表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/100

第81話 グランシステリア王国への道

 ハリーとトントの意思を確認したアラン・スミシーは再び羽根を広げて自身の体を包むと、女性の姿に戻った。



「…本当にいいんだね?向かった先で何かあったとしても後悔はなしだよ?」


「…承知の上だ。覚悟はとっくに出来てるさ」


(私もハリーに同じだ。我々コンビなら何とかなる。そんな気がするんだ)


「フフッ、君らは本当にいい仲だね」



 アラン・スミシーがハリーたちを見て楽しそうに微笑む。対してMr.ウルヴァリンは残念そうに項垂れていた。



「はあー…折角貴重な友が出来たのに、もうお別れなんてつれないなぁ…私も一緒に行けたらなぁ」


「無茶いうなよ、Mr.ウルヴァリン。彼等には彼等のやることがあるんだし、遊びで此処に来た訳じゃないんだぞ」



 ダニーはMr.ウルヴァリンを窘めつつ、ハリーとアラン・スミシーに握手を求めた。



「ホンの僅かな時間だったが、中々興味深かったよ。もう会うことはないかもしれないが…道中気を付けてな」


「…本当にありがとう。こんな状況じゃなきゃ観光も悪くはないんだが…とにかくトントを保護してくれて助かったよ…」


(こちらこそ世話になった。ハリーと再会できたのも君らのお陰だろう)


「そういってもらえると嬉しいよ」


「うむ。ダニー君にMr.ウルヴァリン君。君らと出会えたことは私にとっても貴重な経験となった。私は放浪者(バガボンド)だから、いつかまたお目にかかるとしよう」



 ダニーが笑ってハリーらを激励する。Mr.ウルヴァリンはトントに握手を求めた。



「トント君、達者でな。私以外に「喋る黒猫」に出会えるなんて本当に嬉しかったよ」


(…まー、あんたの場合はロボットだからちょっと違うけど…またいつか会えるならハリーの言ってたように観光したいな)


「おおー!是非ともその時は案内させてくれよ!!」



 機嫌が直ったMr.ウルヴァリンは満足そうにトントの背中を撫でた。トントはくすぐったそうにしつつ、満更でもない笑顔を見せた。



「…さ、諸君。準備はいいかな?」



 アラン・スミシーは羽根を大きく広げてハリーたちに声を掛けた。ハリーとトントはアラン・スミシーの前に出る。



「ああ、頼む」


「よろしい。では…」



 そういうとアラン・スミシーは此処に来たときと同じようにハリーをお姫様抱っこした。ハリーは恥ずかしそうにしつつ、トントに自分の腕の中に来るように促す。トントは困惑しつつもハリーの腕に収まった。



「ではダニー君、Mr.ウルヴァリン君。しばしのお別れだ」


「ああ、あんたも達者でな。アラン・スミシー」


「アラン・スミシー君。今度戻ってきたら是非とも私を訪ねてくれたまえ!」


「Mr.ウルヴァリン君。その時を楽しみしてるよ」



 アラン・スミシーはダニーらに別れを告げると、羽根を羽ばたかせ、一気に上空へと飛び上がった。声を上げる間もなくハリーたちの姿は雲の向こうへと消えていった。アラン・スミシーの急激な上昇速度にダニーらは思わず呆気に取られる。



「…何というか感慨もなく、あっという間に行っちゃったな」


「…サイクロップス君、私は今、最高に感動しているよ」


「はあ?」


「自分と同じ容姿をした「喋る黒猫」に出会えたんだ。しかも二人だよ?おまけに異世界転移者(ビジター)と来た。これはストームやサラ・コナーに自慢すべきではないかね!?」


「…やめとこう…また怒られるぞ…」



 興奮するMr.ウルヴァリンに対してダニーは溜め息を付きながら冷静に突っ込む。しかしながらハリーたちが向かった上空を見て、胸の中で一期一会の友たちにエールを送っていた。



 ……………………



(まだなのか!?想像以上にキツイぞ、これ!)



 トントがハリーの腕の中でアラン・スミシーに声を掛けた。対してハリーは早くも意識が朦朧としつつある。だが、それでもトントを離すまいとしっかりと抱き締めていた。



「もうすぐだ!そろそろ光の渦が見える!」



 アラン・スミシーの言葉と共に、遥か上空に光の渦が姿を現した。



(これが…異世界へ繋がる光の渦…なんて神々しく美しいんだ…)



 光の渦を目にしてトントがポツリと呟く。アラン・スミシーは速度を緩めることなく、光の渦へと飛び込む。



「さあ、君らの仲間のいる場所へいくぞ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