オマケ・剣闘士解説-8説目
クレハ
「みんなお馴染みの、クレハの剣闘士解説コーナー、始まるよー!」
イルヴァ
「未だに終わってないのよね……これ」
クレハ
「……うん。本編が終わるまで続けるらしいよ?」
イルヴァ
「むしろ本編はいつ終わるのよ……」
クレハ
「……さあ?」
クレハ
「今回は、金属の材質について解説するよ! みんなは、本編に出てくる軽鉄とかがどんな金属なのか気にならなかった? 今回はそんな軽鉄を初めとした、この世界の貴金属を紹介するね!」
イルヴァ
「えっ……その解説を今更やるの?! もっと早くに出来なかったの?」
クレハ
「色々あるんだよ……色々と」
イルヴァ
「……ただ単純に、忘れていただけよね?」
クレハ
「……うん」
クレハ
「さて、まずは本編でお馴染みの軽鉄からだね。軽い鉄と書いて、ケイテツと読むよ。その名の通り、鋼鉄と同じ強度を誇っている上に軽い材質なんだ。真ちゅうの色を鋼に近付けたような、薄い黄味がかった光沢を持っているよ」
イルヴァ
「軽鉄の武器や防具って、割高なのよね。お金持ちの剣闘士しか身に付けられないイメージだわ」
クレハ
「次に解説するのは、アダマンタイト! 金剛鉄とも言うよ。世界で一番硬い貴金属と言われているんだけど、武器や防具に使われるケースは……まず早々には見かけないよね」
イルヴァ
「そうね。アダマンタイトは世界随一のレアメタルだから。武器防具を作れるほどの量を発掘しようと思ったら、その前にエルフの一生が終わってしまいそうよね」
クレハ
「エルフ族は生涯およそ二千五百年と言われているから、どれだけ膨大な期間の探索が必要かがわかるね」
イルヴァ
「まあ……そんな馬鹿な事に費やす時間があるなら、エルフ族だったら絶対に魔法学でもやっているのでしょうけれどね」
クレハ
「その他にも、武器や防具に使われるものといったら、鋼鉄や黒曜石や胴など、お馴染みの材質がたくさん存在するよ!」
イルヴァ
「あと……この世界特有のものといえば、やっぱりアレかしら。シルバーアイアンとゴールドアイアン」
クレハ
「この二種の金属は正確には人工物なんだけどね。自然界から取れないし。その名の通り、銀や金に鋼鉄クラスの硬度を持たせた金属だよ。シルバーアイアンは鋼よりも白い輝きを持っていて、ゴールドアイアンはやっぱり金色の輝きを持っているの。これらは魔剣を鍛える時に使う一般的な金属だよね」
イルヴァ
「そうよ。銀や金というのは、精霊との親和性が高い貴金属だから。鋼鉄そのものはどちらかというと親和性が低くて……すぐに霧散するから、魔導士が付術を使って魔法剣にするにしても、扱いづらいのよね。鍛え上げて魔剣にするというなら、更にもっての外。持続的に定着させるということが不可能な金属なのよ」
クレハ
「それなのにイルヴァは加重無効を使ってたの?」
イルヴァ
「加重無効は私自身に対する付加だもの。身につけている武器や防具の材質に影響は無いわよ」
クレハ
「……それもそうか」
クレハ
「クレハの剣闘士解説コーナーはここまで! 今回も見てくれてありがとう!」
イルヴァ
「久しぶりにちゃんとまとまったわね」
つづく!