第二四話 過保護なアイツは王子様でした
更新遅くなってごめんなさい(T^T)
それと今回は短いです。
「やはりテメェか、シオン!!」
「やだぁ、ラグ君怖ーい!!」
「ふ・ざ・け・る・な!」
マジ切れのラグに対してからかうウチの馬鹿兄貴。今にもラグが殴りかかりそうだけど、私的にはそのまま一発ぶちかまして欲しいです。
って、それどころじゃなかった。
「ラグ、“殿下”ってどういう事?」
「えっ、あぁ、その………」
ラグ君、さっきの勢いはどこ行った。
私に迫られて言葉に詰まるラグ。質問に答えたのはラグじゃなくて隣にいる兄だった。
「ラグの本名はラグナス・ローグランド・レストって言ってレストの第一王子。別名、家出王子とm「兄さんは黙ってて!」
結局、あの馬鹿兄貴に鉄拳を食らわせたのは妹の私でした。
とりあえず兄を黙らせた私はラグの方に向き直って今度は優しく説明を求めた。
「本当なの?」
「…………あぁ。黙っていてすまない。改めて、私の本当の名はラグナス・ローグランド・レスト。レスト王国の第一王子だ」
やっぱりラグは王子様だったんだ。あれ?なんか…
「ラグ、いつもと口調違ってない?もしかしてそっちが本キャラだったりするの?」
「いえ、いつものが本当の私ですが…。お気に召さなかったでしょうか、リコリス嬢?」
王子様口調のラグの顔がにやけていた。これはからかってるというのを私はその表情一つで悟った。悟ったと同時に何だか腹が立ってきた。
「ラグ、からかってない?」
「いえ、私は真面目ですが」
「顔が笑ってるじゃない!」
「気のせいでは?」
「気のせいじゃ無いわよ!」
「キュー!!」
私の腕の中でずっと寝ていたフーガが起きた。
私の腕から出てラグの肩に乗ったかと思うとそのまま尻尾でラグの頬を叩いた。ペシって可愛い音がしたけど結構痛かったらしく、頬が赤く腫れていた。
「ったく、おい、フーガ!意外と痛ぇな」
「「「あ、ラグだ!」」」
私とルキアと兄の声が揃った。そのぐらいラグに違和感があったのかな?
結局最後はラグも王子様口調を止めて普段通りに話してくれた。
しばらく四人で他愛もない世間話をしながら、アルディオさんが入れてくれた紅茶を飲んでいた。
そうして旅に疲れた私達が寛いでいた時にふと、兄が口を開いた。
「ねぇラグ、こっちに寝返らない?」
「う゛っ!!ゲホッゲホッ………は?」