1.不敗と弱小・上
「ワアァァァッ!」
人々の歓声が、闘技場中の空気を震わせていた。
ムッとした熱気の中で人混みをかき分けて前へ向かうと、石造りの手すり越しにその先を伺った。
円状に広がる石畳でできた大舞台の主役は、二人の“剣闘士”だった。
片方は布のズボンとブーツを履いただけの軽装をした、筋肉質な灰色の腕を持つオーガ族の大男で、鉛色の敵意をむき出しにした瞳を目の前の“敵”に向けている。
片や、オーガ族に睨まれながら平然と立っているのは、鋼鉄のフルプレートアーマー《全身鎧》で全身をガチガチに武装した、碧い瞳のエルフ族の少女だった。
透き通るようなライトブロンドの髪は、編み込みのあるアップで一まとめにされており、日差しを反射してキラキラと輝いている。
大男は灰色のボサボサした髪を振り乱すと、鉄塊のような腕を振り上げ、吠えながら少女を殴りつけようとして飛び掛かった。
「ウオオォォッ!」
オーガ族特有の太い声がびりびりと空間を震わせるが、それをすぐ目の前に見据える少女は怖気づいた様子を見せない。
少女は肩ほども高さのある大盾を前に構えると、真正面からその拳を受け取めていた。
ガゴンッ! という、鉄が鉄をはじくような音。
おおっ! と上がる、観客たちのどよめき。
一歩も退く様を見せず、臆する気配も無く大男を睨みながら、少女は右手に握りしめたハルバードを後方へ引き、そして一気に突き出した。
ブンッ! という重たい風を切る音と共に、放たれる一閃。
「ヌウッ!」
大男は唸りながら両腕を胸の前にクロスさせる。
その中心へとぶれる事なくハルバードの切っ先が突き進む。
ガキッ!
鈍い鋼の音と弾ける火花。
ズズッと鈍い砂の擦る音がして、大男のつま先が後ろへ下がった。
「おおぉぉっ!」
客席の声が一層白熱する。
それは大男の肉体の堅牢さに対して向けられたものではなかった。オーガ族の肉体が熊のように巨大で鋼のように硬いのは、当たり前の事だったからだ。
それよりも観客たちを湧き立たせていたのは少女の方だった。軟弱で評判のエルフ族が、重武装を軽々と扱って、あのオーガ族を力で押しているのだ。
(――なんだ、あの人は)
目を見張るのは誰もが同じであろう。
蝶と舞い、鳥と歌う。花と木々の景色がよく似合いそうな、そんな典型的なエルフ族。
重厚な鎧とはアンバランスに見える、『美の女神の眷属』と比喩されるに相応しい整った目鼻立ち。銀色の鋼と金色の髪のコントラストは、まるで剣闘士のイメージとは似ても似つかない、煌びやかな宝飾品さながらだった。
そんな乙女が、穏和な眼差しを抱くに相応しいであろう眼を鋭く細め、今まさに巨大な武器を振り回す。
「ハアァッ!」
凛として澄んだソプラノの声が空気を震わせる。
大盾を斜め後ろへと引き、代わりに横殴りに薙ぎ払われたのは、大の男でも片手で扱うのは至難の業と言われる、分厚い鉄の刃を先端に備え付けた重厚な武器。
ドスッ! と重たい音が、確かに大男の脇腹にその刃が突き刺さったことを知らしめていた。オーガ族の鋼鉄のような脇腹に、エルフ族の細腕が振り回す獲物が突き刺さったのだ。
一寸の後、どっと血潮を吹き上げながら、大男は横へ崩れ落ちるように石畳の上に伏せ、そして――その身を血の中へ沈めた。
『勝者――アイアン・ティターニア《鋼の妖精女王》のイルヴァ!』
束の間の沈黙の中で、審査人の声が高らかと響き渡る。
次の瞬間。
「ワアアァァァァッ!!」
客席が大波のようにうねる歓声を上げた。
