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氷の滅慕  作者: SH
四章 覇王
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氷の熱情



 うら(さび)れた街路の一角。他の民家となんらかわらぬ粗末な小屋の前で、フレインは立ち尽くしていた。

 これまで感じたことのない類いの緊張に、扉を叩こうとする手が止まる。

 無性に来た道を引き返し、この場から立ち去りたいという、自分でもよく解らない思いがあった。


「何者だ?」


 不意に、小屋の中からサダムの硬い声が聞こえた。

 妙に上擦った、まるで何者かの様子を気にしつつ問いかけた、といった印象をフレインは感じた。


「……私です。フレイン、です」


 沈黙が落ち、室内から小声で囁き合うかのような気配が届く。


「入りなさい」


 女の声だった。耳に心地好い鈴の音を思わせる、澄みきった無機質な声音。そこには命令しなれた者特有の威厳と傲慢さ、そして有無を言わさぬ強制力があった。


「し、失礼します」


 扉を開くと、すぐ正面の椅子に、細い肢体を深く預けた女性の姿が目に映った。その横では、主に付き従う臣下ように、直立不動の姿勢をとるサダムがいた。


 女の顔を目にした瞬間、フレインの口から思わず言葉が漏れる。


「白蓮……様……?」


 アルフラから何度も聞かされた言葉。


(白蓮はこの世で一番美しい。きっと女神様より綺麗だ)


 フレインの中で、その言葉と女の容貌が、ぴったりと一致していた。


「フレイン。お前はこの方と面識があるのか!?」


――しまった


 フレインは混乱する頭の中で、サダムにそう思われるのは、非常にまずいことなのではないかと感じた。

 さきほどのサダムとは違い、目にした美貌に思考を飛ばさなかったのは、心に強く思う少女があった為だろうか。


「お前は何故、私の名を――」


 言いかけた白蓮が、途中で口をつぐむ。

 軽く考えを巡らせるかのように腕掛けに肘を付き、頬に手を当てた。

 その視線がフレインからサダムへ流される。


「サダム。お前は半時ほど場を外しなさい」


 家人を差し置いて、まるで家主のように振る舞う白蓮の言に、サダムはうやうやしく(こうべ)を垂れる。


「かしこまりました」


 そそくさと扉へ向かうサダムは、すれ違いざまに引き攣った笑みを作り、目礼をし小屋を後にした。まるで、この緊張感しか存在しない空間から、去るきっかけを与えてくれたことを感謝するかのように。


