばゆい光に包まれた後、一瞬の浮遊感の後に目を開けると、さっきとは変わったロビーにやってきた……窓際から外を見るとそこは小高い丘の上だった。

元の世界では午前中だったのだが、こちらでは既に夕日が差し込もうかと言う時間帯であった…山の上にはうっすらと月が見てとれた……二つほど。

 遥か向こうに見える山脈には、元の世界ではお目にかかれない水晶の様な輝きを放つ石が所々に突き出ており、そこに生い茂る木々も緑だけではなく、青や黄色と様々な色が散りばめられた不思議な色合いを醸し出していた。

 軍用ゲートだけあって至る所に警備の軍人が警戒している……装備は現代武装だ……ここがユグドラシルの駐屯基地である意味合いもあるのだろう。


「…月が二つある……」

「凄いです!」

「見とれる気持ちはわかるが、迷子になるなよ?こっちだ」


 イングリットは教師なので何度か来たことがあるのだろう…迷うことなく進んでゆく。

少し離れた通用口から少し下ると多くの人が賑わう広いエリアにやってきた。

警備の人に書類とカードを提示して通過許可を貰い一般エントランスへと辿り着いた。


「こちらが一般のゲートのエントランスだ…さて、迎えの者が来ているはずだが?」


 一般向けのエントランスは、それこそ空港のような吹き抜けの広いロビーで多くの人で賑わっていた。

軍隊のエリアと違い、こちらは鎧を装備した騎士達が警備に行っていた。

ここの管轄は『異世界(イヴァリース)』と言う事か………


「ここも学園同様,攻撃魔法の使用は禁止されている…迂闊に使うんじゃないぞ?」


 そう言いながら、イングリットが魔導リングのインターフェースを操作して、現地の人と連絡を取り合っているようだった。


「お待たせしました」


 声をかけてきたのは、三十代後半といった感じの上品な上着を羽織った文官風の男だった。

その服装の装飾具合からして、そこそこの地位の人物ではないかと思われた。


「貴方が王国学園の方ですね?」

「はい、皆さんようこそいらっしゃいました……私はアルサンブラ王国、王立学院魔法科学部長のグルーベル・アミシュタッドと申します…お見知り置きを」

「!!学部長殿とは…今回引率を務めるイングリット・ウルガノフです」

「おおっ!あのウルガノフ家の!いやぁ…お会いできて光栄です…それにしてもお美しい」

「皆様は、どうぞこちらへ…」


 グルーベルと共に来ていた従者がみんなを引率して馬車まで案内してくれる……あのおっさんリットに興味津々だな……

こっちは全く関心がない様だ…典型的な貴族主義かな?

別に構わないけどね。


「えーと皆様方は…どうぞこちらの馬車に…」

「二手に別れるか……」

「私はこの人の従者ですので」

「…私…この人の正妻」

「…わ、私はこの人の許嫁です」

「えーと…友達?です」


イリューシャとアイリス…そして絢音は意地でもカイルと離れる気は無いらしい。

律子もこちらに来ようとしていたがその両肩には双子姉妹の手が掛けられている…そろそろ『魔界令嬢』の新刊予定だものね……私も先輩達とはそんなに親しい訳では無いので勿論こちらがいい。


「……」

「よう!久しぶ……」


 カイルは馬車の扉を開けると……再びそっと閉めた。


「馬車を間違えたようだ」

「何で閉めるんだよ!カイルっ!!」

「げっ!エレ!出て来るなよ!」


 

 馬車の中から外に出ようとする誰かをカイルが必死にドアを押さえて閉じ込めている。


「イリュ!早くみんなを連れて…」

「イリュちゃんもいるのか?おい!カイル開けろ!!」

「なんでお前がいるんだよ?!」

「会いに来てやったんだよ!道案内は必要だろう?」

「いや大丈夫です…速やかにお帰り下さい」

「そんなつれないこと言うなよ!」


  一体が何が起きてるのかな?


