啓蟄〈3/3〉
二十四節季の一季につき3話で展開していきます。
そのため、全72話になる予定です。
小説を書くのはこれが初めてなんで温かい目で見てください。
一週間の終わりを感じる金曜日、足立先生が言った。
「お前ら、体育祭まで一ヶ月を切ったぞ。」
「俺は大概のことがどうでもいい」
「が、」
「体育祭だけは必ず勝て!」
足立先生がこんなにやる気に満ちているのは今まで見たことがない。
平山が聞いた。
「俺達って何組なんですか?」
体育祭は5つの色で組分けがされる。
赤、青、緑、黄、桃の5つだ。
足立先生が呆れた顔で言う。
「平山〜お前最後まで話を聞け、」
「今から説明する。」
「俺達βクラスは今年は青組だ。」
「そこで、体育祭に当たって種目決めをしなければいけない。」
「だから、今日の時間割は体力測定をするんだが、」
「この中で運動部に入ってるやつ手を挙げてくれ、」
クラスでチラホラと手が挙がった。
手を挙げた人を足立先生はメモした。
「それじゃあ、1時間目から校庭に出て体力測定やってくぞー」
そうして生徒は全員更衣室に着替えに行った。
更衣室につくと平山が言った。
「なぁ!節峰、お前中学の時は何部だったんだ?」
「一応、剣道部だったよ、」
「へぇ〜剣道か!かっこいいな!」
俺は早く更衣室に着いたこともあり、皆より早くグラウンドへ言った。
グラウンドへ着くと陸上部の新田 千紗と浅野 百合香がストレッチをしていた。
「さすが陸上部だな。」
つい口から出てしまった。
すると、後ろから声がした。
「なんだ?節峰。」
「お前まさか、あー言うのがタイプなのか?」
また、足立先生が後ろに立っていた。
すごい顔がニヤニヤしていて気持ちが悪かった。
「違いますよ。」
「陸上部の人が皆より早く来てストレッチしてたんですごいなぁと思っただけです。」
「なんだぁつまんねぇーの。」
「お前は男じゃねぇなぁ、」
「はぁ、」
足立先生が勝手に勘違いしただけなのになんでため息までされなきゃいけないのか…。
ものすごく腹がっ立ったが表には出さないようにした。
新田が俺に気づいた。
「節峰…お前も一緒にストレッチするか?」
「ストレッチは怪我の予防にもなるからいいぞ!」
せっかく誘ってくれしやることにした。
ストレッチとは正しいやり方で行うと意外と汗がかくのだと知った。
クラスの人も続々と校庭につき話し始めた。
「じゃあ今から100メートル測定していくぞー」
そうして出席番号順二列に並ばされた。
この並ぶときが一番緊張したりする。
隣はサッカー部の冴島 稜だった。
「フッ、節峰か…よろしく」
冴島は俺のことを見るなり鼻で笑った。
正直に少しイラッときた。
「よろしく、冴島くん!」
今では帰宅部だが青ヶ島にいた時はかなり運動していた。
部活の剣道では県大会ベスト4までのし上がった実力もある。
だから、その時に練習として行っていた砂浜ダッシュがどこまで都会で通用するか…。
「それでは、ヨーイ、ドン!」
1組目がスタートした。
周囲がざわついた。
「陸上部の浅野はやっぱはやいなぁ〜」
浅野さんのタイムは12.15だった。
浅野さんはここら辺では足が速いで有名だ。
中学では何度も県大会に出場し良い結果を残している。
冴島くんが聞いてきた。
「節峰は中学の部活は何をしてたんだい?」
さっきも聞いたような質問だった。
「剣道部……」
また鼻で笑われた。
そして、8組目になった。
「いちに着いて、ヨーイ、ドン!」
異変に気づいたのはスタートして少したったぐらいだった。
冴島が目の前にいなかった。
