表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄された悪役令嬢ですが、すべて計画通り〜ここからが本番です  作者: 一条 咲夜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/28

第24話:そして、すべてを手に入れる

王城・謁見の間。


静寂が、空間を支配していた。


玉座の前。


その場に立つのは――リリアーナ。


そして。


その左右には、重臣たちが並んでいる。


「……これで、最後だな」


低い声が響く。


王太子だった。


かつての威厳は、もうない。


疲れ切った表情。


すべてを失った者の顔。


「ええ」


リリアーナは、静かに頷く。


「すべて、終わりです」


その言葉に、わずかなざわめきが広がる。


「……最初から」


王太子が、ゆっくりと口を開く。


「ここまで見えていたのか」


問いではない。


確認だ。


「ええ」


リリアーナは、迷いなく答えた。


「すべては、計画通りです」


その一言で。


場の空気が凍りつく。


「……そうか」


王太子は、小さく笑った。


乾いた笑いだった。


「なら、聞かせてくれ」


顔を上げる。


「最後に、何をするつもりだ」


その問いに。


リリアーナは、わずかに目を細めた。


そして。


「終わらせるだけです」


と、答えた。


「本日をもって」


静かな声が、響く。


「現体制は、解体されます」


その宣言に、空気が張り詰める。


「聖女制度は廃止」


「それに伴い、神殿の権限も見直し」


淡々と、告げられる変革。


「また」


一拍。


「王太子殿下には」


視線が向く。


「その責任を取っていただきます」


その言葉に。


誰もが、息を呑んだ。


「……処刑か」


王太子は、静かに言った。


恐怖はない。


ただ、受け入れている。


だが――


「いいえ」


リリアーナは、首を振った。


「その必要はありません」


「……何?」


「生きていただきます」


その一言に、場がざわめく。


「……生きて?」


「ええ」


リリアーナは、ゆっくりと歩み寄る。


「すべてを失った状態で」


その言葉が、重く落ちる。


「地位も、権力も、信頼も」


「何もない状態で」


目の前で止まる。


「ご自身の選択の結果を」


静かに告げる。


「最後まで、見届けていただきます」


それは――


死よりも、重い罰だった。


「……なるほどな」


王太子は、小さく笑う。


「確かに、それが一番か」


抵抗はしない。


もう、何も残っていないのだから。


「……見事だ」


その言葉は、本心だった。


完全な敗北。


「ありがとう、ございます」


リリアーナは、淡々と返す。


「以上です」


その一言で。


すべてが、終わった。


体制は崩れ。


時代が、変わる。


誰もが、それを理解していた。


やがて。


人が去り、静寂が戻る。


広間に残ったのは――


リリアーナひとり。


「……終わった」


小さく呟く。


長い、長い時間。


そのすべてが、ようやく終わった。


(これで……)


ゆっくりと、目を閉じる。


(もう、失わない)


あの結末には、ならない。


誰も。


何も。


「……これが」


目を開く。


その瞳には、強い光が宿っていた。


「私の選んだ未来」


静かに、そう告げる。


扉の向こうから、足音がする。


振り返ると、あの青年が立っていた。


「……終わったか」


「ええ」


リリアーナは、わずかに微笑む。


「すべて」


「そうか」


青年は、少しだけ肩の力を抜く。


「で?」


腕を組む。


「これからどうする」


その問いに。


リリアーナは、少しだけ考える素振りを見せた。


そして。


「そうね」


ゆっくりと、歩き出す。


「やることは、変わらないわ」


「……変わらない?」


「ええ」


振り返り、静かに微笑む。


「守るだけ」


その言葉は、シンプルだった。


だが――


そこには、すべてが詰まっていた。


(すべては、計画通り)


心の中で、そう呟く。


けれど。


その先にあるものは。


もう、“計画”ではない。


「……これからは」


小さく息を吐く。


「自由に、ね」


その言葉とともに。


リリアーナは、歩き出した。


新しい未来へと。

ここまで読んでくださってありがとうございます!

最後まで読んでいただけた方は、ぜひブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです✨

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