夢 第二夜
「うう…ぐす……」
「あら、こんな所にいたのね…またお爺さまにしごかれたのね?」
「お姉ちゃん…僕もう嫌だよ…僕には才能がないんだ…」
泣きじゃくる自分を、姉はそっと抱きしめてくれた
「そんな事は無いわ…あなたは戦う事が苦手でも毎日こうやって努力しているじゃない?強い男の子はかっこいいわよ」
「でも僕戦うのがどうしても怖いんだ」
「そうね…あなたは優しいものね…」
そう言って、姉さんは花が咲いたような笑顔向けた。
「じゃあ…あなたの好きな人守る為に戦うのはどう?あなたの大事にしているカブトムシのリッキーや、猫のにゃん太郎がいじめられていたら……あなたはどうする?」
「かわいそうだから守ってあげたいけど、リッキーは飛んで逃げれるし、にゃん太郎もすばしっこいから大丈夫だよ」
「そうね…じゃあもし私が悪い人に捕まってしまったら……あなたは私を助けてくれる?」
「お姉ちゃんが?…そんなのだめだよ!怖いけど…僕が悪い奴らをやっつける!」
「うふふ…うれしいわ」
姉は笑顔の似合う、美しい人だった
そんな姉が笑わなくなったなくなったのはいつからだろうか?
きっと、姉があの魔眼に目覚めたからだ……
姉さんきっと俺があなたを守ってみせる!!
『美しい姉弟愛ね……でも、なんというか……あなたは少しシスコンの度合いが強い様な気がするわね…』
「えっ?」
そこには、白いワンピースを着た白い髪の少女がいた
「だれ?」
『えっ?見えてる?』
その瞬間、世界に亀裂が入り崩壊を始めた。
「お姉ちゃん!!」
西園寺は飛び起きた……何か懐かしい夢を見た様な気がする……最後の方は朧げだが……
「あの白い女は何なんや……」