「フレイン?」


 扉が閉まり、サダムの気配が遠のくと、その名を確認するように白蓮が問いかけた。


「は、はい」


 慌てて頷くフレインを、無遠慮な眼差しで白蓮が値踏みする。


「あのサダムという男は、私の名を知らなかったわ。でもお前は知っていた。――アルフラから私の容貌について聞いていた。そう考えるのが自然ね」


 ふたたび頷くフレインに、白蓮の目が細まる。


「お前の方が、あの男よりアルフラと親しい。そう思ってよいのかしら?」


「し、親しい……とは言い兼ねますが、より面識は深いかと……」


 ふっ、と無機質な白蓮の表情が和らぐ。


「緊張する必要はないわ。――聞かせてちょうだい。アルフラは今、どんな様子かしら?」


 それはおそらく、アルフラの現状に対する問いではなく、その近況を尋ねたものだったのだろう。

 だが、フレインは額面通り、アルフラが今何をしているかを話し出す。

 何故この人物がここに? という疑問で頭がいっぱいのフレインには、言葉の微細なニュアンスを汲み取る余裕がなかった。


「先ほどまで、私はアルフラさんと一緒に居ました。彼女は今、友人達と共に賑やかな食卓を囲んでいる最中です」


 白蓮の意図とは少し違ったフレインの返答。

 だが、その言葉がもたらした変化は劇的であった。

 それまで、凍ったように動くことのなかった白蓮の表情に、感情の色がさす。


「……そう。あの子に――アルフラに友人が……同じ人間の友達が出来たのね」


「はい」


 うつむき、蒼い瞳をまぶたで閉ざした白蓮が、深い安堵を感じさせる声音でつぶやく。


「よかった。アルフラがいま、とても酷い状態だと高城から聞いていたの……そう、あの子に友達が……」


 そこに、どれほどの感慨があるのかは、フレインには知りようがなかった。しかし、アルフラを案ずる深い想いだけは、ひしひしと伝わってきた。


「やはり私は間違ってなかった。同じ人間達の中に混じり、人として生きていくことが……」


 フレインは、白蓮がとんでもない勘違いをしていることに気がつく。

 思い出されたのは、死者の神殿で凱延を(むさぼ)るアルフラの姿。“あれ”を人間と呼んでよいものだろうか。――爵位の魔族からすら、化け者と罵られたあの状態を。


 白蓮が何をどう聞かされたのかは分からない。だが、アルフラはそれ以上に酷い状況なのではないか、そうフレインは思った。


「白蓮様……そのう、アルフラさんは今、とても不安定な精神状態にあります」


「……どういうこと?」


 顔を上げ、胡乱(うろん)な表情で問いかけて来る白蓮に対し、フレインはどう説明すればよいのか言葉に詰まる。

 その様子を見てとった白蓮は、二度とは同じ質問を繰り返すことはせず、フレインに命じた。


「いいわ、それは本人の口から聞きましょう。お前はアルフラをここへ呼んで来なさい」


「は、はい……白蓮様、一つだけお聞かせいただいてもよろしいでしょうか?」


 一瞬の間があり、白蓮が感情のこもらぬ声で答える。


「いいわ。言いなさい」


「はい。白蓮様は、アルフラさんに会われて……どうなさるお積りなのですか?」


「それに答える必要性を感じないわ。早く行きなさい」


「す、すみません。ですが、これはとても……アルフラさんにとって、とても大切な事です」


 今度は先ほどよりも長い間があり、白蓮がじいとフレインを凝視する。

 足を震わせながらも、必死な面持ちで彼女を見返して来る年若い魔導士に、白蓮は短く息をつき答える。


「あの子が私のために、戦禍を倒そうとしていると聞いたわ。それは、意味のない事なの。いたずらに命を捨てるようなものだわ。だから――私はあの子を思い留まらせるために来たのよ」


「それで、白蓮様はその後どうなさるのですか? アルフラさんを戦いから遠ざけ、あなたは……?」


「もちろん、帰るわ。私にも事情がある。あまり長く皇城を離れることは出来ないわ」


 それはいけない、フレインはそう思った。

 白蓮に対して、常軌を逸した執着を見せるアルフラ。

 魔族を呑み尽くしてでも、魔皇に連れ去られた白蓮を取り戻す。そう断言した時に見せた、不吉な双眸の輝き。

 そして凱延との戦いの最中、しきりとその名を呼んでいた、幽鬼のような姿が思い出される。


 明らかに、アルフラの想いは(つの)り、禍々(まがまが)しさを増していた。


 その想いを断ち切るような言葉は、とうの白蓮ですら――いや、むしろ白蓮からだけは、語られてはいけないのではないだろうか。

 フレインには、確信ともいえる思いがあった。

 そんな事になれば、とても不安定な今のアルフラはどうなってしまうのか。

 本当に取り返しのつかない状態になるのではないか。

 想像もつかないような精神の惨状に、アルフラは飲み込まれてしまうのではないだろうか。


「だ、だめです……白蓮様が、それをしてはいけません」


「なん……ですって?」


 切れ長の瞳に、酷薄な光が宿る。


「今のアルフラさんは、おそらく白蓮様がお知りになられているアルフラさんではありません」


 注がれる冷たい威圧感から、目を背けることなくフレインは告げる。


「もし白蓮様が、戦うことを諦めるように諭し、ふたたび別れを告げたなら、アルフラさんは力ずくででも、あなたを引き止めようとするでしょう」


「何を馬鹿な。あの子が私に暴力を振るうとでも? そんなことは……」


 言いかけた白蓮の顔が強張る。

 かつて雪原の古城で、思いあまったアルフラが、力ずくで白蓮をみずからのものにしようとしてから、まだ一年も経っていない。そのことに思いあたったのだ。


「……」


「以前のアルフラさんがどうだったかは存じません。ですが、今の彼女は幾人もの魔族を倒し、あの凱延にすら打ち勝つ力を持っています」


「凱延を!? アルフラが?」


「はい」


「そんな…………いえ。そうね、あの子なら……」


 フレインは動揺を見せる白蓮に、アルフラについて自分が知りえる限りの話を語った。

 話が進むにつれ、みずからに向けられるアルフラの思慕の強さと、深い情念を聞かされた白蓮の顔が、青白く血の気を失っていく。


「では……」


 話を聞くわずかな間に、白蓮の表情には濃い憔悴の色が浮かび出ていた。


「お前は私に、どうしろというの?」


「それは……私にも分かりません。――ですが、いまアルフラさんと会われるのは、非常にまずいです」


「私に、アルフラと会うな、と?」


 凍てつくような怒気が向けられ、フレインは言葉を発することが出来なくなる。


「この私が、どんな思いでここへやって来たと思ってる……」


 貫くような視線がフレインを射る。


「私だってアルフラと離れて暮らすのはつらいわ。――あの子の声を聞きたい。あの子の暖かい体を抱きしめたい。甘えたような上目遣いで見つめて欲しい……でも、私はずっと我慢していたわ!」