イルヴァ! イルヴァ! という熱気溢れる声援が送られる中、その少女はというと、声援に応える気などさらさら無いと言わんばかりに涼しい顔をしてくるりをきびすを返す。
瞬間――透き通るような紺碧の瞳が、こちらを見た気がした。
一瞬、目が合った気がしたのだ。
ハッと息を呑んだのも束の間で、気が付けば少女の視線は別の方向を向いていた。
そして足早にさっさと立ち去る中、取り残された大男の元に二人の治療士が担架を持って駆け寄って行くのが見えた。
――勝者には栄光を。敗者には屈辱と血の洗礼を。
それは剣闘士にとって、ごく当たり前の“ルール”である。
瀕死の大男が担架で運ばれて行く様を見ても、誰も彼の名を呼ぶ者は無い。
この場は勝者イルヴァの名を高らかに呼ぶ者で埋め尽くされていた。
闘技場を出た後も、熱気は冷め止まなかった。
先ほどの試合を思い出す度に、胸は高鳴り熱く打ち震えるのを覚える。
「……凄い試合だった」
青年は額の汗を拭っていた。
何度立ち寄ってもあの場所というのは、熱く圧倒される。
中でも今日のような、ハイクラスの剣闘士同士がぶつかり合う試合というのは、誰もが熱狂する見世物である。
剣闘士になって間無しの彼にとって、それは憧れであり目標でもあった。
「アイアン・ティターニアか……」
さっき見た、あのどこまでも深い色を湛えた美しい紺碧の瞳が脳裏から離れない。
(……キレイな人だったな)
あんな凄い剣闘士になりたいと彼は思った。
彼の纏う、鉄板と鎖で出来たブリガンダイン《胴当て》も、革製のグリーブ《脛当て》やブーツだって、身軽な軽装戦士特有のものである。だから、彼女とは全く異なる戦い方をする。それは腰に吊り下げられている一振りの無骨なロングソード自体が物語っているだろう。
しかし、憧れる剣闘士が誰であるかは自由である。どんな戦闘スタイルであっても、剣闘士は剣闘士。彼自身とそう年齢も変わらない若年層であろうに関わらず、あの容赦のない、相手を叩きのめそうとする一心で繰り出される切っ先に迷いはない。その清々しさが彼の心を掴んだのだ。
「あんな凄い剣闘士が見れたんだ。来て良かったな」
青年は満足感と共に、足取り軽くその場から立ち去る。
さっき居た客席とは正反対の、涼しい爽やかな風が彼の蒼い髪をすり抜けて、汗を乾かしてくれる。鋼色の瞳が、昼の日差しが照らし出す明るい町並みへと向けられる。
彼の名はロラン・ノールドといった。
彼はこの国ではさほど珍しくないヒューマン族だ。彼もまた強者を目指す剣闘士の一人だが、今は駆け出しであるため、剣闘士にはお約束である二つ名すら持っていない。無名である。
雲一つない青空の下、町の中心部に誇らしげにそびえ立つのは、筒状の巨大な石造りの建築物・闘技場。
それはここブレイディア王国の町に必ず一つは存在する、この国特有の名所である。
ここでは数多くの剣闘士たちが切磋琢磨し、毎日のようにその技で観衆たちを魅了している。
奴隷身分であった剣闘士たちが、怠惰な貴族たちに反乱を起こし立ち上げた国。それがこのブレイディアの起こりであった。
そのため、建国から二百年余りが過ぎた今も、この国では剣闘士という職業が中心となって、観光産業や軍事力といった分野を支えているのだ。
「俺もいつかはルーキークラスから勝ち上がって、ハイクラスの剣闘士になるんだ。そうしたら、あの、アイアン・ティターニアとも対等に戦えるのだろうか……?」
ロランは今のうちから不安を覚えていた。