そのままゴールした。
タイムが告げられた。
「10.64!?」
周囲が唖然とした。
少し立つと一気に歓声が上がった。
平山が近づいてきた。
「うおぉぉぉお!さだみねぇぇえ!お前足早かったんだな!」
そう言って頭をガシガシされた。
冴島もゴールした。
「11.74!」
冴島がこっちを睨んいる。
俺はそっと目をそむけそのまま次の測定に行った。
握力測定の列に並んでいる時、平山と柊さんの番が来た。
「ヨーイ、ドン!」
一斉に走り出し平山のほうが少し早くゴールした。
柊も結構足速いんだなと思った。
それから長座体前屈、投球、と受けていき教室に戻った。
「うわぁ疲れたぁ、」
「節峰、一緒にジュース買いに行こうぜぇ」
平山はだいぶ疲れているらしい…。
自販機に着くと見覚えのある男子生徒がいた。
その子はジュースを一つ買った。
「節峰〜お前は何にする?」
帰ろうとした男子生徒は立ち止まった。
「節峰…………。」
「もしかして、節峰 五季さんですか?」
そう言って近づいてきた。
「は、はい。君は?」
あの病院にいた理由。
どこなく誰かに似ている顔立ちの理由。
すべてが繋がった。
「隼人…白崎 隼人です。」
「白崎 彩音の弟です。」
俺と平山は固まった。
「し、白崎さんって弟いたんだ…。」
「節峰さん、放課後…少し話してもいいですか?」
平山はそれを聞くと少し機嫌が悪くなった。
「ちょっと待てよ…いつも鈍感な俺でも流石に気づいたよ…、」
「白崎さんの事故の件だろ?」
「俺もその件に関しては知りたい、教えてくれ!」
平山はいい奴だ結して嫌がらせをしたいわけではないのは分かる。
しかし、白崎さんが教えてくれたことを誰にでも教えることはできない。
岩倉をいじめたり、白崎を突き落とした犯人は同じ学校にいるはず。
そのため、どこから情報が抜けるかわからない今、平山にこの事は言えない。
そんな事を考えてると、隼人くんが言った。
「ね、姉ちゃんのこと?」
「節峰さん清掃部ですよね?」
「僕も清掃部なんです!なんで、ちょっと放課後話しませんか?」
平山は恥ずかしそうに顔を隠した。
「ご、ごめん〜…めっちゃ恥ずかしいぃ///」
「悪い!俺先に教室戻るわ!」
そう言って平山は戻ってしまった。
「それで…隼人くん、」
「隼人せいいです。」
「じゃあ、隼人…部活のことって?」
隼人はクスッと笑った。
「あれは冗談!本当はさっきの人が言っていた通り姉ちゃんのことだよ!」
「ちなみに、清掃部ってところは嘘じゃないから!よろしく!」
このどこか掴めない感じやそこの見えなさは間違いなく白崎さんの弟だ。
「姉ちゃんから色々聞いてるとは思うんだけど、」
「僕は姉ちゃんにこんな事したやつを許せないんだ、」
「だから、節峰…一緒に犯人を探さないか?」
俺は聞いた。
「なんで俺のなの?」
隼人はすぐに答えた。
「姉ちゃんが一番信用できるってこの前言ってたから。」
俺は悩んだ。
学校内のいじめはどうしても警察や先生では解決できないことが多い…。
そんなことに首を突っ込んでしまったら碌なことにならない。
白崎さんがいい例だ。
「隼人くんは怖くないの?」
隼人くんは笑った。
その笑みには怒りと憎しみなどはない。
純粋な復讐心だけがあるように感じた。
「怖くなんてないさ、」
「だって僕は、これからそいつらを怖がらせる側なんだから…」
俺はその圧倒的復讐心に乗ることにした。
「いいよ、俺も手伝うよ…」
俺の学校生活がここを始点として変わり始めた気がた…。
72話のラストまで
ゆっくり読んでいただけると幸いです。