 身を切るような冷気と、焼け付くような想いが同時に、フレインへ叩きつけられた。


「あの子が無謀な戦いに身を投じないよう言い聞かせ、この戦乱が終わればまた会える日が来るからと…………ふたたび別れを告げなけれならない私に――」


 白蓮の美しい顔が歪み、心の弱い者なら、その視線だけで殺せそうな程の怒りが、蒼い瞳の中で燃え上がっていた。


「お前はアルフラと会うなと言うのね?」


「は、はい。アルフラさんのことを考えればそうするしか……私も、今すぐには無理ですが、魔族との戦いを思い留まるよう説得してみます。彼女に危険が及ぶようなら、この身に代えても守ります。ですから――」


 熱く言い募るフレインを、不意に白蓮がさえぎり、口を開く。


「お前は……」


 フレインの言葉を聞くうちに、白蓮の目には怒りではなく、何か言葉では言い表せない不思議な色の光が(とも)っていた。


「もしかしてお前は、アルフラのことを愛しているの?」


「え……」


 フレインは、あまりに実直なその問いに、すぐには言葉を返せなかった。


「アルフラを、愛しているの?」


「あ……はい、あの……すきです」


 しりすぼみに声を小さくし、頬を染めたフレインを見て、白蓮が目を細める。


「なにも恥ずかしがることではないわ。あの子には人に好かれる才がある――――そう、そうなの……」


 白蓮は改めてフレインの顔からつま先まで視線を落とし、じっくりと観察する。


「あなたも魔導士なら、私が瞬きほどの時間と労力で、あなたを殺せることは理解しているわね?」


「は、はい」


「さっき私が、本気でそうしようかと思ったのも分かったでしょう?」


「え……そう、なのですか?」


 顔を青くするフレインを見て、白蓮が楽しげに喉を鳴らす。


「あら、気づかなかったの。そうね、あなたはアルフラのことばかり気にかけていたものね」


 コツッ、コツッ、と椅子の腕掛け部分を、白蓮が指の爪先で打つ。


「それにしても、あなたみたいな意思が強く、純情そうな男をそうまで転ばせるなんて……あの子もすみに置けないわね」


 嬉しげに語る白蓮。

 そんな彼女の態度に、フレインはさらに顔を赤くする。


「あの……白蓮様はアルフラさんを愛しているのですよね?」


「ええ、もちろんよ」


「では、その……私がアルフラさんに好意を持っていることを、ご不快には思われないのですか?」


「そうね……」


 ふっ、と白蓮が軽く息をはく。


「私はアルフラを愛しているけれど、それが母性なのか情愛なのか……自分でもよく解らないわ」


 その両方なのかもね、と白蓮はつぶやき、気弱げに微笑む。

 打算を交えない白蓮のそういった表情が、どれだけ稀有なものかをフレインは知らない。


「私はね、あなたが羨ましいわ」


「え……?」


「アルフラと同じ人間であり、アルフラと子を成すことが出来る、男であるあなたが――――とても羨ましい」


 もう何度目になるのか。またも言葉を失ったフレインが茫然とする。


「私とあの子では共に暮らしても、何も生み出すことは出来ないわ」


「…………」


「それにね……あなたには私が幾つくらいに見えるかしら?」


 フレインも、魔族が人間の十倍近い年月を生きることは知っていた。そして、力の強い者ほど寿命が長く、魔王ともなると千年を越えて生きることもあると。


「私の目からは、二十歳をいくらか越えたくらいにしか見えません。白蓮様はとてもお綺麗なので、容貌からお歳を推測するのは難しいです」


「そう、あなたは趣味も良いようね。でも、私はあなたが考えるより、もっと長い時を生きているわ」


「は……あ」


「私はね。あの子と共に生きたいと思っているわ。でも同時に、とてもそれが怖い」


 視線を伏せた白蓮が、悲しげにつづける。


「たとえこの先五十年ほど時が流れたとしても、私の見た目は今とほとんど変わらないわ。あの子と一緒に暮らしたとしても……アルフラだけがどんどん歳老いてゆく」


 言葉もなく、フレインは立ち尽くす。


「いつまでも若いままの私を見て、自分だけ老いていくあの子は、どう感じるかしら……」


 打ちひしがれたように白蓮は語る。


「何も生むことなく老いていくアルフラの姿を見ながら、いつかは私があの子を看取ることになる」


 かける言葉も、なかった。


「不毛……だわ……」



 深く、重苦しい沈黙がおりた。





 (おもて)を伏せたまま顔を上げない白蓮を、フレインはただ見下ろしていた。


 もしかしたら泣いているのかも知れない、そう思った時、白蓮がふたたび口を開いた。


「あなたの言う通り、今回はアルフラとは会わずに帰るわ」


「……はい」


