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屋上に昇って
コンビニで買ったコーヒー
冷たさはどこかに消えた
水滴がビニール袋をぬらして
少し嫌な気分だ
逃げ出すように登った
灯りのない階段は
忘れられてしまった
錆の匂いが充満している
ここには何もなくて
何かがあるような気もしている
高揚する気持ちの行き場は
裏切られたときに備える
そういえば昨日の夜
珍しく雨が降ったんだ
水たまりは残っているのかな
湿ったアスファルトを想像した
劣化した貯水槽がそびえる
お腹は昨日の雨で満たされた
軋む梯子を登って
見上げる空は美しいかな
開かない扉の前で
盗んだ鍵も役に立たない
ここには何もなくて
何かがあるような気もしている
高揚する気持ちの行き場は
裏切られたときに備えて
この扉を強く握った