とてもじゃないが、あんなに強い剣闘士に敵うとは思えなかったからだ。
しかし同時に、戦ってみたい。と思ってワクワクしてしまうのは、剣闘士の性なのかもしれない。
闘技場から真っ直ぐ伸びる大通りを、ロランはのんびり歩いていた。
ちらほらと歩く人とすれ違いながら、ロランが目指す先は宿だった。
ちょうどハイクラスの剣闘士による大会がやっていると聞いたから、この町に着いて早々に闘技場へ行ってしまったが、本当なら今日の寝床を確保するつもりでいたのだ。
少し遅くなったが、まだ日も落ちていないから部屋も残っているだろうと予想しながら歩を進めていた。
その時、カチャカチャという金属を叩く音が背後から聞こえてきた。
まるで金属の靴底が石を蹴るような。そう、サバトン《金属靴》を履いた足で駆けているような音。
(さっき見た剣闘士のエルフの足音に似ている)とロランは思った。
しかしそれはあり得ないだろう。さっきの試合は大会の決勝戦だったから、今頃あのエルフは優勝賞金でも受け取っている頃合いに違いない。
そう。だから、さっき闘技場で聞いたのと同じような透き通ったソプラノの声が、「待ちなさい!」と言うわけがないのだ。
「……え?」
ロランは振り返っていた。
耳を疑ったが、振り返った後には目まで疑うようになっていた。
そこに立っていたのは、全身鎧を身に付けたエルフの少女――アイアン・ティターニアのイルヴァその人だったからだ。
碧い瞳が燃えるような怒りを宿しながらロランを映している。
背負った大盾に手を伸ばし、ハルバードを素早く構えながら「――やっぱり」とイルヴァは呟いた。
「客席に見つけた時、まさかと思った。でも、そのまさかだった! ……ジュード! ようやく会えたわね! ここで殺してやるわッ、覚悟しなさい!」
「なッ――……」
(なんなんだ?!)
唖然とするロランを目の前に、彼女は構えを取る。
さっき目が合った気がしたのは、気のせいじゃなかったのだ。
彼女は左手に構えた大盾を目前に置き、右手に握りしめたハルバードを後方へ引く。それは先ほどの舞台で見たばかりの、彼女の予備動作だった。
すれ違うだけだった道行く人々が立ち止り、こちらへと振り返る。背を冷汗が伝う間にも、徐々に人混みが増えて行くのがわかった。
「死ねえぇぇッ!!」
隠そうともしない殺意を携えながら、イルヴァのハルバードが突き出される!
「くっ……!」
咄嗟にロランは脇に転がることで回避していた。
すぐに立ち上がると、バックステップで距離を取ろうとするが、彼女もまた地を蹴ると瞬時に距離を詰めてきた。
「フッ……!」
ぶお!! と、分厚い風を切る音と共に横薙ぎのハルバードが襲い来る。
思わずロランは腰の剣を半ば引き抜くと、その刃で受け止めていた。
ガキィン! と火花が散り、重たい衝撃が手と腰に伝わってくる。
「ぐうっ……!」
ロランは思わず片膝をつくが、体が横へ押し出されることを止めることができない。
ズズズッと靴底が石の道を擦っていた。
気付けば、人々が取り囲んで遠巻きにこちらを見ている。
「おい、ヤバいぞあれ……」
「剣闘士同士の私闘じゃないか! しかも、片方はアイアン・ティターニア! 大物の剣闘士だぞ!」
「それよりも、剣闘士が喧嘩するのって資格剥奪になるんじゃなかったか? おいおい。あいつら、衛兵が来たらどうするつもりなんだ?」
野次馬たちの声を聞いて、ロランはハッとしていた。
(そうだ……こんな所で、こんな形で戦いなんてしたらまずい……!)
