雨水〈2/3〉
二十四節季の一季につき3話で展開していきます。
そのため、全72話になる予定です。
小説を書くのはこれが初めてなんで温かい目で見てください。
帰宅し風呂に入っていた時、今日のあったことを思い出した。
「俺に関係ある話………かぁ、」
「一体、なんの関係があるってんだよぉ」
湯気が天井に登り視界がボヤける。
いつまならリラックスできるこの状況も今は少しも落ち着けない…。
「これも全部、『あの話』が気になるせいだ!」
俺は浸かっていた体を勢いよく上げ、タオルで体を拭きすぐに外着に着替えた。
「こうなったら自分の目で確かめてやる」
春にはなったがまだ外は少し肌寒い。
少し厚着をし、本日二度目の登校をした。
学校の前まで到着した。
毎朝登校している学校とは雰囲気がぜんぜん違う。
「21時まで何もなかったら帰るか…。いくら高校生と言っても、夜遅くに外に出るのは危険だしな…、」
学校の前にある電信柱の後ろで隠れながら俺はその人が来るのを待った。
絶対にこの目で見て確かめるという思いが増していた。
学校の正門は入れないようバリケードとして1.5メートルほどの柵が置いてある。
その時、肩に手が触れた。
「やぁ、節峰君!こんな時間に学校に用事かな?」
ビクッとなり後ろを振り向いた。
そこには白崎さんが立っていた。
「ビックリしたぁ〜、白崎さんがなんで?」
白崎さんは不思議そうな顔をした。
「ここうちの近所で塾の帰り道なんだけど……言ってなかったっけ?」
そんなことを言っていた気がする。
「ところで君は『あの話』の件で今こんな時間なのに学校前にいるってことで正解?」
「それとも、早めに登校しすぎたとか?」
片方の選択肢は完全に俺をおちょくっているものだった。
「そうだよ。『あの話』の件できたんだよ。」
白崎さんはクスッと笑って言った。
「こんなところに隠れていてもすぐにバレちゃうよ?」
「隠れるならアソコだね。」
そう言って指を指した先には二階建てのアパートがあった。
アパートの階段を登り、2階のフェンスの間から確認することにした。
悔しいが、そっちの方が明らかにバレずに見ることができる。
「あ、頭いいね、白崎さん…。」
褒めた俺を見てありがとうと言ったようにニコっと笑った。
今の時間ポケットに入れたスマホで確認した。
時刻は19:49だった。もう少しで20:00を回る…。
その時、白崎さんが言う。
「ねぇ、なんで私が『君に関係ある話』って言ったんだと思う?」
今思えば言った本人が隣りにいいるのだから直接聞けばよかったと気づいた。
「分からないから、今ここにいるんじゃ?」
白崎さんはクスッと笑い言った。
「私から聞くよりも直接見た方がいいからって言うまでもなかったようだね、」
俺は言った。
「誰のせいっ…………」
白崎さんは口に右手の人差し指を当てた。
「シィッ⋯⋯」
薄暗いほど静かな住宅街に音が響く。
コツッ…コツッ⋯コツッ⋯
黒いフードを深くまで被った人が来た。
多分、『あの話』に出てきた人だろう…。
背格好や体格を見る限り男だろう。
フードの男は周囲をキョロキョロ確認し学校のフェンスに手をかけた。
ガンッ⋯ガンッ⋯ガシャンッ!
フェンスを登っていく男を見て俺は飛び出そうとした。
しかし、白崎さんに腕を捕まれた。
白崎さんが小さい声で話す。
「まだ早い…。」
「あいつが学校に入ったら私達も学校に入って現場を取り押さえる方が良い…」
「今行って正体を知っても惚けられたら終わりだよ…!」
白崎さんの言うことはたしかに筋が通っていた。
俺は再びしゃがみ、フードの男が学校に入っていくことを確認した。
「もう、行ったな…」
「よし!学校の中に入ろう。」
ガンッ⋯ガンッ⋯ガシャンッ!
フェンスを登り学校の中に侵入した。
夜の学校は暗く、不気味だった。
「学校の敷地内に入ったのは良いけど、こっからどうやって校舎内に入るんだ?」
入口や一階の窓を順に調べていったが入れそうなスペースはどこにもなかった。
あのフードの男はどこから入ったのだろう。
白崎さんが肩をポンポンと叩いた。
「二階のあの窓、空いてるんじゃない?」
夜風に当てられカーテンが外に出ていた。
駐輪場の屋根に登ればなんとか届く高さだった。
ジャンプし屋根に手をかけ足を上げ上へ登った。
白崎さんは身長的に屋根に手が届かないため待っててもらうことにした。
「私はここまでのようだね。」
「これだけは持っていくと良い」
白崎さんは懐中電灯を渡してきた。
「白崎さん、ありがとう。」
窓に手をかけ自分の体を持ち上げ侵入した。
窓は廊下につながっていたらしい。
「それじゃあ、2階から見ていくか…」
2階には化学室、生物室、音楽室、1年生の教室、コピー室、家庭科室、職員室がある。
しかし、2階を散策したがほとんどの教室が鍵が閉まっていた。
唯一空いていた職員室も人の気配はなく誰もいなかった。
念の為、職員室から清掃部の鍵をとった。
「1階を散策するか…」
怖いがそれ以上に男の正体が気になっていた。
1階には各部室、保健室、体育館、体育倉庫、3年の教室、校長室、会議室がある。
部室に到着した。
片手は懐中電灯で鍵穴照らし、鍵を入れて開けた。
部室にわざわざ向かったのには理由がある。
まず、職員室に鍵がかかってなかったのはすでにフードの男が職員室の鍵を保持していたからだろう。
つまり、フードの男がどこかの教室の鍵を盗んだということだろう。
そうなると本人はどっかの部屋で何かを探していると考えるのが必然だ。
けど、男が鍵を持っていたら俺はその部屋には入れないだろう。
だから、『マスターキー』が必要だった。
しかし、うちの学校は『マスターキー』を職員室に置いてはいない。
なら、どこに『マスターキー』があるのか……それは、この『清掃部の部室』だ。
部活動で様々な部屋に行く清掃部に『マスターキー』は渡してある。
「たしか、中央の机のカレンダーの横の筒の中に入ってたはず…………あった!」
「青宮先輩ごめんなさい……。」
そう言って清掃部の部室を後にした。
1階は散策したが人の気配はない。
残るのは3階だけだった。
懐中電灯の明かりがぶれる…手が震えている……その手を片手で抑えるがその手も震えていた。
3階に到着した。
行ったことがある部屋の明かりが着いていた。
「よりにもよってこの部屋か…、」
音がならないようドアに触れ開けようとしてみたがやはり鍵は閉まっていた。
この先にフードの男がいる。
ここまで来て引くわけには行かない。
『マスターキー』を手に鍵穴へ入れた。
ガチャ………。
鍵が開いた。
ドタッ…ドタン!ガタッガガ………!
中で音が聞こえる。
扉を勢いよく開けた。
そこにフードの男がいた。
「お、お前は!?」
そこにいたのは……
72話のラストまで
ゆっくり読んでいただけると幸いです。




