第七話 街で買い物中です。
一話一話が段々長くなってるような…
あれから、なんとか誤解は解けた訳なんだけど………。
「リコリスが三歳年下だなんて…。まぁ、妹分ができた事には変わりねぇか」
なんて言ってラグは一人で何か納得してた。とりあえず私は妹分決定らしい。二つ上だろうが三つ上だろうが兄がいた私にしてみればあんまり変わらないような気がするのは気のせいかな?
そんなことを考えてため息をつくとラグが私の手をいきなり掴んだかと思うとそのまま私を引っ張って走り出した。
「リコリス、次は武器屋に行こうぜ!俺について来るんだ、何か護身用に持ってた方が安心だろ?」
「分かった、分かったけど走る必要無いじゃない!」
楽しそうな嬉しそうな顔をしたラグはどこか子供っぽく見える。これじゃあ、私がお姉ちゃんみたいじゃないかって突っ込んでやりたかったけど、ラグの様子からして聞いてくれそうになかったから、心の内にそっと秘めておいた。
走っていて思うんだけど、私未だにローファーだよ!まずそっちをどうにかして欲しいよ。
またため息をついて言おうと思って立ち止まろうとしたけど、ラグの力の方が強くてそのまま引っ張られてしまった。
この調子だと武器を買ってからになっちゃいそう。
=================
うん、居心地悪い。日本人には全く縁のない場所だから、正直早くこんな所出たかった。
そんな私にはお構いなしにラグはあれはこれはと武器を持って来る。
「リコリス、レイピアなら軽いからお前がも扱えるだろ?」
「ごめん、私フェンシングなんてやった事無いから…」
「じゃあ、スローナイフ…」
「ダーツで真ん中になんてろくに当てた事無いし…」
かれこれ一時間ずっとこんな感じだった。一応、中学は剣道部だったけれどあれの基本は刀だし、この世界にはないと思う。
で、結局私が選んだのはサーベル。そんなに重くないし、基本的な所は長剣とさほど変わらないみたい。片手で扱うっていうのが問題だけど、馴れればなんとかなると思う。
「本当にそれで良いのか?他に扱いやすいのあ「これで良いの!!」
ラグが言い終わる前に言ってやりました。このぐらいの我が儘なら大丈夫だよね?何だか店に入った途端、ラグが心配性になったような気がする。
納得のいかない顔をしながらもラグは会計を済ませて買ったサーベルを私に渡してくれた。
受け取った後、来るときに思った事をねだってみる。
「ラグ、靴と下着欲しいんだけど………」
そういうとラグはしまったというような顔をした。あぁ、やっぱりそこらへんの大事な事忘れてたんだ…。
その後、ラグに連れられて下着と靴(もちろん、ラグには外で待ってもらった)を買った。
そういえば、宿代含めてラグにお金出して貰ってばっかりだったけれど、ちゃんと返さないとまずいよね。
「ねぇラグ、お金出して貰ってばっかりだけど返すの遅くなってもいい?私お金持ってないから」
不安にラグを見上げる私にちょっと赤面して視線をずらしたラグはそんな私の頭を撫でた。
「き、気にすんなっつっただろ。俺自身そんな使わねーから困る事ねぇし、お前がこっちで生活できるまで俺は面倒みるつもりだから」
ラグはそこまで考えてくれてたんだ。それが嬉しかった半面申し訳なかった。
「ラグ、ありがとう」
「いいってことよ。さぁ、帰ろうぜ」
笑って頷くと、ラグは私の手を取って宿へと歩き出した。