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魔女と狼  作者: 黒い龍酸
3/10

出会い

「?なぁ爺ちゃん、あいつは?」


赤髪の青年は、片手に弓を持ち、片方の手を黄緑色の髪の外套を纏う青年を指差し、近くにいた老人に質問をした。


「ん?あぁ、あの人は魔女じゃよ。なんでも、この村にある青の実を取りに来たんじゃと」

「青の実って、あの青の実?」

「あぁ。魔女の考えることはよく分からんのう。そうじゃ、兎狼(うろう)お前さん、取ってくるのを手伝ってきたらどうじゃ?」


老人は、青年、兎狼に軽い気持ちで提案をする。

兎狼は突然の提案にビックリして1歩後ずさりする。


「はぁ?なんで俺!?」

「お前さん、青の実が多く取れる場所知ってるじゃろう」


兎狼は渋い顔をし、「まぁ、そうだけど」とギリギリ老人に聞こえる声で呟いた。兎狼は心からめんどくさいと感じているのだ。

しかし老人はそんな兎狼の気持ちも分からず、青の実の多く取れる場所を知っていると聞いて、優しい笑顔をする。

そして、


「赤髪のお前でも簡単に出来る仕事じゃ、行ってこい」


と兎狼の背中を押した。

しかし、兎狼は()()という言葉に何処か嫌そうな顔をし押された反動で前に進み、やれやれと行った表情で魔女の方に歩いて行った。


「まぁ、爺ちゃんは悪気ないんだろうな。赤髪なのは、仕方ないことだし」


兎狼は小さく独り言を言う。そして魔女の近くまで行き、魔女に青の実が多く取れる場所を案内すると説明をする。

魔女は一言「助かる」と言った。

そして、兎狼と魔女は、先ほど兎狼が村に戻ってきた道を歩く。

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