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なにか  作者:
2/5

だれかしら

天井に手が届くということは私が部屋に近づいたのか部屋が私に近づいたのか、そのどちらかということだ。気になってしまった体の部分がさっきから肥大して小さくなっていく、それは私自身が、それは部屋自体が。壊れてしまうから小さくならなくちゃ。大きくならないといつまでも部屋に囚われたままだ。窮屈になっていく、間のない、触れない、届かない、距離の話。そこに誰か立っているって、言ってた人から先にいなくなった。


目をつぶっていては遠退く存在に気付くことはできない。耳をふさいでしまったら近くにいる人の声が聞こえなくなるよ。それでもいいと思った。体の一部だけ外に飛び出してるみたいな。世の中の少しだけ私の中に入ってるみたいな。


少し考えれば分かることだ。少しだけ頭を働かせればそこにあったものがいつかはなくなるなんてこと気がついても良さそうなものだ。こんなに足元がおぼつかないのに腕を取られてしまった。些細な言い訳を繰り返してまるで覚えてないみたいに振る舞った。本当は覚えていた。どこからどこまでが私自身であなた自身はどこから始まってどこで終わるのか。

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