プロローグ
息抜きです。ゆっくり書きますんでよろしくお願いします。
いろんなことを考えるのが好きだった。人はなぜ生きるのかとか、異世界は存在するのかとか生きていくのに必要なものからどうでもいい事まで。暇を見つけては物思いにふける生き方をしていた。
ある日、いつものように考え事をしている時、周りへの注意が疎かになっていたのだろう。信号が赤に変わったのに気づかずにそのまま前に進んで、ちょうど死角となっていた曲がり角から来たトラックにひかれて死んだ。息が出来なくて、生暖かい赤い液体に意識が沈んだ。それが生まれ変わる前の最後の記憶だ。
そして、僕は生まれ変わった。エルフに。前世での認識通り、エルフの寿命は長い。考える事への時間が足りないと思っていた自分にとってはとても好都合だった。でも、一つ誤算があった。エルフにとっての百年は人間に換算すると20にも満たないらしい。つまり、エルフは精神年齢が進むのが遅いという事。そして、どういうわけか僕の精神年齢は進むのが早いようだ。やはり前世の記憶があるからだろうか。
「レインー!賢師様の抗議の時間よ!」
おっと、母さんが呼んでる。少し没頭しすぎてたかな。
「分かった。今行く」
僕の名前はレイン・アーセル・リーダス。ちょっとばかし物思いにふけるのが好きなエルフだ。さてと、早く賢師様のところに行かないと。遅刻したら立たなきゃいけないし。