オマケ・剣闘士解説-5説目
クレハ
「やっほー!クレハの剣闘士解説コーナーが始まるよ!」
イルヴァ
「クレハはいつもテンションが高いわね」
クレハ
「むしろイルヴァのテンションが低いんじゃないかな?」
イルヴァ
「そうかしら……」
クレハ
「さて、今日は名前についての解説をするよ!」
イルヴァ
「名前?」
クレハ
「ほら。二十六話でイルヴァが、ヒューマン族は名前も肩書きも冗長って話していたじゃない」
イルヴァ
「またクレハが知るはずも無いエピソードを……」
クレハ
「それは、便宜上ね?」
イルヴァ
「そうね」
クレハ
「ブレイディア王国は、一般人については名前・苗字という表記になるよ」
イルヴァ
「私は苗字が無いけどね」
クレハ
「そうだよね。里の出身者は苗字が無いんだよね。そもそもがイルヴァみたいな人は、ブレイディア王国に戸籍が無いからねえ」
イルヴァ
「戸籍ってなに?」
クレハ
「ブレイディア王国の文官省が管理している、住民データだよ。苗字でひとまとめにして管理してるみたい。だから苗字が必要なんだね」
イルヴァ
「そうなんだ。でも、苗字以外も名前にくっ付いてる人がいるわよね?」
クレハ
「そういう人がイルヴァの言う、偉い人ってやつだね。例えば、剣王のマティアス・レムンハル・カイザー。カイザーという身分名が王という身分を現しているんだよ。それ以外にも、文官長が持っているワイズマンや、シャルロッタが持っているイェーラとソーサリーが身分名になるね」
イルヴァ
「ちょっと待って。シャルロッタって二つも身分名を持っているの?どうして?」
クレハ
「シャルロッタは家柄が地主なんだよ。イェーラ地方を統括する家の子女だからシャルロッタ・レーゼに、イェーラという地名が付いて、更にそこに魔導士だからソーサリーという身分名が付いているんだね」
イルヴァ
「どうしてクレハがシャルロッタの家柄まで……」
クレハ
「それは……――」
イルヴァ
「……わかった。便宜上ね?」
クレハ
「そういうこと」
クレハ「ちなみに、もしイルヴァがロランとブレイディア王国内で結婚したらブレイディアの戸籍に入るから、イルヴァ・ノールドになるね」
イルヴァ
「なっ、なんで私がロランと……」
クレハ
「……あ。でもロランが剣王の子息になるなら、レムンハルの方になるのかな?」
イルヴァ
「それだけは絶対に嫌!!」
クレハ
「即答したね……。まあでも正直、本当に戸籍上で剣王の実子になろうと思ったら、ノールドの戸籍主になるロランの母親からロランの籍を抜いてその後、レムンハルの戸籍主になる剣王の籍に入れるってコトになるからかなり面倒臭いよね。ロランの母親って剣王の昔の愛人なんでしょ? 戸籍の話のために捨てた昔の愛人に会いに行くって、かなり勇気が要らない?」
イルヴァ
「さあ……。でも少なくともロラン・レムンハルは似合わないわよね。ノールドの方が良いと思うわ、絶対に」
クレハ
「死活問題だよね。イルヴァの将来の苗字にも関わってくるもんね」
イルヴァ
「だ、だから、どうしてそんな話に……」
クレハ
「あ、そろそろ時間だね。ということで、クレハの剣闘士解説コーナーはここまで! 今回も見てくれてありがとう!」
つづく!
イルヴァ
「えっ……まだ続くの?!」




