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僕の異世界転生記~長い物には巻かれよう~  作者: 榛名のの(春夏冬)
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第4話 ユーマ流外堀の埋め方

ユーマ様に騎士団食堂の昼食だけをレベリング遠征に行くまでの期間作ってほしいと依頼されて コッソリ作ること5日目。

アイベルン副隊長に見つかった。監視されながら野菜の肉巻きを作ってオーク汁も汁から具がてんこ盛り生えているくらい作った。米はおばさん達が炊くからサササーーッと屋敷に戻ると、イスマール父上に力いっぱい抱きしめられた。


「美味しいぞ!あんなにフワフワなとろけるような菓子は初めて食べた!でも半分以上ユーマに食べられた」


花みたいないい匂いがするイスマール父上の胸から必死に顔を反らして窒息の危機から逃れた僕はイスマール父上にやっとお祝いの言葉を伝えた。


「ちちうえ、たんじょうびおめでとうございます!ロールケーキはよるサーヴしようとおもってたのにな。…おいしかったらよかったです!」


後はプレゼントにスカーフを隠してある。侍女頭のユリアンさんに隠す場所はお任せした。


 ユーマ様がこちらに歩いてきた。


「アスコット!あの菓子、たくさん作ってほしい!」


「いまから?!」


「頼む!」


「なまクリームたりるかなあ」


「足りないのはそれだけか?」


「なんこつくるの?」


「46本だ!」


「うひゃー!タマゴたりないよ!」


「他は?!」


「たぶん、ある」


それから、めちゃくちゃ忙しくて昼ごはん食べてないのに気付いたのは、お腹がなり始めてからだった。侍女頭のユリアンが剥いた果物をせっせと僕の口にサーヴしてくれたので何とか空腹で倒れる危機を乗り越えることが出来た。

食紅と抹茶の粉があったのでいろんな模様にしてあげたら、ユリアンとシェフのメバルが一番綺麗な模様のをディナー用に着服していた。追加でもう1本分焼いて粗熱を大きなトレーで扇いで冷ましているとディナーが始まったらしくメバルにワゴンに載せられて食堂に連れて行かれた。それをみた全員が吹き出していた。

 今日のゲストは辺境騎士団の騎士団長と副団長の二人だけだった。

今日は鴨肉のローストにオレンジとルッコラのサラダ、ホタテのロールキャベツ、パンは柔らかいのからセミハードなのまで5種類。

 僕の監修ですが?

皆がガツガツ食べてて嬉しいような、もうちょっと雰囲気を楽しんで欲しかったような…あれ?イスマール父上、鴨肉食べてない。嫌いだった?僕もジビエ嫌いだったけど、全部食わなきゃ餓死するから、工夫して食べた。

ユリアンにお願いしてロールキャベツとイスマール父上の鴨肉のローストを交換してもらった。ユーマ様が狙っていたらしく半眼で睨まれた。

 イスマール父上は、ホタテのロールキャベツを嬉しそうに殲滅していた。

副団長のアイベルン様は全部食べ終わってロールケーキが出て来て素晴らしいカトラリーさばきであっという間に食べてしまわれた。


 僕と目が合う。


「全部美味しかったよ」


微笑まれて、照れていると今度は騎士団長が食べ終わった。


「食事は美味しかったけど、菓子はもうちょっと甘くない方がいい」


「気を付けます!」


アイベルン副団長がオーデル騎士団長の額を平手打ちした。


「魔境での遠征期間、貴方が一番下の隊員となるので、朝と夕食は、担当してもらいたい。よろしく頼みます。その代わりと言ってはなんですが、レベリングをお手伝いします。いかがでしょう?」


「こちらこそよろしくお願いします」


何でユーマ様が答えているの?!

 しかもイスマール父上、めちゃくちゃ笑いたいのこらえてるし、なんかはめられた気分。

そうか、今までの5日間はこの取引を引き出す為だったのか!コワッ!




 翌朝、もうバレたから堂々と騎士団食堂で食事を作っていると団員がバラバラに訪ねて来てロールケーキの御礼をプレゼントと共にしてくる。口を揃えたようにまた作ってと言うのには閉口したが、コミュニケーションが取れたのはよかった!

