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233.俺の邪魔をするな!!

 シェロフはバトルアックスを持って、それからイルダーは腰にぶら下げたロングソードを持って賢吾に向かって来た。

『はっ!』

 先に向かって来たのはシェロフだったが、賢吾がスライディングで一気にシェロフの足元に飛び込み、立ち上がりつつ前蹴り2発でシェロフを転ばせる。

『ぐう!』

「うりゃああああ!!」

 一方からはイルダーが左ハイキックを放って来たが、そのハイキックはしっかりと両手で賢吾がガード。

 それでもイルダーはロングソードを賢吾の胸目掛けて突き出して来る。


「りゃっ!」

 ロングソードが突き出されると察知した賢吾はそのロングソードを屈んで避けつつ、屈んでから足のバネで跳び上がりイルダーの右腕をバック転キックで蹴り上げて、彼のロングソードを彼の手から落とす事に成功した。

 更にさっきのお返しで左ハイキックをイルダーの右側頭部に食らわせ、そこから跳び膝蹴りで追い討ちをかけようとした賢吾の横から、シェロフが重いキックを放って文字通り空中で叩き落とされてしまう。

「ぐほっ……!!」

 地面に叩きつけられた賢吾だが、以前アンフェレイアの背中から自分を落としたセバクターと戦った時と同じく、低い位置から落ちたのが幸いしてまだ立ち上がる事が出来る。


 しかし、その立ち上がった賢吾の腹に今度はイルダーの左キックが入る。

「ぐっ!」

 怯んだ賢吾に対してイルダーは追い討ちをかけようとしたが、それをシェロフが彼の肩を掴んでストップさせる。

『俺に任せろ』

 シェロフがまたバトルアックスを振り回して来たので、賢吾は前に転がってそのバトルアックスをかわし、足のバネを使ってそこから後ろにバック宙。

 円を描く形でシェロフの頭に空中から足を振り下ろした。

『がっ!?』

 頭に賢吾の足がクリーンヒットしてどさっと地面にうつ伏せに倒れ込んだシェロフを見たイルダーは、まだ体勢を立て直し切れていない賢吾が完全に立ち上がって来る前に、彼にタックルを仕掛けて素早く転ばせる。

「ぐう!」

 その間にエンヴィルークの使い魔のシェロフも体勢を立て直して再び向かって来る。


 賢吾はなるべくどちらかと密着する様にして、迂闊に武器を振り回せばどちらかもう一方が巻き添えになる様に仕向けて戦う。

 案の定、シェロフになるべく密着する様に戦う賢吾に迂闊にロングソードで攻撃を繰り出せないイルダーと、賢吾に密着して来られてはバトルアックスを上手く使えないシェロフに板挟みにされつつ戦っているのだ。

 上手く攻撃を受け流してブロックし、ちょっと食らいつつも賢吾は後ろから攻撃をして来るイルダーを後ろ蹴りで腹を蹴ってぶっ飛ばす。

 前に居るバトルアックスを持っているシェロフの攻撃は、まずブロックしてからそのシェロフの右腕を左腕で挟み、攻撃出来ない様にしてから空いている右腕で全力の肘落としを彼の頭に入れた。

「ぐお!!」

 怯んだシェロフに今度は膝蹴りを入れ、後ろから立ち直って来たイルダーに向けて突き飛ばして2人を纏めてミドルキックでぶっ飛ばす。


「うぐぅ……」

 イルダーは倒れ込んだがシェロフは何とか持ち堪える。

 賢吾はそんなシェロフに接近して、右の肘を頭に何度も何発も気絶する迄シェロフの頭に落とし続けるのであった。

「がっ!」

 どさっと倒れ込んだシェロフを見てイルダーが再び向かって来たが、今度は自分からイルダーの腹目掛けて飛び込みつつ腹に膝蹴り。

 更に頭を掴んでから3発膝蹴りを入れ、3発目でイルダーが後ろによろけた所に跳び上がり、捻り回転蹴りを右足で彼の側頭部へ。

「ぐふっ!」

 その衝撃で思わず地面に四つん這いになったイルダーの背中に、賢吾は再びそこから空中捻り回転膝落としでこのバトルにフィニッシュを決めた。


『はい、そこまで!!』

「また……僕はあんたに負けたのか……」

『はは、まさかこの私が人間に負けるとはな……』

 倒れ込んで起き上がれない2人に対して審判のアンフェレイアからストップが掛かり、このバトルも何とか切り抜ける事に成功した賢吾。

 しかしこの2人を倒しても、まだまだ彼の戦いは終わらない。

 何故ならまだ美智子がこの山の何処かに攫われたままだし、もしかしたら山とは別の場所に連れ去られてしまった可能性だって十分にあり得るのだ。

 さっきもアンフェレイアが言っていた様に、これは「山の中で行う」トレーニングなのだから基本的にこの山から出る事は無いと言っていた。

 アンフェレイアはアンフェレイアで、エンヴィルークから念話を使って時折報告や命令を受けているらしく、それで賢吾が進む方向に敵の配置をするのを手伝っているらしい。


 ユグレスが美智子を攫ったのもトレーニングの一環だとアンフェレイアは言うので、それならそれで少しだけ安心出来る賢吾。

 でもやっぱり不安要素の方が大きい。

 あの岩場まで一緒に進んでいた以上、彼女がそばに居ないと何だか安心出来ない賢吾。

 それは幼馴染だからだろうか、またはこの世界に一緒にトリップしてしまった唯一の地球人だからだろうか、それとも――

 この鉱石で至る所が光り輝く洞窟を抜けた先に何が待っているのか分からないが、それでもまだ進むしかない。

 ようやくこれで4人を倒した今の段階で、このトレーニングの折り返し地点をやっと過ぎたのだから……。

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