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私の証言は。

作者: 宮乃諾菜

その日、私は友人に誘われてゴルフ練習所に行きました。友人の勤め先でゴルフ大会があり、自分は初心者だから教えてくれというのです。私は自分もゴルフ経験が浅いと伝えましたがそれでもいいと友人は言いました。それから約束の時間にゴルフ場のロビーで友人を待っていると受付の若い男性が携帯電話を持ち、こちらへ話しかけてきました。

「お客様、ご友人の方からお電話です」

若い男は持っていた携帯電話をこちらへ差し出しスピーカーにして通話を再開にしました。私は小さな声でお礼を言い、それを受け取りました。

「もしもし」

「あ、もしもし。俺だけど」

聞こえてきた声の主はゴルフの練習に誘ってきた友人からでした。

風の強いところにいるのか、ゴーというノイズがはいっていました。神経を逆撫でされるような不愉快な音です。私は不安になり友人がどこにいるのか訊ねようとしました。が、私が聞く前に友人が一方的に話し始めました。

「忘れそうだから先に言っとく。今日のゴルフいけそうにないわ、ごめんな。俺からお願いしとったのに。あと、すごく恥ずかしいんやけど、俺、お前のこと愛してる。これだけは何年経ってもどこにいても変わらへん。今までお前のことけなしたりいっぱいしたことと、俺が今からすることを許してほしい。俺を俺以上にけなしてくれてかまわへんから。最後にこんな俺に付き合ってくれて」

私は友人の言葉を遮れぬまま聞いていると、ゴーというノイズの音量が増し友人の最期の言葉がかき消されました。それから数秒後、強い衝撃音がした後電話がブチッと切れる音がしました。私はその時友人が何を言いたかったのかわかりませんでした。しかし彼から来れないといわれた以上いったん帰ることにしました。受付に携帯電話を返し、タクシーを拾って帰りました。

家に着き、中へ入ると固定電話に留守番電話が入っていました。再生ボタンを押すと友人の母親の怒った声が流れてきました。

『お前が息子の彼氏か。お前のせいで息子の人生めちゃくちゃや。窓拭きの仕事中にお前が電話かけんかったら、息子は落ちて死ぬことはなかったんじゃ。全部責任負うてもらうからな!』

初投稿です。

よろしくお願いします。

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