立春〈2/3〉
二十四節季の一季につき3話で展開していきます。
そのため、全72話になる予定です。
小説を書くのはこれが初めてなんで温かい目で見てください。
東京都立桜星高等学校には部活動が多く存在する。
そのため、入学式が終わった次の日からは新入生の勧誘がすごい。
朝校門の前を通ろうとすると必ず声をかけられる。
「君!サッカーには興味ない?」
「これ、うちの部活のチラシです!」
朝からよくこんな大声を出せるなと呆れを通り過ぎ関心まで覚える。
「すみません、通ります。」
なんで毎朝こんな事になっているのかとつくづく思う。
教室に向かうと加奈山さんが配布プリントを机においていた。
「おはようございます。節峰さん。朝早いですね!まだ他に誰も来てないのに…」
誰もいない教室で二人きり。
健全な男子高校生ならなにか意識してしまったりするのかもしれない。
「おはよう。加奈山さんこそこんな朝早くから偉いね!」
そう言って自分の席に荷物を置いた。
「ちなみに節峰さんは部活何にするかもう決めましたか?」
入学式の日の放課後に足立先生に言われたことを思い出した。
「俺は特に入りたい部活はないんだけど、足立先生に言われて清掃部の体験入部は行く予定だね。」
そうすると、加奈山さんは不思議そうな顔をした。
それもそうだ。掃除なんてことを部活でやって誰が喜ぶんだって話だ。
「清掃部というのは知りませんが、私は吹奏楽部か華道部に入りたいと考えています。」
「華道部には私のお姉ちゃんも所属しているんですよ!」
姉妹揃ってこの学校を選んだのは『ザ・地元民』だなと感じた。
俺にも兄弟がいれば少しは寂しくなくなるかなという考えがよぎった。
「おはよ〜2人とも朝早いねぇ、」
そう言って入ってきたのは柊さんだ。
入学してクラスの仲の良い人たちだけで構成されたグループが作られ始めた。
女子18人、男子12人のうちのクラスでは女子の勢力が強い。
その中でも中心と言えるのが柊さんのグループだ。
「ねぇ、碧莉。昨日の数学の宿題やり忘れたから写させてくんない?」
正直まともに話したことないのにこんな事を思うのも何だが、柊さんの性格は敵を作りやすいと感じた。
自分のことを最優先するタイプの思考の持ち主なため、周囲の人から嫌われることが多いだろう。
けど、その分男子にはっきり言えるところが女子から信頼される理由の一つだったりもする。
しばらくすると他のクラスメイトも続々とクラスに集まり始め、朝のホームルームが始まった…
「んー…。えっとまぁ特に連絡とかはないが、お前らが入学してもう五日だ。」
「来週には、もう体験入部期間が始まり、いよいよ高校生って感じだ。」
「くれぐれも、ハメを外しすぎて問題行動を起こしたなんてことはないようにしろよ?」
「まぁ、俺はお前らを信頼してるから裏切ったりするなよ…。それじゃ号令!」
体験入部の話の時、一瞬先生と目があったような気がした…が多分、気のせいだろう。
ホームルームが終わり平山がすごい勢い話しかけてきた。
「なぁ五季!放課後クラスの男子5人くらいでカラオケするんだけど、お前もよかったら一緒にどうだ?」
平山は今週ずっと俺のことを遊びに誘ってきてくれる。
しかし、なかなか予定が合うことがないため断っている。
今日は特にこれといった用事もないし、行ってみるか……。
「いいね!楽しそう!本当に俺も一緒に行っていいの?」
平山は俺の両方を手で抑え体を前後に揺らした。
「やった!やった!ようやく五季と遊べるぜ!ナイスすぎるよお前〜!」
「それじゃあ、放課後14時に『日暮里駅』近くのコンビニ集合な!」
そう言ってすぐに帰ってしまった。
今日は放課後残れなくなったため教室の戸締まりは加奈山さんに頼むことにした。
家に帰って昼食をとり、すぐに着替え日暮里駅へと向かった。
「よぉ!思ったよりも早かったな!五季。」
遅れてはいけないと思い30分前に駅についたのにもかかわらず平山がいた。
「あれ?もういるの?まだ13時32分だよ?」
平山は少し汗をかいていた。
「まぁな!用事があって先に来てたんだ!それよりも今日は楽しもうぜ!」
きっと、皆が来た時待ち合わせ場所がすぐにわかるようにしてくれたのだろう。
平山はいいやつだなと感心した。
14時00分になり6人全員揃ったので近くのカラオケに向かった。
「よしっ!到着だな!荷物とかはこっちに置いてくれ!」
平山は部屋の角に荷物をまとめた。
そしてじゃんけんをして誰が飲み物を取りに行くかを決めた。
見事な1人負けをしてしまった俺が結局とりに行くこととなった。
「まさか負けちゃうなんてなぁ〜運がついてないなぁ、」
そう言って飲み物を全員分入れていると横に見覚えのある人がいた。
加奈山さんだ。
「あ、あれ?節峰くん?どうしてここに?」
制服姿で手にはたくさんのコップ…。
なるほど、学校から直で来たらしい。
そして、俺と似たような状況らしい。
「俺は平山に誘われて来たんだ。」
「加奈山さんこそどうしてここに?」
加奈山さんは少し考えてからすぐに答えた。
「私も、そうです!友達と一緒に遊んでて、奇遇ですね!」
そんな話をしている間に飲み物を全員分注ぎ終わり俺も加奈山さんも自分たちの部屋へ戻っていった。
部屋に帰りドアを開けるとさっそく皆が歌い始めていた。
「ありがとう!」
「サンキュー!」
そう言って各自持ってきた飲み物を飲み始めた。
それから数分後、一緒にカラオケに来ていた岩倉 大輔がトイレに行った。
歌うのに夢中ですっかり岩倉がトイレに行ったことを忘れていた時、岩倉は帰ってきた。
「お、俺ちょっとみたいアニメがあるから今日は帰ることにするよ。」
「これ、お金…払っておいてくれ!じゃあな、」
そう言って帰ってしまった。
カラオケ内は暗くて少し分かりにくかったが、岩倉はすごい汗をかいていた。
きっと、それほど岩倉にとって大事なアニメなのだろうと思った。
そして、時間はあっという間に過ぎ解散した。
俺と平山は家が同じ方向のため途中まで一緒に帰ることになった。
その時に平山が空を見ながらこうボソッと言った。
「岩倉のやつ、友達と遊ぶよりもアニメかよ」
俺は否定も肯定もしなかった。
頭の中で何かが引っ掛かるような気はしたが気のせいだろう…
72話のラストまで
ゆっくり読んでいただけると幸いです。




