オマケ・剣闘士解説-2説目
クレハ
「みんなー待たせたね!クレハの剣闘士解説コーナーが始まるよ!」
イルヴァ
「またやるの?!」
クレハ
「なにその嫌そうな顔は……良いじゃない。作者の息抜きくらい、ちょっとは手伝ってあげたら?」
イルヴァ
「えー……めんどくさ……」
クレハ
「今回は、剣闘士人口と種族の比率について解説するよ!」
イルヴァ
「進めたわね……サラッと進めたわね」
クレハ
「イルヴァは、剣闘士にオーガ族が多いことは気付いている?」
イルヴァ
「とっくに知っているわよ。剣闘士を何年やっていると思うのよ」
クレハ
「まあね。トップスリーは、一位がオーガ族、二位がヒューマン族、三位がリュカオン族という比率になっているよ」
イルヴァ
「オーガ族のハーフも目立つわよね」
クレハ
「うん。オーガ族というのは力が強い種族だから、剣闘士向けなんだよ。逆に見掛けない種族の代表例といえば、やっぱりエルフ族だよね。……あ、イルヴァは別だけど」
イルヴァ
「エルフ族は軟弱だから仕方ないとして……ドワーフ族も見ないのは何故なの?ドワーフ族は、力が強い種族のはずよね?」
クレハ
「ドワーフ族は“職人の民”だから、目立つのが嫌いだよね。だからやっぱり、舞台に上がるには気質が合わないんじゃないかな?あと、そもそもこのブレイディア王国の人口比的にもドワーフ族は珍しいよね」
イルヴァ
「さっきから種族や人口比の話を当たり前のようにしているけど、読者の人にもわかりやすく解説したらどうなの?」
クレハ
「私任せにしないで、気になるならイルヴァがやれば良いのに……ま、いいや。ここブレイディア王国は、ヒューマン族が樹立した国なんだけど、ヒューマン族が国を作るよりもずっとずっと昔から、オーガ族とエルフ族が先住種族として、個々に小規模な里を作って住んでいた歴史があるんだよ。ヒューマン族が国を設立した後も、特に追い出したりしていないから、そのままオーガ族とエルフ族が定着している形になっているの」
イルヴァ
「だからと言って、完全に同化しているわけではないけれどね。中にはブレイディア王国の庶民権を得たエルフやオーガも居るみたいだけど、大多数は今まで通り、何も働き掛けずに里で暮らしているのが大半なのよ。私も、その中のエルフ族の一人だったのよ」
クレハ
「そういえば、オーガ族は同化した人が多かったみたいだけど、エルフ族はそういう人って珍しいよね。どうしてなの?」
イルヴァ
「んー……まあ、掻い摘んで言うと、エルフ族は自分達の文化が優れていると思っているのよ。だから、それよりも劣るヒューマン族の文化に同化したいという気持ちが起きないだけ。そもそも、ブレイディア王国は基本的に里の暮らしに干渉しないから、現状で良いとみんな思っているのよ」
クレハ
「相変わらず傲慢なんだねーエルフ族って」
イルヴァ
「独善的なガルダ族に言われたくないんだけど」
イルヴァ
「……そういえば、リュカオン族はブレイディアの民ではないわよね。それなのにどうして、剣闘士人口の比率は高いのかしら?」
クレハ
「それはね、リュカオン族は元々、特定の国籍を持たない流浪の民だからだよ。一つの場所に定住する人は少ないけれど、あちこちを旅して回っている人が多いの。同じように、旅しながら闘技場を回る必要がある剣闘士という職業は、馬に合うのかもしれないね」
イルヴァ
「面倒臭いと思わないのかしら。剣闘士登録をすると国籍がブレイディアになるし、有事の時はブレイディアの兵士になってしまうのに。そこは気にならないのかしら?」
クレハ
「まあ、有事なんて滅多に無いことだからね。トップが剣王なわけだし……異国から見るとけっこうクレイジーだよね、この国って」
イルヴァ
「ふうん……そうなんだ」
クレハ
「まあそういう理由があって、剣闘士になる人はオーガ族がどうしても多くなっちゃうみたいだよ」
イルヴァ
「強引にまとめに入ったわね」
クレハ
「脱線が長いんだもん。まあでも、比率が少なくても剣王になっちゃったり、私みたいな凄腕が居るガルダ族はやっぱり凄いね!」
イルヴァ
「凄腕?ふーん?へえ?」
クレハ
「……なにその言い方は。腹立つ……」
つづく!