その間にも、イルヴァは再度攻撃の構えを取るためにハルバードを後ろへ引き戻していた。
「アイアン・ティターニア!」
ロランが叫ぶと、彼女は唇の端を持ち上げて薄く笑った。
「お前が、私の事を知っていてくれているなんてね。少しは無駄に名声を上げた甲斐があったのかしら?」
「いや待ってくれ、違うんだ!」
慌ててロランが両手を上げようとするのと、彼女がハルバードを突き出すのと同時だった。
「おわっ?!」
慌ててしゃがむことでロランは回避していた。
「待ってくれ! 誤解なんだって!」
言いながら、二度、三度と突き出される攻撃をすれすれでかわし続ける。
「黙りなさい、ジュード! 誤解もなにも無いわよ!」
そう言い返しながら、苛立った面持ちでイルヴァはハルバードを振り降ろす。
ガキィン!
とうとう引き抜いたロングソードで、ロランはハルバードを受け止めると叫んでいた。
「だから! 俺はジュードじゃないんだって! 人違いだって!」
「うるさい! この期に及んで言い訳をする気?!」
イルヴァはまたもハルバードを頭上で旋回させると、ロラン目掛けて薙ぎ払ってきた。
(だめだ! 全然聞いちゃくれない!)
ロランは絶望に打ちひしがれながら、ロングソードを両手で構えて再度ハルバードを受け止めた。
ガキイィン!!
重たい金属音が示す通り、一撃一撃がとてつもなく重く、両手がじんじんと痺れる。
(ヤバい……これじゃジリ貧だ! 俺、死ぬのか? このまま呆気なく死んでしまうのか?!)
――そんなの嫌だ!! とロランは思った。
再度襲い来るハルバードを避けようとして身を引くが、間に合わずに剣身の半ばを衝撃がさらって行った。
ガランッ。カラカラ……。と、手から離れたロングソードが地面に転がり落ちる音を聞いた時、ロランはさあと青ざめていた。
(まずい……)
そんなロランの耳に、ガチャガチャという幾つもの鎧の擦れる音が届く。
騒動に気付いたこの町の衛兵が数名、人混みを掻き分けながら駆けつけてきたのだ。
「おいお前たち! 何をしている!」
(まずい)
二重の意味でロランは危険を察知した。
だというのに、目の前の少女はというと一向に武器を引く気配を見せないのだ。
そればかりか、好機とばかりにハルバードを再度構えなおす。
「これで終わりよ、ジュード。さようなら、地獄に堕ちなさい、永遠に」
――そう。彼女の殺意は本物なのだ。
あろうことか、自らの剣闘士生命と引き換えにしてでも殺す気でいるのだ!
「止めないか! 止めなければ斬るぞ!」
衛兵たちはバックラーを構えて腰の剣を引き抜いたものの、なかなか踏み込めずにいた。
相手はハイクラスの剣闘士であるため、下手をすれば返り討ちにされかねないせいだ。
ブオ!という重厚な風圧の音と共にこちらに迫り来るイルヴァのハルバードを睨みながら、ロランは腹をくくるしかなかった。
(……こうするしかないのか)
止めていた息を吐き出すと共に、ロランは低く唸った。
「――決闘だ」
その刹那、ぴたり。と、ロランの額すれすれでハルバードの切っ先が止められた。
燃えるような怒りを宿しながらこちらを睨み付けて来るイルヴァを、強く睨み返し――ロランは震えを隠しながら言っていた。
「それほど俺を殺したいなら……決闘をしよう。明日一番に、コロッセオの――舞台の上で、正々堂々と決着を着けるんだ」
「……ふふ」
イルヴァは笑った。だがそれは笑顔とはとてもじゃないが表現できるものではない。
憎悪を瞳に宿したまま、憎々しげにその端正な顔を歪めた。
