オマケ・剣闘士解説-4説目
クレハ
「こんにちは!クレハの剣闘士解説コーナーだよ!最近出番が無いけど、読者さんは私のことを忘れないでね!」
イルヴァ
「本当に出番が無くなったわね、クレハ」
クレハ
「…………」
イルヴァ
「まさかこのまま最後まで登場する機会が無いという可能性も……」
クレハ
「い、言わないでー!!」
クレハ
「さて今回は、エルフ族の里の風習についての解説だよ!ということでイルヴァ、よろしく!」
イルヴァ
「なんで私が……。クレハのコーナーでしょ?」
クレハ
「だってエルフ族のコトなんてよく知らないもん」
イルヴァ
「よく知りもしないものをよく解説する気になったわね」
クレハ
「それに私、気になってるコトがあったんだよね」
イルヴァ
「なに?」
クレハ
「九話でのイルヴァの過去話の時、父親や母親だけじゃなく、弟、妹、兄や姉まで話に出てきたじゃない。イルヴァって一体何人兄弟なの?そもそもエルフって、子供は産まれにくい種族って聞いてるんだけど?それともイルヴァの親ってそんなに旺盛だったの?」
イルヴァ
「失礼なこと言わないでくれる?!大体なんでクレハが九話の話知ってるのよ!」
クレハ
「それはまあ、便宜上ってあるじゃない?」
イルヴァ
「ありえない……プライバシーの侵害だわ……!」
クレハ
「で、どうなの?」
イルヴァ
「私と本当に血縁があるのはお父様とお母様だけなのよ。実際には、それ以外の兄様や姉様、弟や妹とは血縁関係は無いわ。でも、エルフ族っていうのは基本的に血縁関係で隔てているヒューマン族とは違って、里単位で家族という感覚を持っているから、全員で育児や教育をするのよ。その間には身内や他人という感覚が無いの。だから里のエルフには、友人や知人といった言葉が無いのよ」
クレハ
「そうなんだ。じゃあ、年長者の人はやっぱり、みんな祖父や祖母っていう扱いになるんだね」
イルヴァ
「ううん。一定以上歳が行った姉や兄は、大姉様、大兄様と呼んでいたわよ」
クレハ
「おお……幾つになっても兄や姉という扱いなんだ?!少し羨ましいかも……」
クレハ
「でも全員が家族っていう感覚なら、恋人が欲しい時はどうするの?まさか外から浚ってくるとか言わないよね?」
イルヴァ
「……オークと同類扱いするのやめてくれない?普通にみんな、里のエルフ同士で婚姻しているわよ」
クレハ
「ええっ。家族感覚なんでしょ?なんか嫌じゃない?」
イルヴァ
「どうして?信頼関係が既にあるって良いことじゃない?」
クレハ
「そうじゃなくて……。ときめきが無いとか、刺激が無いとか思わないの?あとなんか身内同士って気分的に嫌じゃない?」
イルヴァ
「よくわからない事を言うわね……。そりゃあ、さすがに、お父様やお母様と結婚する人は居ないけれど。兄弟同士で結婚するのって普通じゃないの?」
クレハ
「えっ?!さ……さすがに、それって血縁の無い兄弟限定だよね?」
イルヴァ
「えっ?」
クレハ
「…………えっ?」
クレハ
「く……クレハの剣闘士解説コーナーはここまで!今回も見てくれてありがとう!」
イルヴァ
「なんで急に切り上げるの?私、変なこと言った?」
クレハ
「ううん!ただ……種族の隔たりって意外と大きいんだね!」
イルヴァ
「……???」
つづく!




