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第18話 カジノ・ロワイヤル

「ルールはどうする?」


「三本勝負といこう。二本先取した方が勝ちで」


「いや二本先取の必要はない」



 ジムが自信ありげに笑う。ジムは右手の人差し指を立ててハリーの前に出した。



「君が一本取ったら、その時点で君の勝ちとしよう」


「それでいいのか?」


「これでもプロのギャンブラーなのでね。素人相手ならこのくらいハンデを与えないと勝負にならないだろう?」



 ジムが余裕の笑みを見せる。ハリーは眉をひそめつつ、ジムの提案を受け入れた。


 改めてハリーとジムの元にカードが配られる。手札は五枚。両者に緊張が走る。

 双方の只ならぬ雰囲気に周りも気になってきたのか、気づいたらポーカーテーブルの周りにギャラリーが出来てきた。



「何枚交換する?」


「…そうだな、まずは二枚」



 ハリーは捨てるカードを二枚選んでテーブルに置く。ジムがハリーにカードの山の上から二枚取って渡した。ジムは三枚交換して互いに準備は整った。



「では勝負といこう」



 互いに手札の役を見せ合う。

 ハリーは…ワンペア。そしてジムは…フラッシュ。


 一本目はジムの勝利である。

 ジムは余裕の笑みでハリーの前に置かれたチップを自分の元に寄せた。



「コールで」



 ゲーム続行、二本目の開始である。

 ハリーがチップを席の前に置くと、再びジムがハリーに手札を五枚配る。



「さて…ハリー。大口を叩いた割には大したことないな」


「一本取ったからといって調子に乗るなよ。あんたはプロのギャンブラーなんだろ?」


「ふん、そうだな。確かに弱いものイジメは良くないな」



 ジムがハリーを嘲笑するように煽る。よく見ると周りの人間もハリーとジムのどちらが勝つか勝手に賭けを始めているようだ。


 外野の動きに構うことなく二人は勝負を続ける。次の手札の役を慎重に見定める。



「四枚交換で」



 ハリーはカードを四枚捨てて、カードの山から新しいカードを四枚受けとる。ジムは一枚交換して二本目の勝負の準備が整った。



「では二本目勝負だ」



 二本目の手札の役を見せ合う。

 ハリーは…フルハウス。ジムは…ストレート・フラッシュ。


 二本目もジムの勝利。ハリーはいよいよ後が無くなった。ハリーの前に置かれたチップを更に自分の元に寄せる。


 焦りの色を見せるハリーに対してジムはタバコを吹かしながら「ドロップ」を勧める。ハリーは首を横に振ってジムの誘いを断る。



「いやコールだ…最後の勝負といこう」


「まだ足掻くか。何度やっても同じだ、ハリー」



 ジムは不敵な笑みを浮かべてハリーに最後の手札を配った。ハリーは自分の前に残り全てのチップを置くとカードを取った。

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