エメルシー辺境地帯の魔境には初めて入るから、ふんどしの緒を締めて掛かるべきだ。

 まあ、ふんどしはこの世界になさそうだけどね。

団員からのプレゼントは小銀貨1枚が、多かった。お小遣いに出来るお金が増えて嬉しい!

 まだ、来て1カ月も経たないうちに【父上お小遣いちょうだい】は、ハードルが高すぎる。

遠征期間に着る服買いに行こう!


 ハッ!町まで行く足が無い!馬借りようかな。6才児に乗れる馬…なさそう。

馬場でうろうろしてるとオーデル騎士団長に捕まえられた。


「どこか行きたいのか?馬に乗りたいなら、昨日のろーるけーきの礼に乗せてやろう」


「えんせいようのふくをかいたいから、ぼうけんしゃのみせにつれていってください。」


「ん?部屋にあるだろ?」


「あんなきれいなふくきて、まきょうにはいけないよ!」


「バァカ、普通の服じゃねぇんだよ!いろんな魔法が付与してあるから、ちょっとやそっとじゃ、破れないし、汚れない。それに、冒険者の店の服は高いんだぞ」


「なんで?ぼくがかいものいくまちはやすかったよ!」


「それは下級冒険者達の御用達だったからだろう!エメルシー辺境地帯にある魔境は他の魔境と比べ物にならないくらい危ない!上級冒険者御用達の店だから、魔法付与もそこそこな物をかけてあるが、騎士団の団服とは、天地ほど違う!それに辺境伯の息子が騎士団の中で一人だけ冒険者の服着ていたら、『あれ?大事にされてないんじゃね?』なんてウワサが流れる!やめておけ!屋敷まで送ってやる」


そこまで考えてなかった!


栗毛の馬にタンデムしてゆったり伯爵邸の敷地内を進む。


「お前が今まで一人で頑張ってきたのは何となくわかる。まずはイスマール様やユーマ様に頼ることを覚えろ。ホラ、使用人達が駆け回ってお前を探してるぞ」


「発見しました!騎士団長に攫われてた模様!アスコット様!今、お助けいたします!」


「何で俺が攫ったことになってる!ホラホラ降りろアスコット!」


先に馬から下りてから僕をヒョイと持ち上げて使用人に渡すと、オーデル騎士団長はサッと騎乗して爆走して馬場の方に帰った。


「ん、まぁあ!乱暴な!全く!アスコット様大丈夫ですか?何か意地悪されたりしませんでしたか?」


一生懸命探してくれた使用人さん達にお辞儀した。


「さがしてくれて、ありがとうございます!ぼく、かいものにいきたくて、ひとりでばばにいきました。ごめんなさい!」


「わかりました!そんな時は私共にお命じください!でも今は行けません。ユーマ様が部屋でお待ちです。…そうです。授業のお時間過ぎてます!さ、お部屋に帰ってお勉強しましょうね」


ユーマ様に土下座して謝ったら、何故か、マナーの勉強にシフトした。今朝から今までのことを微に入り細に入り事情聴取されて一番悪かったことからなおされた。

 大金をもらったら、きちんとイスマール父上に報告すること!一人小銀貨1枚でも30人以上に渡されたなら大金で無防備な子供が持ち歩く物ではないと、コンコンと言い諭された。そうだ、僕。剣も携帯してない。

無防備過ぎて笑えない。


「君は綺麗だから、ターゲットにされて金も服も体も全部売られてしまう。その時何もできなかった私達がどう思うか君は想像できるかい?」


僕は馬鹿だ!結局信用出来てないのだとこの人達を苦しめてしまうことになる。


「ごめんなさい!う、う、う」


泣いちゃった僕を子供抱っこしてイスマール父上の執務室まで連れて行ったユーマ様は僕がもらったプレゼントを全部机の上に並べさせた。

ユーマ様と二人掛かりで、プレゼントと手紙をじっくり検分してお礼の手紙を僕に書かせる物とアクセサリーなどの高級な物はアイベルン副団長を呼び返却させた。


僕はバモアさんに教わりながら、貴族の子供が書く普通の手紙を右の手首が痛くなるまで書いた。長文は初めてだったので、羽根ペンのペン先にどれだけインクをつけたらいいか最初は苦心した。


ダメにした便箋の数、15枚。

イスマール父上はそのダメにした便箋の裏を使って計算していた。



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