第二二話 いざ、リーゼアへ……。
今回は途中から遥視点になります。
精霊の森の依頼から一週間が経った。
傭兵の仕事にもだいぶ慣れてきたと思う。ラグが結構無茶苦茶な依頼を見つけてくれちゃうのでお陰でランクがすぐに上がりました。
依頼内容は基本的には戦闘をするものが多くて、上の方のランクになると戦争や奴隷商絡みの汚い仕事の依頼なども舞い込んでくる。ラグや兄は極力避けていたらしいけどやったことがないわけでは無いんだって。
この世界テスラには、冒険者は無いらしい。だから、冒険者紛いの依頼も傭兵ギルドの依頼掲示板に張り出されてる。初めてやったエレメントの討伐はその類いに入る。
でもそんな傭兵生活も終わり。今からこのファーランドの街を出る。意外に短かったような気がする。
王都の北門で待っていたらその人は来た。
「ごめん、遅くなって………ん?」
「どうしたの?」
「その手の何だよ」
今まで私達を待たせていた人、天城ルキアは私の腕を指差した。
「キュー!」
私の腕の中の白いキツネもどきが可愛らしく鳴いた。このキツネもどきは本当はちゃんとした霊獣で本来はもっとおっきい。シルフィーユさんの命令で私を守護するために一緒に来た風属性の霊獣さんです。その証拠に尻尾と耳と首回りの毛の先の色が緑色をしている。歩いていてもちゃんとついて来れるのに私が抱っこしているのは単にこのモフモフがたまらないから。
「あ、この子のこと?この子は風の霊獣のフーガ。私の護衛なんだって!」
「なんだって…って何か軽くないか?ノリ」
「まぁ、良いんじゃねえか?浮かれてるだけだろ」
三人プラス一匹で楽しく話していたけど、だいぶ落ち着いてきた。
「それじゃあ、行こう!」
「「ああ!」」
「キュー!」
私がかけ声をかけてファーランドを出発した。
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此処は、私達が住んでいる世界アースとテスラの狭間の世界。この間、私が利子を呼び寄せた世界でもある。
私は白い椅子に座って白いテーブルの上にある水晶を見ていた。水晶に映っているのは勿論利子達。今は天城君と行方不明のレストの王子、それと風の霊獣がいるから今のところは大丈夫だと思う。シルフが任せた子なら尚更。
「遥ちゃん、何見てるの?」
「紫苑君、来てたんだ」
後ろから声をかけてきたのは利子の兄である【賢帝】高梨紫苑だった。
彼は何かある度にこの狭間の世界に来る妹よりも規格外な奴。
「うん、まぁね。レストの状況を聞きたくて。何だか不穏な動きがあったみたいだから」
「そうなの?後で見ておかなくちゃ。今、丁度利子達の様子を見ていたのよ。天城君とレストの王子と一緒だし、シルフが護衛に風の霊獣をつけたから心配は無いわ」
「ルキアとラグが?何でまた」
紫苑君は不思議そうな顔をして首を傾げている。何だかその表情が今さっき水晶で様子を見ていた少女と重なった。まぁ、兄妹だから当たり前か。
可笑しく思ったけど、声を上げて笑うのをこらえて、微笑みの中に隠した。
「さあね、運命なんて流石の私にも分からないわ。さて、レストの様子でも見ましょう」
「………そうだね」
紫苑君が頷いたのを見て、また水晶の方に向き直った。
ーーー運命はどう動くか、どう残酷になるか分からないけど、どうか利子、無事でいて。そして、あの何しでかしてるか分からないレスト王国を叩きのめしちゃって!!
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H23 2/20 文章を付け足しました。