表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔眼の使徒  作者: vata
第三章 ドリームウォーカー
218/240

夢の少女 4

 戦いに負けた西園寺の発言で何故かカイルが対戦する事になった……


「時に……俺は陰陽とか良くわからないし……契約魔獣などいないのだがどうしたらいいのだ?」

「あっ、とりあえずみんなのカードからレンタルすることで臨時のデッキを作りましょう」


 雪ちゃんはなかなか有能だった。


門下生達が集まり、自分のカードを見せ合いながらワイワイガヤガヤと相談していた。


「なんだ…本当に素人なのか?」


 それを見ながら、幸彦が近づいてきた…

特に、この道場に対して、悪意があるわけでもなく、微笑ましいものを見る様に見つめていた。


「…まぁビギナーズラックって事もあるかもしれないからね」

「ふん…龍彦が何を考えているかは知らんが…」

「ちなみに貴方は西園寺家について思うところはないのかな?」

「何だ?レポートでも書いているのか?まぁ古い伝統を重んじる事は悪い事ではないが…それだけでは守れないものもあるからな……時代の流れと共に変わらなければならない事もある…ある意味私は今までの西園寺家があったからこそ、今の立場を得たに等しいのだがな」

「なるほど」

 

 お家騒動については興味を持ってない様だが、姉の事に関しては資金力でどうにかしようと考えているのかな?


「カイルさん出来ましたよ」


 雪ちゃん達が選んでくれたデッキを見る……なかなか悪くないな…

何点かこちらの希望を伝えてからカードを交換して、臨時のデッキが出来上がった。


『では審判は私が……陰陽ファイト!レディーゴー!!』

「ほんとに大丈夫なのかよこの子達」


 審判をかって出てくれた門下生がマイクを小指を立てて構えると試合の解説を始める……将来が少し不安になった。

先行のカイルは取り敢えず手札からシードモンスターを場に出す。


「えーと『めころん』守備表示で待機……」


フィールドには桃色のモコモコした毛玉のようなモンスターが現れた……アレは紫音のストライクだな。


「特殊効果発動?えーっと…『可愛い仕草で相手の注意を集める…』……ターンエンド」

「あれ私のカード!!かわいい〜!!」


 門下生の女子から声が上がった……君も可愛いよ……


「俺のターンだ…シードモンスター『シザース』を場にセットフィールドカードを一枚セットしてターンエンド」


 幸彦のモンスターは両腕がハサミの様に鋭利な刃物を持つモンスターだった…銃刀法違反だな。


「んー…カードをドロー…『大木戸道士』で場に二枚カードをドロー…シードモンスター『ライジングッピー』を待機エリアにセット…フィールドカードを一枚セットしてターンエンド」


 次のシードモンスターは黄色いメダカの様な魚だった。

 互いに黙々と自陣の強化を行なってゆく…あのカイルの試合と会って場内の注目を集めていた。


 やがて5度目のターンに差し掛かり互いが動き始めた。


「シードモンスター『盾ひろし』をセット」

『『盾ひろし』…アクティブスキル身代わり発動、メインモンスターへの攻撃を毎回身代わりで受けてくれる、毎回受けるダメージは10で固定』

「やった!あのカードがあれば暫く持ち堪えることが出来る!」


 門下生達が色めき立つ…自分達の混成デッキで幸彦を破れるかもしれないからだ。


「流石は本家の門下生だな…だがこれからだ…カードドロー!!…さぁ…覚悟はいいか?…シードモンスターの上位進化『エッジシザース』に進化相手に攻撃!」


進化した幸彦のモンスターがカルのモンスターに襲いかかった。


『『盾ひろし』の身代わり発動!ダメージ10『盾ひろし』の残りHPは30!』

「フィールドカード発動」

 

 幸彦が宣言し,場に伏せてあったカードを裏返した。


「効果カード『繰り返す世界』直前の行動を再度実行!相手に攻撃!」


 フィールドカードの効果により再びカイルのモンスターはダメージを受ける…残りのダメージは10となった。


『アクティブスキル『悪あがき』発動…『盾ひろし』の残りHPが10になると相手に一定の確率で攻撃を反射…判定結果成功!『エッジシザース』に10ダメージ』

「くっ!シードモンスターでこちらにダメージを与えてくるとは…ターンエンド」

「よっし!流石はカイルや!!どうや!兄貴!これがこの男の力や!!」


 幸彦は思わぬ反撃に、たじろいだが、龍彦の煽りが無性にイラっとした………まだだ,まだ自分の有利は覆されていない為,冷静に試合を進めることにした。


「カードをドロー!…このカードはフィールドに待機!更にフィールドカードをオープン」

『フィールドカード発動『シードディスティニー』登場より5ターン経過したシードモンスターが覚醒する…効果はステータス2倍』

「なにぃ?!」


 フィールドにいる『めころん』が銀色のオーラを放ち、覚醒状態へと変化した。


「『エッジシザース』に攻撃!ステータス2倍の為、ダメージ20!『ライジングッピー』の帯電!エネルギーを蓄積!ターンエンド」

「ちっ!カードをドロー!『ストライクバード』をメインデッキに!攻撃だっ!」


 幸彦が引き合ってたのは、口が長く鋭い『ストライクバード』だった。

攻撃力が高い上に、スピードも速いため、回避能力に優れている。


「『めころん』に攻撃!」

『『盾ひろし』の効果で攻撃反射!判定!』

「よしっ!成功!攻撃回避だっ!」


 軽い手合わせのはずが本格的な戦闘になっており、周囲の門下生たちも固唾を飲んで見守っていた。


「カードをドロー!…アイテムカード『双子の仮面』を『ライジングッピー』に装備!…『めころん』の攻撃!」『『エッジシザース』攻撃!命中!ステータス2倍のの効果で20ダメージ!『エッジシザース』を撃破!』


