出会い
「?なぁ爺ちゃん、あいつは?」
赤髪の青年は、片手に弓を持ち、片方の手を黄緑色の髪の外套を纏う青年を指差し、近くにいた老人に質問をした。
「ん?あぁ、あの人は魔女じゃよ。なんでも、この村にある青の実を取りに来たんじゃと」
「青の実って、あの青の実?」
「あぁ。魔女の考えることはよく分からんのう。そうじゃ、兎狼お前さん、取ってくるのを手伝ってきたらどうじゃ?」
老人は、青年、兎狼に軽い気持ちで提案をする。
兎狼は突然の提案にビックリして1歩後ずさりする。
「はぁ?なんで俺!?」
「お前さん、青の実が多く取れる場所知ってるじゃろう」
兎狼は渋い顔をし、「まぁ、そうだけど」とギリギリ老人に聞こえる声で呟いた。兎狼は心からめんどくさいと感じているのだ。
しかし老人はそんな兎狼の気持ちも分からず、青の実の多く取れる場所を知っていると聞いて、優しい笑顔をする。
そして、
「赤髪のお前でも簡単に出来る仕事じゃ、行ってこい」
と兎狼の背中を押した。
しかし、兎狼は赤髪という言葉に何処か嫌そうな顔をし押された反動で前に進み、やれやれと行った表情で魔女の方に歩いて行った。
「まぁ、爺ちゃんは悪気ないんだろうな。赤髪なのは、仕方ないことだし」
兎狼は小さく独り言を言う。そして魔女の近くまで行き、魔女に青の実が多く取れる場所を案内すると説明をする。
魔女は一言「助かる」と言った。
そして、兎狼と魔女は、先ほど兎狼が村に戻ってきた道を歩く。




