啓蟄〈2/3〉
二十四節季の一季につき3話で展開していきます。
そのため、全72話になる予定です。
小説を書くのはこれが初めてなんで温かい目で見てください。
事件から3日が経った。
あれからすぐ白崎さんは病院で目を覚まし、今は治療を受けている。
学校にはどこか静けさがあった。
足立先生が教壇に立った。
「なんだぁ?お前ら。」
「いつも騒がしいのにやたら静かじゃねぇか。」
「隣のクラスのことだ。お前らには関係ねぇよ、元気出せ!」
足立先生がそんなこと言ってくれるとは思わなかった。
いつもと何も変わらない日々…。
その中で俺は1人緊張していていた。
「つ、ついに今日か…、」
今日は白崎さんとの面会日だ。
意識を取り戻した白崎さんが俺に話したいことがあると言ったらしい。
「一体何のことなんだろう、」
最初は事件についてのこと思っていた。
が、結局、白崎さんが倒れていたのは転倒して頭を強打したのが原因だったらしい。
警察も事件性がないとみて詳しい捜査はしないまま終わった。
「となると一体何だぁ〜」
そんな事を言いながら悩んでいると加奈山さんが話しかけてきた。
「さ、節峰くん?大丈夫?すごい疲れてそうだけど?」
「だ、大丈夫だよ!加奈山さん!」
正直、疲れている。
いや、疲れていないほうがおかしい。
まだ15歳の子供が同い年のあんな悲惨な姿を目撃したんだ。
一生残るトラウマになっててもおかしくない。
「じゃあ、俺は今日は用事あるから、悪いけど加奈山さん委員会の仕事頼んでも平気?」
加奈山さんは元気よく答えた。
「はい!任せてください!」
俺はそんな加奈山さんを見ながら安心して白崎さんのいる病院へ向かった。
病院先は学校の近くの日暮里駅から徒歩数分にある『間川病院』だ。
病院につくと受付へ向かった。
「すみません。16時から白崎 彩音さんと面会予定の節峰 五季です。」
受付の人はパソコンで面会予定を確認し、俺を白崎さんのいる7階の部屋の前まで連れて行った。
ドアの前にたった瞬間一気に緊張してきた。
あんな事があってしっかり顔を見て話せるのだろうか…。
そんな事を考えながらノックしドアを開けた。
「やぁ、節峰くん。待ってたよ。」
そこには頭と左足に包帯を巻いた白崎さんがいた。
「少し話をしようか…」
「1人で少し退屈だったんだよ。」
そう言った彼女はどこか儚さを感じられた。
「大丈夫なの?その、体の具合とかは…」
白崎さんはクスッと笑った。
「この状況を見てそんな事がよく言えるねぇ、」
「見ての通り具合は最悪…」
「ごめん、そんなつもりで言ったんじゃ…」
「分かってるよ!気にしないで!」
元気なように振る舞っているがきっと相当辛いのだろう。
俺は白崎さんのことを信じきれずにいる。
岩倉の件もそうだが、何より腹の底が見えない…。
「今なら聞いてもいいか?」
白崎さんは首を傾げた。
「何をかな?」
白崎さんは首を傾げながらクスッと笑った。
「惚けられるのもここまでのようだね。」
「いいよ。岩倉くんの件の真相を話すよ。」
「その前に、カーテンを閉めてもらえると助かるな、」
俺はカーテンを閉め白崎さんがいるベッドの横のの椅子に座り話が始まった。
「まず、俺から聞かせてくれ。」
「岩倉が不登校になった原因って何なんだ?」
「白崎さんは知っているんだろ?」
白崎さんはさっきまでの微笑みが消え話し始めた。
「岩倉くんは『いじめ』をうけていたんだよ。」
「それも、かなり悪質なね、」
「私はそれの目撃者だったんだ。」
「だから、岩倉くんがどうしていじめられたのかも知ってるし、何が原因でそうなったかも知ってる」
俺は訪ねた。
「そのいじめられた原因ってのは何だったの?」
白崎さんがは答えた。
「それを私の口から言うことはできない…。」
「私が岩倉のいじめを目撃したことで私もその人に脅されてるからね、」
俺は首を傾げた。
「俺はてっきり白崎さんが岩倉をいじめてたとばっかり思ってた、ごめん」
「でもそれじゃあなんであの日、岩倉の家に白崎さんはわざわざ行ったんだ?」
白崎さんは俺の顔をジッと見た。
「岩倉を安心させるためだよ。」
「岩倉が受けていたいじめは主にチャットアプリでの悪口や陰口、脅迫等だ。」
「だから、いくら岩倉をスマホのチャットアプリ越しで言っても疑心暗鬼になってる彼は心を開かない。」
「だから、手紙を書いて岩倉くんの家のポストに入れたかったんだ。」
「手紙を書いたあとに住所を知らないことに気づいたときは焦ったけど、」
俺はふと疑問に思った。
「わざわざ俺と平山を使った理由って?」
「平山くんはそもそも使おうと思っていたけど、君は予想外だったよ!」
「けど、ちょうどよかったのかもね……」
「ちょ、ちょうどいい?何のこと?」
白崎さんは体を伸ばし窓の外を見た。
そして、俺の方を振り向いた。
「私のこの怪我は誰かによってつけられたものだ。」
「犯人のことを私から口にすることはできない。」
「だから節峰くん、頑張ってね!」
そこで面会時間がきて俺は部屋の外へ出された。
「トイレにでも寄って帰るか。」
ドンッ!
角を曲がったら男の子にぶつかった。
「すみません。大丈夫ですか?」
そう言って俺は手を差し伸べた。
「ありがとうございます、」
同じ学校だろうか、来ている制服がうちの学校のものだった。
男の子は立ち上がり服を整えた。
「すみません、」
そのまま、行ってしまった。
同い年だろうか…、結構年も近いように感じた。
「今の子、どっかで見たことあるようなぁ、」
しかし、思い出せなかった。
病院を出ると、まだ日は出ていた。
最近、日光の温かさが増した気がする。
「夏がもう近いのかもな…。」
そんなことをつぶやきながら帰った。
72話のラストまで
ゆっくり読んでいただけると幸いです。