「お前がそんな事を言うなんて意外だわ。正々堂々……ね。まさかその体たらくで、改めて私に勝てるつもりでいるの? 或いは、降参をしておめおめと生き延びるつもりか――でもそれも無謀な話ね。だって決闘は正式な試合とはわけが違うのよ。“決闘における勝者は敗者を奴隷にする事ができる”――私があなたに下す命令は、ただ一つきりしかない事はわかっているわね?」
それはすなわち“死”であると彼女は言いたいのだろう。
「…………」
ロランは真っ直ぐにイルヴァを睨みつけながら、沈黙を保ち続けていた。
それでイルヴァは彼の嘘偽り無い決意を見て取った。
「――ふふ。笑っちゃうけど、良いわよ。乗ってやろうじゃないの」
そう言うなりイルヴァはハルバードを降ろすようになったから、衛兵たちもまた、安堵の息を零すと、剣を鞘へ戻していた。
「お前たち、“決闘”と言ったな? 私闘を今ここで取りやめて正式な闘技をするつもりなら、今回は目を瞑ってやろう」
衛兵の声を聞いて、イルヴァはこくんと頷いていた。そしてロランの鋼色の瞳を真っ直ぐに見据えた。
「決闘をするわ。ジュード。その首が一日つながったこと、感謝するのね」
そう言いながら背中に大盾とハルバードを背負うイルヴァを見て、(だから俺はジュードじゃないんだが……)とロランは思った。
と言っても、それを伝えてまた激昂させては敵わないため、黙っていることにした。
立ち去るイルヴァを見送ると、ホッとして力が抜けたせいか、ロランはその場に座り込んでいた。
「はあ……。助かった……のか……?」
(死刑執行日を明日に先伸ばししただけなような気が……)
その事に気付いて愕然とするロランに声を掛けたのは、衛兵の一人だった。
「あのアイアン・ティターニアの怒りを買うとは……お前、相当な事をやらかしたのか? ええと、名前は何だったか。ジュード、だっけか?」
それを聞いた時、ロランは心底からの溜息をついていた。
「……俺の名前は、ロラン……です……」
「……?!」
その時の衛兵の、驚愕と同情が入り混じった眼差しを見たとき、ロランは己の運命を恨むより他なかった。
とはいえ……時は残酷にも、いつもと違わずに過ぎて行くのだ。
眠れない一夜を過ごした翌朝、ロランは重たい体を引きずりながら闘技場へ向かう。
ロランの心情を代弁するかのように、空には暗雲が立ち込めていた。直に雨が降りそうだ。
だというのに、道を歩いていると何人もの人がロランを追い抜いて行く。
「おい、聞いたか?!」
「あのアイアン・ティターニアが決闘するってよ!」
「相手は誰だったか? よくわからんが、きっと大物に違いない! こりゃあ見に行くしかないだろ!」
彼らはロランの存在に気付かないまま、走り去ってしまう。
そんな人々の後姿を見送りながら、(なんで俺が)とロランは思っていた。
(なんで俺が、彼女の対戦相手なんだ? ルーキークラスの俺が、ハイクラスの有名な剣闘士と戦うなんて。これは悪い夢なんだろうか?いや……)
……束の間の輝きなのかもしれない。と、ロランは思った。
どんな形であれど、憧れの剣闘士と戦えることは光栄なことなのだ。
(それが俺の命を奪うことになったとしても……)
本当なら、それを喜ばしいことと考えるのが模範的な剣闘士じゃないのか。
「――ならば、俺は俺に恥じない試合をしなければ」
ロランは前を向いていた。
本当は、足が震えているというのが本心ではあるが。
(俺は立派な剣闘士にならなければならないから)と、ロランは思った。
震えを押し殺し、前を向き、闘技場の扉へと手を伸ばしていた。
憧れの人の手によって、正々堂々と剣闘士としての最期を迎えられるというなら、それは幸運な事なのだと認識しなければいけないのだ。
そして――ロランはぐっと扉を押し開いていた。
本来なら栄光の舞台へと続く、続いているはずだった、輝かしくも重苦しい場へと立ち向かうために。