魔法の授業
今回は、家庭教師授業回です。
楽しんでもらえたら嬉しいです。私生活がバタバタしているため、適宜改稿します。
家庭教師のマルカス先生、フェクト先生との顔合わせを終えた次の日。
先生が家に到着すると、敷地内の広い庭に出ることになった。
庭に着くと、早速授業を始めることになった。
「では、早速始めていきましょうか。先日お話した通り私が魔法を、マルカスが戦闘技術などの身体面を担当します。」
フェクト先生は、当初の印象通り堅苦しい感じで始めた。
「はい!よろしくお願いします!」
「私の担当から始めます。とりあえず、ルーク君の適性を教えててもらってもいいでしょうか。それを知らないことには始められんせんからね。」
「はい、僕の適性は、風と水です。」
「わかりました。まずは、魔力を感じることが必要です。私の手に触れてください。」
フェクト先生は、僕に手を出す。言われるがままに手に触れると温かい何かが流れてくるのを感じる。
「何か流れてくる感覚があります。」
「それが魔力です。それを感じることができたら、あとは魔力を操作するイメージをしてみてください。」
「呑み込みが早いですね。これなら簡単な魔法ぐらいならもう使えるかもしれませんね。」
「そうなんですか?」
フェクト先生は僕の問いかけには答えず、懐からハンカチを取り出した。
「魔力の操作を鍛えるにはこれがいいですから。このハンカチを風で浮かせてみてください。」
「魔力を循環させ、体の一か所に集めてそれを放出するだけです。風を扱うのをイメージしてください。」
「やってみます。」
僕は、ハンカチを掌に載せ、言われる通りに、体に流れる魔力を循環させる。それを掌に集め放出するため、集中する。イメージは、水道の蛇口のような感じだ。
そして、一気に魔力を放出する。
その瞬間、手からありえないほどの風圧が生み出された。強い台風が掌で生み出されたみたいな感じだ。
「う、浮かせることはできたみたいです、、、、、、」
先生を見てみると、ひらひらとハンカチが落ちてくる。浮かせるというか吹き飛んでしまった。
こんなに威力が出るなんて思ってなかったな。フェクト先生だけでなくマルカス先生も目も丸くしている。
纏うモヤは、黄色に近い色なので怒っているわけではないみたいだ。
「次は、もう少し加減してみましょうか。浮かせるというより吹き飛んでしまっていますからね。一気に放出するのではなく、一定量を断続的に出すことを意識してくださいね。」
僕が出した風のせいで乱れた髪を直しながらフェクト先生はいう。
「次は、調整してやってみます。」
少し注意されたけど、先生は苦笑い程度なので大丈夫そうだ。
さっきは、一気に出しすぎたから調節する。
フッと息を吐き、集中する。
魔力を循環させて蛇口は軽くひねるイメージで、放出する。
ふわりとハンカチが浮くものの、掌から離れてしまう。
やってみると、案外むつかしい。
「その調子でいいですよ。そのまま感覚を掴むまでやってみましょうか。」
先生が言うとおりに、ハンカチを浮かせる練習を続ける。
2時間程度経っただろうか。なんとか安定してハンカチを浮かせれるようになった。そのころには、魔力がなくなってきたせいかズシリと体が重く感じていた。
「そこまで。初日でここまで魔力を扱えるようになるとは、さすがあいつの息子ですね。
では、今日のところは魔法の授業は終わりにします。」
「あ、ありがとうございました。」
魔力を限界まで使った僕はヘトヘトな状態だ。
もうこれで終わりかと思って安心して、その場に座り込む。
「よし、じゃあ次は俺の番だ!やるぞ!ルーク!」
どうやら、まだ僕に安寧の時はやってこないらしい、、、、
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