「あの子はとても頑固なところがあるから、言葉で言い聞かせるのは難しいかも知れないけれど、よろしくお願いするわね」


「アルフラさんの身に危険が及ばないよう尽力します」


 満足げに頷いた白蓮が、しばし黙考する。


「……そうね。もうしばらくすれば夏になるわ。そしてこの地方の夏は短い。その夏が終わる前に、私はもう一度アルフラに会いに来るわ」


「はい」


「なんとかあの子を説得して欲しいのだけど……それが無理だった場合でも、次に来た時はアルフラに会うわ」


「わかりました」


「それまでは、おとなしくこの王都で私を待つよう、アルフラに伝えてちょうだい。私の方でも、レギウス教国に戦火が及ばないよう手を回すことが出来ると思うわ」


「あっ、そのことなのですが。魔王雷鴉様に、アルフラさんをギルドで保護するよう命じられているのですが、それも白蓮様のお(はか)らいですか?」


「保護? 私はアルフラに危害を加えないよう命じてくれ、と頼んだだけよ」


「そうなのですか? 確かに身の安全を確保しろとは言われました。ですが雷鴉様は、決してアルフラさんを手元から離すなとも」


 眉をひそめた白蓮が、険しい顔でつぶやく。


「あの男……やはり油断ならないわね……」


「白蓮様……?」


「いいわ。そちらの方も一度話をしてみる。あなたはくれぐれもアルフラのことをよろしく頼むわ。あの子は、とても人の温もりを欲する子だから」


「いえ……」


 フレインが苦い顔をする。


「アルフラさんは、人の、ではなく白蓮様の温もりだけが欲しいのだと思います。私だけではなく、仲間達からも好かれてはいますが、彼女に取ってはそういった優しさも、あまり価値がないように……私には感じられます」


「そう……」


 ふたたび白蓮は、悲しそうにうつむいてしまう。

 フレインはそんな彼女を気遣うように語りかける。


「私も、白蓮様がとても羨ましいです。アルフラさんの愛情を、この世でただ一人独占しているあなたが、本当に(ねた)ましく思えます」


 すこし驚いたような顔をした白蓮が、優しげに笑う。


「フフフ。同病相憐(どうびょうあいあわれむ)れむ、というやつね」


 その言葉に、フレインもかすかな苦笑を見せる。


「でも、ね。私も色々と考えているの。もしかすれば、悩みの一つは解消出来るかもしれないわ」


「……? それは……」


「秘密よ。ところで――最近のあの子はどう? 背は伸びているかしら?」


「は? いえ、私はまだお会いして数ヶ月も経ちませんが……あまり変わったようには見えませんね。聞いた話では、ここ数年でほとんど背が伸びなかったことを、ずいぶん気にしているようですし」


「そう」


 白蓮が極上の、甘美な笑顔を浮かべる。

 その笑みの意味が理解出来ず、怪訝な表情をしたフレインの前で、すっと白蓮が立ち上がった。


「これを………」


 みずからの髪を一房掴んだ白蓮の手から、細かな氷雪が散る。

 惜し気もなく断ち切られた見事な銀髪が、フレインへ渡された。


「アルフラに渡してちょうだい。私は必ず会いに来るから、いい子に待っていなさいと」


 そのまま扉へ向かおうとした白蓮を、フレインが呼び止める。


「待って下さい。ずっと気になっていたのですが、白蓮様はサダムとどういった繋がりがおありなのですか?」


「ああ、詳しくは本人に聞きなさい。なにかあればアルフラのために尽くしてくれるはずよ」


「はあ……」


「信用は出来ないけど、よほどでなければ裏切ることはないわ。まあ、あの男に自分の命より大切なものがあるのなら、話は別だけどね」


 白蓮の口許が緩やかに吊り上がり、ぞっとするような笑みが(たた)えられる。


 なるほど、とフレインは納得する。この夜、彼がサダムを訪ねた目的は、おそらく容易に達せられるだろうと。


「そうそう。アルフラには、今回私は元から言伝を頼みに来ただけだ、と言った方がいいわよ」


「はあ。わかりました」


「あの子、あれでなかなか気が強いわ。あなたが私を追い返したなんてことが知れたら、きっと怒ってしばらくは口も聞いてくれないのじゃないかしら」


「あっ!?」


 フレインもようやくそのことに思いあたる。みずからの血の気の引く音がはっきりと聞こえた。

 もしそんなことになれば、口を聞いてくれないなどという、かわいらしい展開はありえない。

 間違いなく死ぬ。フレインはそう確信した。


 それ以前に、アルフラを差し置いて自分だけ白蓮に会ったことは、言伝をつたえる時点でばれてしまう。



 白蓮は夏が終わる前にもう一度来るとは言っていたが、もしかすると自分は生きて彼女と会うことはないのではないか、そんな予感がした。

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