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第四話 俺は少女を連れて行くことにした(青年side)

三話の続きです。



「大丈夫か?怪我は…?」


 とりあえず何処にも怪我は無いか聞いてみる。が、返事が無い。まさか、彼女の目の前で魔物を切った事に対して気分が悪くなったとか!?

 心配になってもう一度聞いてみる。


「本当に大丈夫か?もしかして具合悪いのか?」

「大丈夫です!ごめんなさい」


 彼女はやっと返事をしてくれた。容姿どうりって言って良いのか声もまた可愛らしい。

 どうやら、彼女に怪我は無いようで少し安心した。が、まだ早いと思う。何故なら彼女を家まで送り届けねばならないからだ。


「何故こんな所に一人で居るんだ?それはさておき、きっと家は近くだからそこまで送ってやるよ」

「……………」


 彼女は俺から視線を外して悲しそうな顔をした。

 数分たって何かを決意すると俺に向き直って真面目な視線で話し出した。


「帰る家は無いんです」


 俺は不思議に思った。服の質からしてそれなりに裕福そうなこの少女に帰る家が無いなんて考えられないからだ。

 俺が不思議に思う事は想定内だったのか、彼女は話し続ける。


「今から言う事は事実ですが、信じる信じないは貴方次第です。私はこの世界の人間ではありません。事故に遭遇して、気を失ってる間にこの世界に来ました。なので、此処が何処なのかとか、この世界での常識とか、その外色々な事を私は知りません。なので私に帰る場所なんて……無いんです」


 そう言っている彼女の顔は何処か寂しそうだった。


『なんとかしてやりたい』


 考えられるだけ考えて、ある案を出していた。


「確認するけど、帰る場所がねーんだよな?」

「は、はい…」

「なら、安定した生活ができるようになるまで俺と来ねえか?」


 彼女は目を見開いた…がそれ以上に俺自身が驚いていた。

 近くの街の修道院にでも連れていけばきっと面倒を見てもらえると思うのに。

 この時、俺は彼女に一目惚れした事に気づいていなかった。


「あーやっぱり、俺みたいな傭兵といるのは嫌か?」

「そんなことありません!宜しくお願いします!!」


 その時見た彼女の笑顔が眩しくて目を背けたのと同時に、心臓が跳ねた理由を俺はこの時知る術が無かった。






三話に書き忘れましたがご感想などお持ちします。

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