 門下生たちの間に歓声が起こる…今は家を出ているとは言え、幸彦はかつて後継者争いにも参加していたほどの強者だったからだ。


「くっ…本当に素人なのか?……カードをドロー!!よしっ!貴様もここまでだ!『荒ぶる虚無僧』をメインデッキに!特殊能力発動!フィールドカード『修練場』発動!」

「あかん!兄貴の必殺コンボや!!」


 先ほどの西園寺を破った連続進化により天狗へと進化する…


「『調伏』発動!」

『えーと…効果なし!』

「なにぃ?!」

『『調伏』はセカンドモンスター以上に効果があり、シードモンスターには無効のカードです』

「しまった!!」

「そうか…セカンドモンスター並みに攻撃力があるのはフィールドカードの効果だからか!」

「こんな戦い方が……」

「…てゆうか、これ陰陽道関係なくない?」


 すべての門下生達は進化させる事を念頭に戦っている為、あまりフィールドカードの効果については重要視していなかった…

2人の戦いに感動を覚える門下生達にはイリューシャの呟きは聞こえなかったようだ。


「くっ!…ターンエンド」


「じゃあまずはカードをドロー…フィールドカードにセット!『めころん』の攻撃……」


 カイルの宣言で場に居るめころんが一歩前に出て、『めこ?』と首を傾げた。


「「「はうっ!!」」」


 何人かの声が聞こえた……その中に幸彦と龍彦が混じっていた事はこの際見なかった事にしよう。


『『めころん』の特殊効果により、相手のモンスターの攻撃対象が固定されます』

「ターンエンド」

「カードをドロー!!よしっ!『渾身の一撃』発動!『天狗』の全体攻撃『嵐山』!」

『『渾身の一撃』の効果であらゆる防御効果を無効にして攻撃!!』

「『天狗』の攻撃力は80!!カイルさんのシードモンスターだけでは殲滅だ!!」

「ディフェンスカード発動!」

「なにぃ?!」


 天狗の攻撃が決まろうとした瞬間、カイルの宣言により

場に伏せられていたカードがめくられた。


『特殊カード『SDGs』…自陣モンスターがシードモンスターだけで構成され,攻撃を受けた際に発動する特殊カード!世界の意思によりシードモンスターへの攻撃は無効化されます……『めころん』のダメージ0』

「なんやと!そんなっ!」

『更に『ライジングッピー』が装備している『双子の仮面』が相手の攻撃を確認…判定……チェック有効!相手の攻撃を自分の攻撃に上乗せして反撃!ライジングッピーの放電!攻撃力40に受けた攻撃80を上乗せし、120の攻撃』

「くっ!…俺の負けだ」

「すげえすげえよ!あの幸彦さんに勝っちまった!流石はカイルの兄貴!」


 まさかの番狂わせに、門下生達はどよめいた。


「見事だ…そういえば、お互い自己紹介がまだだったな…既に知っているとは思うが、西園寺幸彦だ…」

「カイル・アルヴァレルだ…義理の兄弟になるかもしれないから、よろしく頼む」

「義理?…おい、それは一体どういう?」

「なんだか賑やかだけどどうしたの?…あー!ゆう君来てるじゃない」

「お……姉さん」



 道場の奥の扉から彩音がやってきた…


「彩音さんこんにちは…惚れ直しましたか?結婚しよう」

「ふふふ私に勝てたら考えてあげますよ」

「何!?お姉ちゃ……姉さん!!まさかコイツとも勝負を?!」

「…幸彦……お前もか……」
















「……そう」

「なんとなくそんな予感はしたんだが、阻止することは難しかった」

「…仕方ないわ…アーガイルだとあなたも強く出れないものね」


 そう言って、アイリスはカップをテーブルに置いた…その隣ではイリューシャがドーナツを頬張っている。

今日の出来事をイリューシャから報告を受けていたアイリスはどうしたものかと考え込んだ。


「…それなりのお嬢様なら、姉様達と同じ様な愛人枠は良くないわね…私たちの正妻枠で第四夫人あたりに収まってもらおうかしら?」

「…そこはアイリスに任せるよ…何かあったら言ってくれ」


今や正妻第一候補と化したアイリスはカイルの女性関係の管理を徹底していた。

本能に直情的なイリューシャは彼女の管理下に収まる事で自分の立場を安泰の物としたのだった。


『紫音も早くこちらの陣営に引き込みたいのだけど……もう少し彼女の気持ちを熟成させる必要がありそうね』

「…そうね…マリーの意見には賛成だわ……律子は今日にでも了承するでしょう」

『あの娘は意外と策士だぞ?素直に恭順するのか?』

「…ふふ…あの娘はイリュや紫音とも相性が良いもの…もちろん私ともね」

「何か考えがあるのか?」

「…男女の仲を急接近させるには古来から色々方法があるもの……もうすぐ丁度良いイベントがあるわね」

「イベント?」


 アイリスはイリューシャの前に一枚の紙を差し出した。


「…異世界視察旅行よ」

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