夢 序章
心地良い朝の日差しが部屋に差し込む……私はゆっくりと体を起こしベットから抜け出した。
ゆっくりと部屋のドアを開けると階下から食器の音と香ばしいパンの焼ける香りが鼻をくすぐった。
『おはよう』
笑顔で挨拶を告げる母親に私も返事を返す。
『お母さんおはよう』
『あなたはいつまでもお寝坊さんね…早く顔を洗っていらっしゃい』
母が私の頭を優しく撫でる…くすぐったさを感じながら洗面所へと向かう……
そこにはお父さんがいて、ネクタイを締めていた。
『おはよう…今日はゆっくりだね?』
『おはようお父さん…』
『さあ…顔を洗ってご飯にしよう』
二人で席に着くとお母さんが皿を目の前に置いた…
目玉焼きとウインナーにサラダ……バターたっぷりのパンにお腹が小さな音を立てた。
『『『いただきます』』』
三人の声が重なり朝のひと時が始まった。
どこにでもあるささやかな日常…いつまでも続くと思っていたありふれた平凡…
一瞬のきらめきとともに、全てが白く塗りつぶされていく……
そして、それは、永遠に手の届かないものになってしまった。
眩しくて直視することすら叶わない,大切で愛しい思い出。
全てが全てが真っ白に塗り尽くされている……
これは楽しい夢なんかじゃない
私に対しての……
罰なんだ