 中から現れたのは赤い髪の同年代の男性だった。

使い込まれた革鎧を着込んでおり、見たまんま『ザ・冒険者!』な風貌だった。


「ほほう…これがカイル君のご学友の皆様か…みんな女の子ばっかりじゃねーかこのスケベ!」

「…誰?」

「おや?これは失礼…私はエレン…ユグドラシル学園の姉妹校あるアルサンブラ王立学院より派遣された今回皆さんの案内役と護衛を務めさせていただきます」


 エレン……そう名乗った男性は、丁寧なお辞儀をすると、アイリスに向けて手を差し出してきた。


「…そう…私はアイリス…よろしく…私は旦那様専用だからお触りはダメ」

「…旦那様?…おい!カイル?!どういう事だ?!なんで結婚式呼んでくれなかったんだよ!」

「…ごめんなさい…私の身体が病弱で…書類だけで婚姻を済ませたのです」

「そうか…それは大変だったな…じゃあこれが新婚旅行か?それならそうと言ってくれれば…」

「アイリス…冗談でもそんな事は言わないように…冗談だよな?書類提出したりしてないよな?…コイツはバカだから直ぐに信じちまうから…」

「…………」

「えっ?アイリス?その沈黙は何?冗談だよね?」

「おい馬鹿とはなんだ?馬鹿とは!」

「話が進まねーから黙ってろ!」


 魔界から帰ってくる時…アイリスが役場に用事があると言って別行動をしたことがあった気がする…まさか…ね?

 その後は、何事もなくすんなりと自己紹介が行われた。

今回はあくまでも視察と言う名目なので、ゲートのある丘から見下ろした場所にある都市,サマールにあるホテルに宿泊することとなった。 

ゲートが繋がり急速に発展したこの街に出来た最も新しく,最も大きなホテルだった。





「はぁ…何でエレがここにも居るんだよ…」

「何を言っている…姉妹校の皆様を護衛するのは当然じゃないか!」

「絶対何か企んでるだろ…」

「人聞きが悪いなぁ…護衛だから常に一緒にいないといけないだろ?美味しい物にありつこうなんて思ってるけど思ってないからな?」

「どっちだよ…」

「エレさんは面白い方ですね」

「おや?絢音さんは人を見る目がありますね!今なら私の隣空いてますよ?」

「あ、私旦那様の許嫁なので結構です」

「おいカイル!お前なんでアイリスちゃんがいるのに許婚もいるんだよ!犯罪だろ!」

「…私の国は一夫多妻制なので大丈夫…今回参加している子はみんな内定してるので手を出したらダメ」

「お前ホントに爆発しちまえ!!」

「お前たち変に目立っているから静かにしろ!」


 ホテルのカウンターから戻ってきたイングリットに注意をされた…その後、それぞれの部屋の鍵を受け取る。


まず、護衛のマードックさん達の男性3名で一部屋…ここ迄全く会話をしていない…流石は仕事となると頼りになるな……

アイリス、絢音、紫音、律子で一部屋…ここは中央に位置する部屋なので比較的安全だ。

イリュ、伊織、イングリッドでもう一部屋…伊織さんは近くに護衛を配置するとの事だが……実はマードックの親心で観光の頭数に入れられている…彼女もこう言った経験が不足している為,経験させておきたいらしい……

双子姉妹と侍女達で一部屋…まあ彼女達もその実力から護衛は必要ないだろう。

最後はカイルとエレンで合計五部屋だった


「俺…カイルと?」

「いや別に帰ってもいいけど?」

「いや別にカイルと一緒でいいんだけど、俺に変なことしない?」

「するかよ!」

「……じゃあ…一緒でいいです…」

「何で敬語…?…ま、いいか……じゃあ荷物を持っていってくれるか?」


 カイルが次元収納からそれぞれの荷物を取り出す…  

そのまま、各自の部屋へと分かれていき、夕食の時間までは思い思い過ごすこととなった。


「…こんにゃくあるかな?」

「どうだろう?でもどんな料理か楽しみね。」

「この部屋すごく綺麗ですね!

「絢音さん浮かれてるねぇ」

「はいっ!旅行に来るのも、お友達と一緒なのもすごく楽しみでした!誘ってくれてありがとうございます!」

「……側室が平穏に過ごす事も正妻の勤め…当然」

「うふふ、アイリスも楽しみにしていたもんね」

「…紫音…」


 なんだかんだ言って全員が浮かれていた。

友達とのはじめての旅行、はじめての異世界、

だからあんなことになるなんて、夢にも思っていなかった。


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