表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/29

閑話 ラグとクリスマス(ラグ side)

クリスマス特別閑話です。

三本立てでお送りします。

「そういえば、もうすぐクリスマスだったな…」


 雪が積もり始めた窓を見てポツリとルキアの奴が呟いた。それを聞いたリコリスがルキアに聞き返す。


「え!?クリスマス?こっちにもあるの?」

「いや、元々はねぇよ。ただ、最近では紫苑先輩がリーゼアで流行らせてるみたいらしいけど」

「本当、イベント大好きだよね。あの馬鹿兄貴」


 そういうリコリスは溜め息を一つはいた。

 そんな二人の会話を聞いて一年前の事を思い出した。そういえば、クリスマスのイベントで俺もシオンに驚かされたな…。




=================



 その日も雪が積もっていたと思う。

 宿から外へ出た俺は依頼を受けにギルドへ向かうところだった。正直雪の中を歩くのは辛かったけど、何時か俺の目的を達成するために金を貯めておきたかったから仕方なしにギルドに行くことにしたんだった。

 今日はどんな仕事をこなすか歩きながら考えていたら後ろから声をかけられたら。


「久しぶりだね、ラグ」

「シオン!!」


 振り向いてみたら、今は隣の国で王様業をやっている友人が目の前にいた。

 本当にあなたは皇帝ですか?と言いたくなるような一般人と変わらないくらいのラフな格好をしていた。

 シオンはニコニコしながらこっちに駆け寄って来る。

 俺の前に来ると綺麗にラッピングされた長めの箱を差し出してきた。誕生日でもないから勿論俺は怪訝な顔をした。


「シオン、俺の誕生日今日じゃないけど…」

「うん、知ってるよ!でも今日は僕の世界では特別な日だから」


 にっこりとした顔でプレゼントを渡されたので渋々受け取った。

 俺が受け取ったのを見たシオンは一人で喋りだした。


「今日はね、僕の世界では“クリスマス”って言って好きな相手と一緒に過ごしたり、仲の良い友人や家族にプレゼントを渡したりする日なんだ!だから、今日は僕からラグにプレゼント」


 へぇ、そうだったのかぁ………。って俺、説明求めてませんでしたけど…。

 そう突っ込もうとしたけど「じゃあね☆」って言ってどこかへ行ってしまった。



=================



 懐かしいな。そういえば、中身は短剣だったな。今でも愛用してる赤がベースで金のラインが入ったやつ。びっくりしたけどやっぱり嬉しかったし…。

 思い出に浸っていながら未だに喋っている二人を眺めてた。何だか楽しそうだし俺にはよく分からないクリスマスの話題で盛り上がっていた。


「ねぇ、ルキアはサンタさん信じてる?」

「んなもん信じる訳ねぇだろ。あんなガキの妄想」

「ガキの妄想って、ちょっとルキア酷くない!?」


 何か言い争い始めちまったけど良いのか?とりあえず放っておこう。

 しばらくしてピンときた。

 俺はコートを取り、出かける準備をする。


「ラグ、どっか行くの?」

「ああ。すぐ戻るから安心しろよ」

「誰がお前の心配何かするんだよ。でも、気をつけて行けよ」


 俺は二人に見送られて宿を飛び出した。二人へのプレゼントを考えながら薄暗くなってきた町中を子どものように駆けて行った。

 ルキアには万年筆、リコリスにはブレスレットでも買ってプレゼントしようか。考えるだけでわくわくしてきた。



宜しければ、ご感想と作品評価お願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