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第19話 『クズ男、バイトを探す』

※短くてスマソ

「はぁ? 時給八百円?」


 アルバイト情報サイトを見て、思わず声を上げた。

 お目当てのコンビニバイトは、全てその給料だった。

 1時間働いて、800円だなんて、子供のお駄賃かよ。

 しかも、高校生だと、平日は4時間しか働けない。

 つまり、1日たったの3200円だ。

 土日は休みたいので、平日フルで働いても、月に6万ちょっとにしかならない。


「マジかよ……」


 俺はベッドで仰向けになり、天井を見つめた。

 二ヶ月後からは、月に10万円必要だ。

 なのに、このままだと月に6万しか稼げない。

 まさかバイトの給料がこんなに低いだなんて。

 こうなったら、母さんに頭を下げるか?

 いや。

 頭を下げたところで、母さんは俺を許しはしない。

 母さんのことなど何も知らなかった俺だが、それだけはわかる。


「どうする? どうすればいいんだ?」


 父方の祖父母はとっくに他界している。

 母方の祖父母には会ったこともないし、連絡先も知らない。

 親戚なんて、いるのかどうかもわからない。

 頼りにできる大人は誰もいないのだ。


 俺は寝返りを打った。

 顔の前にスマホの画面――ある募集欄が目についた。


『居酒屋店員募集! 高校生可。賄いつき』


 賄い? 賄いとはなんだ?

 俺は携帯で調べてみた。

 すると

『賄いとは、料理人が自分達のために用意する食事のことを指す』


「これだ!」


 思わず叫んだ。

 食事が出るってことは、食費が浮くってことだ。

 つまり、1日千円かかっていた食事代が、400円、いや、夕食だから600円は浮く計算になる。

 20日出勤するとして600×20で、12000円も節約できる。

 もしかしたら、朝食分も持って帰れるかもしれない。


 俺は徒歩で通える距離にある居酒屋――その募集を探した。

 すると見つけた。


『調理補助、ホールスタッフ募集! 高校生可、賄い付き 【創作居酒屋〝彩〟】』


 立地といい、条件といい、希望通りだ。

 俺はすぐに問い合わせフォームに入力して送った。

 待つこと十数分。

 来た!


『応募いただきありがとうございます。さっそく面接を行いたいのですが、希望の日時はございますでしょうか?』


 俺は少し間を置いて返事を出した。

 すぐに返すと、ガッついてると思われるからな。

 これがイケてる男の交渉術ってやつだ。


 そして数分後、返信が来た。


 面接は決まった。

 つまりアルバイトが決まったも同然だった。


 やっぱり、俺は持ってる男だった。

 イケてる男は、ピンチになっても、必ず道が開けるものだ。

 俺は、制服に着替えて、家を出た。

 証明写真を撮って、履歴書を買わなくちゃならないからな。


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