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二十死節季  作者: uparupa
7/9

啓蟄〈1/3〉

二十四節季の一季につき3話で展開していきます。

そのため、全72話になる予定です。

小説を書くのはこれが初めてなんで温かい目で見てください。

桜が散り、葉の緑が生い茂り始め風が夏を感じさせる。

あの後、白崎(しらさき)さんとの一件については平山(ひらやま)にしっかりと説明した。

平山はかなりショックを受けていたが3日ほどですぐに忘れたように元気になった。

あれ以降……白崎さんとは会ってはいない。

学校には来ているしすれ違うこともある。

しかし、話したりはせず目も合わせないままだ。

最近は、このまま時間だけが過ぎていくのを待つだけでいいのだろうかと考えていた。


「はぁ、」


ため息をした。

1人でお弁当を食べているせいか、深く考えてため息をしてしまう。


「ため息なんてしてどうしたんですか?」


横を見るとそこには加奈山(かなやま)さんがいた。


節峰(さだみね)くんがため息ついてるなんて珍しいですね、」

「私で良かったら相談にのりましょうか?」


加奈山さんはいつも(ひいらぎ)さんと一緒にいることが多いため喋ることはほとんどない。

しかし、体育祭の準備が始まり柊さんが応援団でいない日は一緒に話すことが多くなった。


「ちょっと、最近悩んでることがあるんだけど……」


白崎さんのことを言おうとした。

しかし、この事を話したことで加奈山さんまで巻き込んでしまうかもしれないと思い口を止めた。


「……やっぱ、大丈夫!ごめんね、」


加奈山さんはジッとこっちを見つめた。


「無理はしないようにしてくださいね。」


そう言って教室へ戻っていった。

さて、ここからどうするべきなのかと考えた。

岩倉が何をされたのか知らないが、不登校になってしまったのは事実。

そして、それには白崎さんが関わっている。


「やっぱり、本人に聞くしかないかぁ、」


そうして放課後にα(アルファ)クラスへ向かった。


「すみません、白崎さんいますか?」


鋭い目つきの男子生徒がこっちに向かって来た。

この人も学年委員の集まりにいた人だ。

身長が高く怖そうな見た目だったので覚えている。

確か名前は出嶋(いでしま) (かい)だ。


「誰だ?なんのようだ?」


俺より身長が高いせいかすごい圧を感じる…。


「さ、節峰 五季です……」


誰にでも話せるよなことではないため躊躇ってしまった…。


「節峰、節峰か、もしかしてβ(ベータ)クラス学年委員の?」


どうやら相手も覚えていてくれたらしい。


「は、はい…。」


出嶋は申し訳なさそうな顔をした。


「悪いがそれは後にしてくれ、」

「俺も今、白崎を探してるんところなんだ。」

「白崎のやつ昼休みから教室に帰ってきてないんだ…。」


岩倉の不登校ことを思い出し不安になった。


「あの、白崎さんは応援団だったりしますか?」


出嶋は首を横に振った。


「いや、白崎は応援団などの役職にはついてない。」

「放課後先生から呼び出されているのを忘れているのか…」

「節峰、少し悪いが俺はもう先生のところに行かなければいけない。」

「俺が先生と話している間白崎を探しにいってくれないか?」


俺はすぐに答えた。


「分かった!」


そう言って校舎内を見て回ったがどこにもいなかった。


「もしかして、校庭にでもでたのか…」


校庭を見に行ったが、どこに白崎さんの姿はなかった。


「部活動は今日はやっていないんだな…」


その時、ふと横を見ると野球部のボールが落ちていいた。


「野球部が拾い忘れたのか…?」


そう言ってボールのところへ向かった。

ボールを拾った。


「あとで、平山にでも渡しておこう…」


ポタッ⋯⋯⋯


腰を上げたその時、頭に水滴のようなものが垂れた感覚があった。

今日の天気は晴れ雨なんて降るはずもない。

不思議に思い空を見上げた。

頭上には校舎横の鉄格子で非常階段しかない。

非常階段は立入禁止の看板があり今は登ることはできない。

俺は水滴が当たった部分を手で拭い白崎を再び探しに行こうとした。

拭った手には赤色の液体がついていた。


「うわぁぁあ!な、何だよ!これ!」

「血…?」


ドッキリなどではないことはすぐに分かった。

なぜなら、その赤い液体にはかすかな金属製の生臭い香りがしたからだ。


「ってことはまさか!」


俺はすぐに立入禁止の看板を横に押し倒し貼ってあるビニールテープを破き非常階段を全速力で登った。

カンカンという足音の後にギシギシという音がなる。

今にも壊れそうな非常階段を登った先には頭から血を流し倒れている白崎さんがいた。


「白崎さん!白崎さん!」


そう言いながら体を揺すぶった。

しかし、白崎さんは目を覚まさない。

俺はすぐに携帯電話で119番へ電話かけた。

電話はすぐに出た。


「救急です!あ、あの、今桜星(ろうせい)高校にいるんですけど、」

「女子生徒が頭から血を出して倒れていて、急いできてください!」


司令管制員の人が答えた。


「落ち着いてください。自分の名前と電話番号をお願いします。」


人は緊急事態によりパニックを起こすと冷静に物事を判断することができなくなるのだと感じた。


「節峰です!節峰 五木!電話番号は⋯⋯⋯〇〇〇ー△△△△ー✕✕✕✕です!」


それを答えると携帯を地面においた。


「な、なにかしたほうが…!ど、どうすればいいですか?」


司令管制員の人が聞いた。


「今は1人ですか?」


俺はすぐに答える。


「はい!」


司令管制員の人は言った。


「近くに先生や大人の方はいますか?」


周囲を見渡したが立ち入り禁止の場所のため誰もいない。

今日に限って部活もやっていないため声が届く範囲に他の生徒もいない。


「誰もいないです!」


司令管制員の人がこっちの情報を把握したのか口調が変わった。


「今、タオルやハンカチなどはありますか?」

「あるなら、出血部をそれで抑えてください!」

「そして、なるべく声をかけ続けてください!」

「下手に動かさず、その状態にしておいてください!」

「もう少しで救急隊が到着しますので!」


俺は司令管制員の人の通りポッケに入っていたハンカチで出血部を抑え、救急隊の到着を待った。

タオルについた血はオレの心の不安感を増幅させた。

数分後救急車が到着した。

赤く照らすサイレンの光は、手だけではなくから俺の全身を赤く照らした。

救急隊の人に手についた血を洗い流すよう言われた。

ひねった蛇口は赤く染まり出てきた水も俺の手に当たることで赤く濁り下へ流れていく。


「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯。」


黙り込み、俺はその情景を目に焼き付けた。

白崎さんが救急車に運ばれている間、俺は第一発見者として学校の相談室を使い事情聴取を受けた。

周囲には多くの生徒は全員帰宅となり、先生は職員室へ待機となった。

相談室の窓から外が見えた。

そこには大勢の地域住民の人が駆けつけいた。

救急隊の人が訪ねたことを順に答えていった。

数時間後、事情聴取が終わり外へ出た。

夕日はとっくに沈んでおり、街灯の光が住宅街をほんのりと照らしていた。

72話のラストまで

ゆっくり読んでいただけると幸いです。

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